◆初心者でもわかる、商品開発から始まるネットストアの核心・・・第一回

2011年7月18日

実はわたしの本業はネットでの集客や物品販売のコンサルティングでして、会社のWEBにも書いてありますが、その中でも商品開発を一からやってサイトを立ち上げて集客して、売り上げからリベニューシェアをいただくことを何社かとやっています。実際いま動いているネットストアを改良するより一から立ち上げる方が効果を出しやすいしリスクも少ない。逆にいま運営中のネットストアの売り上げが上がらないのでなんとかしてほしい、という中には、商品自体がダメというケースもあるのでちょっとくらいなんとかしてもなんにもならないこともあります。一番大事なのはシステムでもSEOでもなくて、ネットに向いた商品開発なものなので、ビジネスができあがってしまっているものをやり方だけでいきなり売り上げばんばん上げるのは難しいのです。もちろん多少は変わるわけですが・・。流行らないラーメン屋にフードコンサルタントがはいっててこ入れしても結局つぶれちゃうケースのほうが多いじゃないですか。だったら潰してしまって余力のあるうちに一から別のを立ち上げたほうがいいわけです。

ナショナルクライアントクラスの企業とも数社、小さいところ含めて50社くらいは商品開発から、立ち上げ、運営までやりましたが、そのときのいろいろな経験があり、またいままで累計では50社くらいはやりました。もちろん失敗もあります。勝率正直、70%くらいですかね。
実はいまちょうど、リベニューシェアでひとつ立ち上げるところです。サラリーマンでも会社経営者でも「ネットストアやってみたい」と思っている人は多いと思いますが、この流れは参考になるはずです。備忘録のように書いていくので興味がある方は読んでみてください。といってもまだ成功するかは全然わからないですが・・(笑)

いま、立ち上げようとしているサイトのパートナーは慶応大学でて、アクセンチュアという外資系巨大(従業員数22万人だって!)コンサルティングファームにいた、しかし外観は関西のヤンキーにしか見えないH君。全然関係ないけどFacebook見ていると慶応大学卒というのが一番多い。なんででしょうか、これは・・三田会でFacebookを推奨でもしてるのかと思うくらい慶応ばっかり。話は飛んだがH君は5年間勤めた後で実家の印刷屋さんを継いだ。いまや携帯のコンテンツプロバイダどころではない超苦しい印刷業界だが、なんとか地道に頑張ってます。ヤンキー魂です。しかし自分でステッカーの販売サイトをはじめたのはいいが、どう見ても売れそうになく、それだったら一から作り直してみるかということで現在立ち上げているわけです。

ポイント1  地の利があって自分の得意な戦場で戦う

ベトナムのジャングルで貧弱の武器しかもってないベトコンに米軍が苦しめられたように、アフガニスタンでムジャヒディンにソ連軍がめちゃくちゃやられたように、戦いは自分の得意な戦場でやるのが基本です。「これが売れそうだから」という理由で全く見識がない分野で戦っても絶対負けます。ユニクロだって無農薬野菜販売して大敗したのです。したがって成功するには自分の得意分野で戦いましょう。

そんなわけで、我々が今作ってるのはステッカーです
※なあんだ。と言わないこと

ポイント2 マーケットとニーズを分析しましょう

新サービスをはじめるにあたり、 リサーチしてみました。といっても運転しながら他人の車をカウントしただけなんですが、ステッカーに貼ってるのは車庫証明や排ガス規制のステッカー以外になにがあるか、すぐわかりました。釣りが趣味の人はMegabass(実はわたしが釣りしていたときのスポンサーでした)みたいな感じ。サーフィンだとQuikSilverとかHurley(いまはNIKEに買収されてます)みたいなブランドのステッカー貼ってます。たまに矢沢永吉のファンがYazawaとか・・・。しかし一番多いのは、Baby In The Car(子供が乗っています!)です。
では人はなんで車にステッカーを貼るのでしょうか。

わたしはずばり
「自分の意識的な所属領域を明確にするため」だと考えました。所属と言っても会社に勤めているわけではなくてあくまで「意識的な」所属です。サーフィンブランドのステッカーを貼るのは「自分はサーフィンやっていてこのブランドが好きなんです」という表現。矢沢も同じ。子供が乗っていますも「子供が乗っているからゆっくり運転します」という本来の目的より「自分は家族を大切にします」的な意思表示じゃないかな。

で、考えたのが、「意識的な所属領域を明確にするため」のステッカーを企画、制作してネットで販売すること。言葉で言うと簡単なんだけど、ではそれをどうやって具現化するかです。最初に考えたのが、会員数、ページビュー数を多く持つ人気趣味系サイトとのタイアップ。ステッカーを自分で作って在庫して販売するというのはかなり面倒くさいし在庫負担もかかるし、しかも送ったりする手間で死にます。なのでこちらで代行して販売してあげて、売り上げを折半する。相手は負担がなにもかからない。こつらにリンクするだけで済みます。こちらはこちらでアクセス流入が期待できるわけです。すでにひとつのサイトとの提携ができてそこのメッセージステッカーを10数枚制作中です。もしそこそこのアクセス数の人気サイトを運営していらっしゃったらぜひタイアップしてください。ご連絡お待ちしています(笑)

