シャープに見る、日本の物(ハード)作りの限界

2016年3月2日

本日はメルマガとnoteの日。メルマガからだいぶん移ってくるかと思いましたら、ほとんど移行された方はいませんでした。まぐまぐ!の読者数は減っておらず、それどころか「ロードサイドのハイエナ」の井戸さんも抜いてランキングで8位になってるという謎。今号は

1 地方都市再生のアイデア
2 ロリポップサーバーを使い続けてよいか
3 学習塾のビジネスモデル転換について
4 結婚相談所のサイト制作におけるポイント
5 音楽スクール立ち上げのWeb活用
6 訪問型マッサージ店の今後の展開

です。まぐまぐ!またはBLOGOS、スマホで読む方はnoteでお買い上げいただけます。
関係ないですがついでにInstagramもフォローしていただけると喜びます。いま効果測定しながらいろいろ試してます。

さて、シャープさんです。実は古くからのリアル友人に中の人もいるので、いろいろ余計な心配もしています。で、その友人はいつも

写メールの時代は良かった

と、いいます。みなさん知ってますか?
携帯電話に他撮り用のカメラ付けたのは、シャープが最初なんですよ!!

Wikpediaからお写真借りてきました。

1280px-Sharp_J-SH04_CP+_2011_edited-1

J-SH03と同様の軽量コンパクトストレートボディに、デジタルカメラを端末本体背面に付けたモデル。現在普及しているカメラ付き携帯電話の定礎となった(カメラの搭載だけで言えばVP-210が1年以上前に搭載していたが目的がテレビ電話なので自撮り用)、所謂“写メール”の先駆けモデルである。このカメラは、約11万画素CMOSで、右隣に自分撮り用のミラーが付いている。画像はJPEGで記録され、「ロングメール」でのパソコンへの送信や、端末と同時にJ-フォンから発表された「カラーモバイルプリンタ」でプリントアウトできる。

2000年11月。当時の詳しい記事です。

J-SH04 (シャープ)ケータイWatch

自撮りも他撮りもできる点で画期的なこの製品は、売れに売れて、その後のガラケー、そしてスマートフォンにはほとんどカメラ搭載が当たり前となりましたね。しかし開発当初はシャープ社内でも賛否両論だったと言われているのだ。ココ大切。社内でみんなが「絶対いい」というものはえてして売れない。Walkmanだって故盛田会長が社内の反対を押しきって開発したのです。
全員が賛成するより半分は大賛成、半分が大反対くらいのほうがヒットするのは、要するに製品やサービスに「エッジが効いている」証拠だからです。

現在のソーシャル全盛の時代もシャープのおかげ?

TwitterをInstagramがぶち抜いたのも、もともとTwitterはテキスト中心のPCから生まれたやや古めのコンセプトのサービス(2006年スタート)であり、Instagramはスマホありきでスマホで撮った写真を投稿するという新しいコンセプト(2010年)という点が大きく異なるからだ。ほかのソーシャルにしたところで、写真無しでは存在すら考えられない。

つまり、シャープが16年前にカメラ付き携帯を世に送り出していなかったら・・携帯で写真や動画を撮るという楽しさが世にしられず、ソーシャルがこれほど世界を変えたり、人に楽しみを供給してくれることはなかったかもしれない。シャープじゃなくてもいずれ他社が搭載したかもしれないが、当時の日本のガラケーは世界最高水準であり、シャープが開発してヒットしなかったらもっとずっと遅れたかもしれないのです。

そんなわけで、鴻海じゃなくてInstagramが出資してあげればいいじゃん。ま、株主さんが怒るからだめでしょうが。www

なんでシャープもソニーも没落したか

いや、シャープに限らずソニーもサンヨーも没落しましたよね。ところがAppleやGoogleは儲かりまくっている。

この2社についていうと、シャープさんと一番違うのは、

「ハード中心ではなくてソフト中心で成功した」

ということじゃないかと思います。ここでいうソフトは音楽や映画みたいな「形になってるもの」じゃなくて、無形の「サービス」と考えてください。

Googleもいまはデバイス(ハード)出してるけど、もとはソフト一本槍。
Appleは最初はMACというハードだったけど失敗してヤバくなり、ジョブズが解任されてまた戻り、もどったあとでiPod出してiTuneという音楽配信サービス(ソフトね)で大ブレイクした。

そのあとのiPhoneの大ヒットも、そもそもハードとしてのiPhoneに加えて、App Storeというソフトが大きいわけです。こういうサービスがなかったらiPhoneなんて誰も買わなかった。2015年通年のアプリストアの売上高は200億ドル(2.4兆円)で過去最高です。2013年は100億ドル突破、2014年は150億ドル突破で来てるので、凄い伸びです。

Android陣営の利益率がAppleに比べて非常に小さいのは、価格帯が安めということと、アプリの配布をGoogleに握られてしまっていて、ハードのみになってることが大きいと思う。ちなみに中国で格安スマホで急成長したシャオミも、ブレーキがかかりました。

スマホで失速のシャオミ ウェアラブルでは急成長中

中国人民とか後進国の人たちにスマホが行き渡ったら、成長はそこで止まると思うんですが、どうでしょうか。
ソニーも途中で音楽配信やブックスタンドをやりましたけど、ソニーミュージックやソニーピクチャーズという、ソフトとはいえ「有形のもの」を重要視したため身動きが取れず、衰退してしまったのは既知のとおりです。

ソフト開発のほうがハード開発より優位な点

これはもう、徹底的に違う点が一つあります。それは

1人の天才が始められる

という敷居の低さです。ザッカーバーグしかり、Instagramのケヴィン・シストロムとマイク・クリーガー(しまった、2人だ www)しかりです。もちろん資金提供は受けてビジネス化したわけですが、初期はそれほどかからない。少なくとも工場作るのとはダンチのレベルです。で、ネットのサービスの場合、世界がターゲットだからヒットすると数年で莫大な資産価値になり、世界を制覇できるレベルになる。FacebookがInstagramを810億円で買収したとき、Instagramもの社員は何人だったか知ってます??

たった13人でっせ!!

いまの資産価値って800億円どころじゃないと思うから、買収当時にザッカーバーグの悪口言ってた人たちは土下座しなさい。かたやシャープは隠していた損害が出てきたら債務超過になるのでマイナス・・・・

ハードの場合、生産設備や人員確保の初期コストがめちゃくちゃにかかる。競合が出てくると利益率が下がるからハイリスク・ローリターンです。シャープの液晶工場とかその典型じゃない?
日本も中国みたいに人件費が安かった時代はそれでもよかったけど、そもそも物作り(特にIT系のデバイス)では、将来は厳しいのは明確じゃないでしょうか。この点、アメリカはとっくに舵切ってますよね。

シャープも写メールで大ヒットしたときに、「写メールで撮った写真をみんなで投稿して自慢し合うサービス作ったらウケる」とかきっと誰かいったとは思うんですが、ハードメーカーの性で「ただしシャープユーザーに限る」になっちゃうので沈没は免れなかったですね。

同様にカメラメーカーもみんな「自社ユーザーの囲い込み」ばかりのコミュニティで、これで商売しようという感覚がないのがだめなところです。

シャープについてニュースが花盛りの折、ちょっと考えたことを書いてみました。

↓ すごいタイトルだな、この本。日経新聞社

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