Webは誰の視点で考え、誰の評価を一番求めるべきか

2015年7月28日

大きい仕事がいくつかローンチし、小さめのも先が見えてきたため、サイト制作の仕事が来てもやっと受けられるような気配になってきました。そこで本日は、「サイト制作にあたって、誰の目を一番気にするべきか」ということについて簡単にまとめてみたいと思います。

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↑いちばんの大物がコレでした。https:pass-me.jp

メルマガの質問ではWeb制作会社の人たちからや、WEB制作会社に発注したい人たちの質問がけっこう来ます。発注者側は、「相場」とか「格安とそうでないものとの違い」「自作で作っても良いのか」みたいなのが多く。制作側は「どうやったらクライアントを説得できるか」「地方の企業はWebに疎いがどうしたら仕事が来るか」みたいな物が多い。せめぎ合ってます。

まず、サイト制作のコストについていうと、サイト制作は人工(にんく)仕事です。基本的にはこのようにしてコストが算出されます。

時間あたりの単価 × かかった時間

使う大工は熟練の宮大工なのか、DIYが好きな副業サラリーマンかで時間あたりの単価が変わります。次にかかった時間です。この差が素人の発注者さんにはよく分からないようなのですが、一番安く上がるのは

もらった原稿と写真を流し込むだけ

の場合です。格安制作会社はだから安いのです。「ここはこうしたほうが?」とかいうと手間がかかるだけなので、いわれたまんま、そのとおりにします。ただしそれは見た目だけで機能とかは無理なんで「このコストではできません」と回答します。しかたないんだよ。安いから。

で、まともなWeb制作では、一番時間がかかるのはどこかというと・・

どういうサービスにするか考えてる時

なんですな。この間ローンチしたJTBさんのPassMe!の場合、その段階で4ヶ月かかりました。いろいろブレストしながらコンセプトをきめて練っていく。国立競技場だって同じじゃないですか。高い場合は企画と設計にめちゃ時間がかかる。簡単な設計ですぐ着工ならすぐオープン!!国立競技場はそれでいいんだけどWebサービスはそうはいかないもん。

話が長くなりましたが、制作コストを低くするには「検討はほとんどしないで」「適当にある文章と写真を流し込む」と、安く上がるわけです。拘束時間が短いから。住宅でいうとバラックの仮設住宅です。でも「住むだけなら」なんとかそれでもいけます。快適じゃないし結露もできるだろうが・・・。

サイト制作にもっとも大事なこと

わたしにとって一番やりたくないサイト制作。ひと言で申しますと、クライアントが素人さんであれこれ好みで注文を付けてくる場合です。やれ、カラーはこういうのがいいとか、スタッフについてのコーナーは出たくないので不要ですとか・・・こういう内容は差し障りがあるので掲載したくないとか・・

わたしが若い頃でしたらそれでもハイハイと言ってたと思うのですが、いまはそういう仕事はまず受けないのでストレスからは解放されました。まあブログにも書いてあるのでそういう人は依頼してきませんし。www でもメルマガ質問には、こういう素人発注者に苦しめられている制作者の怨嗟の相談が寄せられてきます。アドバイスをするならばこういう言い方をするしかありません。

なんのためにコストをかけて制作するのか、原点に戻る

ということです。制作者としては言われたまんまでハイハイと作るのが楽です。しかしそういうサイトは成功する可能性も低いので自分の実績にはなりません。建築家の場合で言うと、素人の客が、やれはめ殺しの全面ガラスにしろとか、外壁はピンクで(吉祥寺のU邸)とか言われてそのとおり設計したら近所中の笑いものですし、はめ殺し全面ガラスは夏は温室ですので阻止したいところですが、金のためだけに手を抜きたいなら言うとおりにします。が、作品事例集には入れないでしょう。

同様にサイト制作も「金のためだけ」なら客の言うとおりもアリなのですが、それは自分の実績(成功事例集という意味の)になりません。客は仕上がった時点では自分の思い通りなので喜びますが、全然効果が出ないので、そのうちに「あれ?」とか思い始めます。決してWin+Winじゃないんですよ。サイトはターゲットにこそ見てもらうべきものです。クライアントが気に入ろうがいるまいがどうでもよい。

ターゲットがサイトを気に入る

他の人にも知らせたいと感じる

このようなコンテンツを作れば、失敗するわけがありません。

逆の場合、客も人間だから、仕上がったときには「こんなん自分の作りたかったものじゃない」とかいうかもしれませんが、実際に効果がバンバン出だしたら手のひら返して「素晴らしいものをありがとう」っていいます。しかたないです、人間だもの。みつを。それでもブツブツいうなら客と縁切ればいいだけです。

わたしが買ったGoPro4 SessionがAmazonにも登場。レポートはもうすぐ公開

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