自動販売機がネットショップより優れている点について

2012年4月12日

ちょっと前から、このブログの内容がBLOGOSに転載されるようになった。最初のうちはコメント見たり答えていたりしていたのだが、匿名で日頃のストレスを発散させるようなものが多いので全然見なくなっている。が、最初の頃見ていて、面白いことに気づいたのである。

コメント内容に「BLOGOSに投稿しているのだから責任もって云々・・」みたいなのがけっこうあるのだ。BLOGOSさんには投稿してませんから、私。私が個人的に書いてるブログを、BLOGOSさんのほうで時間差で転載しているのです。自分で売り込んだ訳でもないし、お金も1円ももらってないので、念のため。あなたも自分でせっせとブログを書いていれば、たぶんいつの日か声がかかるはずです。やってみたらどうでしょ。ついでに言うと、「こいつのブログは見たくねぇ」と思ったら、私にコメントじゃなくてBLOGOSさんにクレーム付けるとよろしいかと思われます。役に立つアドバイス!!

で、本日は本業にかかわる、けっこう核心の話です。とはいえ、分かってる人は分かってるはずなので、そういう人はほかのブログ読んでください。わざわざ読む必要ないっす。

先日、ネットサーフしていたらGoogleの広告で「なぜECサイトは失敗するのか?新規顧客が集まらない、成約率が低い、リピーターが増えない、じゃあどうする?」っていうのが出ていて、「どうすればいいんだ w」と思ってクリックして見たら、ショップのシステムの広告だった。
飛んだ先のサイトのキャッチが「××なら売れる。成功するECサイトの機能を徹底的に磨いたから ※要約」というものだった。すごく違和感感じたのでちょっと書いてみる。

はっきりいうけどシステムではものは売れない。それまで全然売れなかったものがショップのシステム変更して売れまくると言うことは絶対にない失敗するのは99%商品の問題だから。商品自体に優位性がないか、価格に優位性がない。商材がいいなら、無料のだっさいカートでも売れるしヤフオクでも売れる。アマゾンに出すだけで売れる。サイトデザインがダサダサでも売れる。ではいいショップシステムはどうなのよ、というと、売れる物をもっと効率よくたくさん売ることができるだけです。

前にも書きましたが、ネットで売るためには

○ココでしか買えないという、商品の独自優位性
または
○同じ物なら圧倒的な価格の優位性

が必須。両方あったら最高ですが、商品に優位性があるものをわざわざ安売りする人の良い方もあまりいないので片方でOK。ユニクロみたいに両方いいとナショナルブランドになっちゃうわけですが・・。

本当に旨いラーメン屋なら、裏道で看板出さなくても客は並ぶ。れが今の時代です。 昔と違って「検索」という武器を持ってるわけで、人は欲しい物を簡単に探すのです。ドロップシッピングが詐欺で逮捕者出してるのは、商品自体が誰でも売っていてどこにでもあるもので、しかも価格優位性がないからです。ドロップシッピングでも利益率を1%くらいにしたら価格優位性が出て売れるかもしれないけどね。

ということで、ネットショップ運営の最大の仕事は、マーチャンダイジング、商品開発ということになります。私の一番重要な仕事はここらあたりです。

で、かなり昔に本に書いたり、講演で言ってたことに「ネットショップは自動販売機とは違う」ということがあります。これは実は「ネットショップは人が運営するものだから、自動販売機みたいに機械的にただ並べているだけじゃだめです」という意味で使っていたのですが、最近になって違う使い方をするようになりました。

ネットショップには自動販売機に絶対かなわない点があります

自動販売機で、どこでも売ってるコカコーラを買うとき、その商品には独自性がありません。価格も同じ。ではなんでこの自動販売機で買うのか・・・。
この自動販売機には「位置の優位性」があるのです。「ほかでは買えない位置の優位性」とでもいいますか。つまり、次の自動販売機まで行くには100メートルだか500メートルだか移動しなくてはならない。これが面倒なのでココで買うのです。 「てくてくとさらに歩かないと買えない」という商品の優位性がここで生じます。考えたら馬鹿みたいですが、ネットにはこれがありません。カカクコムで調べれば価格比較は簡単。とりあえずアマゾンなら一番安いだろ,的な・・・。

※とはいえ、世の中にはまだ「検索」から遠い人も多く、直接契約すれば1ヶ月7350円のショップのシステムを、しつこい営業電話に負けて1ヶ月48125円で契約しちゃうわけですからまだまだかも・・・(3つ前のエントリー参照)

ということで、話が飛びましたが、「自動販売機みたいにどこでも売ってる商品を他の同じ価格で機械的に並べるショップはネット上には存在理由がない」ということがおわかりいただけたかと思います。
往々にして売れない場合、商品の資質から目をそらして「デザインがいけないのでは」「いや、システムがいけないのでは」と思いがちですが、売れない物はどうやっても売れませんので、念のため。広告打てば売れるとか、SEOやれば売れるとか、そういう営業にはだまされないようにね。

はっと気づいた方はこれをデスクトップに・・・笑

すっごく昔に書いた本ですが、たまたま一冊出てきて自動販売機について書いていたのを思いだして本日のブログに書きました。古すぎて内容的には半分くらい役に立ちませんが・・

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