マイルドヤンキーへのアプローチ方法を考えてみる

2017年2月20日

noteとメルマガの質問に面白いのが来ました。こういう仕事はしたことないのですが、とりあえずちょっと本気で考えてみました。メルマガでは長くなって書きようがない!!
わたしの思考経路が分かると思いますので茶飲み話にでも・・・

【質問ここから】
会社を経営している友人から新規事業の相談を受けております。参入障壁があまり高くないビジネスのため、あまり詳しくは言えませんが、いわゆる「マイルドヤンキー系」の人達をターゲットにしたサービスです。これらの人達への有効なプロモーション方法ですが、どのような方法が考えられるでしょうか?

私が考えるに、ヤングジャンプや週刊プレイボーイなど、ターゲットに好まれるであろう媒体に小さな広告を出し、その広告は、キャッチコピー、簡単な説明、QRコードで構成する。(QRコードでサービス詳細が記載されているスマホサイトに誘導する)
というような形はどうかと考えています。永江さんはどう思われますでしょうか?
もっと良い方法や媒体など、アドバイスなどありましたらお願いいたします。
【ここまで】

マイルドヤンキーとは博報堂のブランドデザイン研究所の原田さんが命名した、地元志向の若者です。

「若者がモノを買わない」時代、唯一旺盛な消費欲を示しているのがヤンキー層だ。だが、ヤンキーとはいっても鉄パイプ片手に暴れ回る不良文化は今は昔、現在の主流はファッションも精神もマイルドな新ヤンキーである。本書では密着取材とヒアリング調査により、「悪羅悪羅系残存ヤンキー」「ダラダラ系地元族」に分化した現代のマイルドヤンキー像を徹底解明。「給料が上がっても絶対地元を離れたくない」「家を建ててはじめて一人前」「スポーツカーより仲間と乗れるミニバンが最高」など、今後の経済を担う層の消費動向がわかる一冊。

これ、地方と言ってますが都内でも大田区とか下町のほうには普通にいます。埼玉まで行けばもううじゃうじゃ・・・・。マイルドヤンキーは「イオンで生まれてイオンで育ってイオンで死ぬ」と言われていまして、イオンの駐車場はマイルドヤンキーのロールスロイスであるヴェルファイヤとアルファードがたくさん停まってます。

さすがのイラストやもモロヤンキーしかないので、次回までにマイルドヤンキーもよろしくお願いします。

つるむ相手は「地元の先輩」「地元の後輩」というのが多く、この絆を結構大事にしています。iPhone持っていますがリテラシーは低く、家にパソコンがなくてWi-Fi環境もないとか普通です。わたしの親しいサーフィン友人にも数名いますがひとりはiPhoneのアップデートを1年以上しなかったため、アップデートが溜まりまくってLINEが動かなくなりました。ww なんでアップデートしないといけないのか分からなかったようです。仕事は一応頑張ってるようですが、ホワイトカラーではなくて現業職が多いです。飲食などのサービス業も多いです。

マイルドヤンキーに到達するメディアを考える

質問者さんは「ヤングジャンプや週刊プレイボーイ」と言ってますけど、両方とも全然ダメでしょう・・・・・。まず、ヤングジャンプですが、読者構成はこんな感じ。雑誌広告ドットコムから持ってきました。

そもそも28歳以上のサラリーマンだし・・・

週刊プレイボーイにいたっては

30〜40代・・・・・・・・・・のオッサン。昔の若者ですね。

どこがマイルドヤンキー向けや!!

そもそもマイルドヤンキー層は活字は読みません。ワンピースみたいな漫画の単行本は読みますが、オタ層とは違い、こちらも買ってまではなかなか読まない。後輩から借りるって感じでしょうか。週刊誌とか新聞はほぼ読まない。雑誌広告などを使ってもっとも失敗するパターンはこのように「読者層の思い違い」がよくあるわけです。

ストリート系雑誌も、以前某編集部と話をしたことがありますが、田舎の高校生がメインターゲットで、修学旅行の時に原宿の店を回るために買うそうな。マイルドヤンキー準備軍ではあるが、ズバリではない。のちに修学旅行の時に買ったジャンバーとか着て決めたつもりで東京に行くと、そんな格好した人はほとんどいないという、、、、。

