Facebookページのいいねの分析と考察

2012年1月23日
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ひとつまえのエントリーで、Facebookとmixiの個人IDにおける「いいね」の違いを挙げた。そちらが前段なので、このエントリー読む前にできればそちらからお願いします。

本日は、Facebookページの「いいね」についての考察である。まずFacebookページには2種類のいいねがあることをみなさん気づいているでしょう。「コメントへのいいね」と、「ページ自体に対するいいね」である。

この2種類の「いいね」は全く異なるものということは分かりますよね。

コメントに対する「いいね」は、個人IDの場合と同じである。Facebookページの場合はページの管理人は個人IDとともにページIDとしての人格も持つことができ、設定によって(デフォルトはページIDとしてのみになっている)そのどちらの立場でもFacebookページに投稿できる。いいねがコメントにつくのは個人IDの場合と大差ない。

ところが「ページ自体に付くいいね」は、そもそも意味合いが全く違う。そもそもFacebookページは昨年までは「ファンページ」と言われていた。ページ自体に「いいね」を押すと言うことは、「ファンになる」ということと同義語。そしてもっと突き詰めて端的に言うならば、

 

ウォールにコメントが差し込まれることを承諾する

という、オプトインなのである。個人IDのフィード購読と同じ意味合いを持つわけで、企業のFacebookページで考えると、メールマガジンの購読とも同じような意味合いと言っても良い。

しかしFacebookページにおける「ページ自体へのいいね」はメールマガジンどころではない破壊的なアウトバンド効果を持っていることにお気づきだろうか。

ネット黎明期より、「メールマガジンの重要性」が叫ばれ続けてきた。私自身、コンサルしているクライアントにまず説明してきたのがコレだ。楽天のメルマガにうんざりしている人はたくさんいると思うが、楽天にはいればまず、「メールマガジンの会員を増やすように」いろいろな投資を求められる。売り上げを増すにはまずはメールマガジンの会員を増やす。これが鉄則であった。楽天のメルマガは買い物するとデフォルトで送られてくるが、ワンクリックで解除できないので面倒くさいからそのままになり、開封しないままゴミ箱直行。登録者だけは順調に増えることになる。

 

いまやメールマガジンは物凄く弱くなっている。

まぐまぐ!で見ると、2008年1月時点でメールマガジン数29,000誌、のべ読者登録数3676万人という規模となっていたはず(Wikiより)が、現在では公称読者数1000万人になっていた。ランキング上位の読者数も相当に減っていた。もしかして数え方が違うのかもしれないが、そもそもメールマガジンを読む人自体が減少しているのは確かなところ。ネット黎明期には珍しかったものが、明確に飽きられているのだ。ネット広告も同様でバナー広告などはクリックレートが落ちまくっている。

そして、メールマガジンで大事なのは登録者数ではない。「開封率」だ。この開封率はHTMLメールを配信すればヘッタ画像がどれくらい読み込まれたかで推測できるし、テキストメールでもアクセス数の推移からある程度は推測できる。では実際のところ、頑張って書いたメールマガジンの開封率はどれくらいだろう。3〜4%が相場といってる方もいるが、そんなのは例外中の例外。実際には3%もあるのは非常に特殊なケースのはず。趣味性が高いものとか、自分が大好きなアイドルとか、有料メルマガとか、そういう特殊なものを除いて普通のネットショップや企業のなら、現在では1%切ってるのが普通だと思う。

そもそもメルマガというのは登録して最初の一本は開封率が高いのだが、すぐに読まなくなる。ネット黎明期と違い新規のメルマガ購読者はなかなか増えないから、いままでの購読者に送り続けるとどんどん開封率は下がるのは当然です。もちろん特価セールのメルマガなどはもっと開封率は高いはずだが、あくまで一般論で説明してます。
先日、超大手の通販会社の友人と飲んだら、開封率はもっとずっと低いと言っていた。仮に高めに1%と仮定すると、2000人のメルマガ購読者がいても、実際に開封するのは20人程度なのである。