こうした、自分とは遠い層についてどう予測するかですが、常日頃からどういう思考経路とか嗜好なのかなと、観察するわけです。自分も↑のマイルドヤンキー友人とはサーフトリップも行きました。一緒に呑むと、だいたい何を考えているかもわかります。人に興味を持つことがマーケティングの第一歩です。さすがに女子高生とかは周囲に1人もいないので観察のしようもないですが、電車の中の会話とかはけっこうダンボ耳で聞いていたりします。

で、彼らはどういうルートで情報を得るかというと、まずは「友達に聞いた」です。交友関係は地元に偏りますが、その中には車屋から不動産屋までいるので、何か知りたい時は相談する。
一番苦手なのが資産運用です。w そもそも田舎にどうしても持ち家が欲しいというニーズも、資産運用とかを考えてではない。人口急減少中の日本では首都圏中心部以外の居住用不動産は必ず価格低下するわけですが「とにかく持ち家に友達呼びたい」「男なら家くらい持つ」みたいな夢を基準にしています。損得より夢を優先するわけで、大卒の草食男子よりは消費に貢献するかもしれません。

中には、マイルドヤンキーから、ヤンキーの虎に昇格するまれな例もあり、こうなると収入的にもかなり上にくることもあります。マイルドヤンキーはブラック企業に勤めるサラリーマンより出入が多いとか普通にあるんですよ。建築系とか職人とか飲食店経営とかね。

では、どういうアプローチがマイルドヤンキー層に効くのかというと、うえにも書いたように地元の友人の口コミに乗るようになればいいのですが、これが難しい。女子ならば人気タレントにInstagramやアメブロでステマでもやってもらえればいいですが、コストもコネもかなり必要です。

マイルドヤンキー妻とかマイルドヤンキー彼女であればアフィリエイト広告が効果が出るはずです。アフィリエイト広告では、健康食品や化粧品がいちばんのホット商材ですが、アフィリエイトの説明を丸呑みしてしまうので、検索上位に出るだけでわりと簡単に購入に結びついてくれます。「お薦めランキング」とかも丸呑みです。

しかし、男子となるとこれが少し難しい。女性に比べてそもそもデスクワークではなくて体を使って働いてるので、検索してる時間自体がない。仕事が終わると地元の仲間といつもの店で呑まないといけないし、休日もバーベキューしたり、サーフィンしたり、友人の結婚式に出たりで忙しいのです。余談ですが、マイルドヤンキーの層はいまでもきっちり結婚式を挙げたりするので参加率が年に数回とかザラです。さらにかなり遠方まで出かけていきます。友情の絆で固く結ばれているのです。Hくん、キミのことだ。

では、何が効くかというと、テレビくらいしか考えられない。これにはめっちゃコストがかかりますが、テレビ広告が新聞や雑誌のようにインターネットに喰われないのは、電通のリリース見てもこんな感じでテレビはあまり落ちてません。新聞と雑誌がネットに食われた感じです。

●新聞・雑誌 → リテラシー高めの人が対象なのでネットに置き換えされた
●テレビ → リテラシー低めのひとが対象なのでネットと共存できる

ということなんですね。リテラシーの低いレイトマジョリティがいるかぎりテレビは不滅です。

じゃあマイルドヤンキーの男子にひろくアプローチするにはテレビしかないのか、ということになりますが、ほんと、その通りです。笑。あとは、マイルドヤンキーを友人に持つインフルエンサーにアプローチするくらいしかありません。
または、マイルドヤンキー妻やマイルドヤンキー彼女にアプローチして、彼氏や旦那に知らせるということくらいしか考えられない。

リテラシーが高めのひとにアプローチするのはネットを使ってコストをそれほどかけずに可能であるが、その場合は単に流すだけではなく手間暇掛けてじっくり作り込まないとすぐ簡単に見破られてしまう。食べログが炎上したりステマが見破られたりという案件になります。

逆に日本の人口の大半を占めるリテラシーの低い層にアプローチする場合は、巨額の投資が必要なわけですね。なのでわたしは低予算のこうした仕事の依頼が来ても「申し訳ございません」とお断りするでありましょう。小さな会社が小さい投資で攻めて行くのは余程の商品の魅力がないと厳しいと、正直にバンザイしてみたいと思います。お役に立てずまことに申し訳ございません!

さて、昨日、Kindle Fire HD8でこの映画を見ました。ぶっちゃけ、自分的にはかなり面白かった。極悪じーちゃんたちが極悪ヤンキー相手に本気出すとこうなるというストーリーですが、ブロンドの未亡人刑事の喉の部分のシワが気になりましたとだけ付け加えておきます。

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