これに対し、Facebookページへの「いいね」を押したファンには、そのユーザーのIDにコメントが表示される。開封された状態で親しい友人の投稿と一緒に自分のウォールに出現する。これ、つまりは「開封率100%のメルマガと同等」なのだ。
極論言えば、Facebookページでいいねが1000人いれば、メルマガなら10万人に相当することになる。まぐまぐ!でさえ10万人の購読者がいるメルマガは全体の0.03%、10紙程度しかないのである。私がコンサルしているクライアントにはFacebookページを頑張るように強く言うのはまさにこの理由なのだ。

ちなみに自分のFacebookページを例に取ると、いいねが1500くらいだが、1ヶ月の投稿表示数は60万を超え、月間アクティブユーザーも6万人超である。こんな効果はメールマガジンではけっしてあり得ない数字だ。

mixiページの場合はそもそもmixi自体が総合的なウォール仕様になっていない。mixiページは別立てになっているから、よほど興味があるタレントのmixiページでも無い限り誰も見なくなる。だから誘導がめちゃくちゃ少ないのだ。Facebookページが有効なのはFacebookの仕様だからだ。入れ物だけ真似しても効果は期待できないの例だろう。

 

大事なのは数の勝負では無いということ

カビの生えたマーケティング理論では、「数が勝負」という短絡的な目的意識に陥りやすい。Facebookでせっせと知らない人に友人申請を送りまくり、まともな人に相手にされなくなるという悲しい事象は、ここが理解できないから起きた。数だけを追求するとFacebookページでも同様のことが起きる。

怪しい自称コンサルの中には「短期間でいいねを何千も獲得した」と数を売り物にしている方が多い。実はこの例を作るのは非常に簡単。いいねを買えばいいのだ。詳細はこちら。最近では少しは偽コンサルも賢くなってきて、まずは全世界公開のFacebookページにしていいねを買って付けて、そのあと日本だけの公開に変更する。こうすると外人から見えなくなるので外人のコメントが付かなくなる。いいねがたくさんついてると思わず自分もいいねを付けてしまう初心者も多いからある程度は効果があるかもしれないが、ステマよりたちが悪い
知らない人は簡単に騙されて「凄い!自分の会社のFacebookページにも数千のいいねを短期間に付けたい」と思ってセミナーや情報商材にお金を払う。セミナーでは当然、ドス黒い方法には触れないのでなにがなんだかわからない感じで終わる。開催している方は参加費用が集められればいいのだ。あなたは騙されたわけです。

しかし買ったいいねは無価値でクソである。さらに最近大流行の「××ケンテイ」を搭載したり、高額懸賞、極論言えばスパムアプリであれば、いいねはすぐに何万単位も集まる。しかしこれで集めたファンは果たして有効なのだろうか。
集まったファンの大半は、別にこのFacebookページがいいと思ったわけでは無い。 単にケンテイがしたいだけだったり、ものが欲しいだけだったりするわけです。ゲーム会社ならゲームをやって貰えば何%かは有料アイテムを買ってくれるから本業のビジネスなわけだが、企業の事業に全く関係ない内容でいいねをたくさん集めても意味が無い。顧客層が全く違うからだ。

こんな「いいね」を集めても、楽天のメルマガは止めるのが面倒だが、Facebookページのウォールへの投稿の差し込みは、いいねを取り消さなくても投稿からワンクリックで「このIDからの投稿をすべて非表示にする」とやられれば、以後は一切表示されなくなってしまう。

ここまでで「Facebookページに付くいいね」にも「質のいい、いいね」と「そうでない、いいね」があることが理解できたと思う。では「質の高い、いいね」はどうやって集めるのだろうか。これはもう、本道で行くしか無い。本当にそのFacebookページがいいと思ってくれるファンを集めるのなら、「いいねを押してくれたら××」と画面が遷移する仕組みは逆効果では無いかと思い、自分のFacebookページで外してみたら逆にいいねの率は増えました。一番大切なのは、「いいね」を押してファンになってくれた人に、どういうメリットを与え続けられるか、だと思います。そしてそのメリットは自分のFacebookページの本筋と一致していなければならない、という簡単なことなんです。とりあえず自分のFacebookページでは、これを頭に入れて運用しています。

なにごとも本道、直球ど真ん中が一番です

これ、今日の格言

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