もうひとつはペット系、ずばり犬です。子供が乗っているかわりに「プードルが乗っています」「チワワが乗っています」「柴犬が乗っています」というメッセージです。調べたところ同じような物がありましたが、どれもギャルっぽくておねーちゃんが田舎の軽に貼るならまだしも、大の男の車に貼るのは抵抗感ありすぎのものばかり。昔、車のマーケティングをしていたとき、女性は車の購入にあたっては自分で決定する人は少なく、大半が男性に依存するというデータがありましたが、そもそも一人暮らしで犬飼う比率は低いから旦那とか父親がいるはずで、車の所有者である彼らは自分の車にギャル系デコシールなんて貼られたら困ります。
そこでFacebookの友人のリクルートの同窓で、有名アーチストのCDデザインも多く手がけるサカグチケン氏に著作権契約で ポップなイメージのデザインを起こしてもらいました。もちろん他のデザイナーの方でも「自分もやりたい」ということでしたら著作権契約で販売しますのでご連絡ください。犬系じゃなくてももちろんいいですよ。ほかにもアイデアあります。オタク系もあるかなと思ってるんですが・・どうかな。

彼の愛犬のフレンチブルモデルのデザイン案。
しかしここで困ったことが・・・フリーで使えるような犬の写真にいい物がない!!
少量多ロットで攻めるつもりなので、なめ猫みたいに同じ物を大量には印刷しません。となると撮影していてはコストがかかりすぎてペイしません。

そこで考えたのが、モデル犬の募集です!

H君がmixiのコミュでモデル犬を募集したところ、くるわくるわ、物凄い数の応募が・・・。mixiは商用利用は禁止ですが、この投稿は完全な商用ではないので(顧客を捜しているわけではない)まあセーフという判断です。彼のmixiのプロフィールが関西ヤンキーのまんまだったので、せっかくいい学歴と職歴があるんだからと書き換えてもらったのは言うまでもありません。一度に100匹くらいのわんちゃんの写真でステッカーを刷れば、飼い主も喜ぶ、犬好きも喜ぶで言うこと無いわけですよ。もちろんあなたの愛犬も写っている表情が良ければ採用しますのでぜひ写真を送ってください。採用の際には製品になったステッカーを5枚お送りします(1枚700円で販売予定)

ポイント3 サイト制作はSEO重視で

サイト制作にあたっては、SEOを重要視します。楽天などのモールではSEO効果がないも同然なのでパス。買い物かごだけ借りて、自分でしこしこhtml作って商品ページに買い物かごのソースをぺたぺた貼っていく簡易タイプ(スーパー旧式)はSEO的には全く×。買い物かごだけではなくてストア全体をASP的に貸してくれるサービスの場合はけっこうSEO対策されたものもあります。最低でもサイトマップは自己生成できるものを選択する。SEO効果が低いストアだと広告や集客に多くの手間やコストがかかるのでペイしないのです。
まあこの部分は自分で開発した、SEO効果最強のWordPressベースのストアシステムがあるので月間263円のロリポップにインストール。2時間かかりません。知人のデザイナーさんにヘッターなどを制作してもらい、セットアップしている最中です。検索エンジンは回避しているのでひっかからないですが、オープンしたらお知らせします。来週か再来週にはななんとかいけそうです。

まず第一回はここまで

商品を開発するにあたっては、ユーザーのニーズをまず考え、ネットに向いた商品を企画するわけです。自分が売りたい物を売る、という姿勢ではなくて、ユーザーがほしい物を提供すると考える。ネットは他社と同じ物を売っても価格比較されるだけです。同じ物ではなくてオリジナリティのある物を売る。 そして口コミ効果や相乗効果を加味します。実際には必死に考えたつもりでも全く売れない物もあるわけで、試行錯誤を繰り返しつつヒット作を探します。

このプロジェクトの進行状況はブログで書いていきますのでぜひ読んでみてください。
あ、愛犬のいる方はぜひお写真を応募ください・・・m(_ _)m

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  • fuji 2011年8月5日9:54 AM

    ネットショップの管理をしていますが、商品企画から手がけたことは無く、
    興味深く読ませてもらいました。

    この記事中で気になったのが、
    買い物カゴだけレンタルしてサイトを作成するケースがSEO的にだめだ
    とされていますが、なぜなのでしょうか?

    サイト、ページのソースの構造を完全に自由にできるので、
    ストア全体のレンタルより最適化されたサイトが作成できるように思えるのですが?

    • isseki 2011年8月5日10:04 AM

      非常に詳しい人がこの手法ならいいと思いますよ。サイトマップも毎日自分で生成して置くとか・・・

      しかし「安いから」とこの手の使う方は、だいたい素人さんとか、試しにやるという方が多いので、そこまでできるはずもなく、HTMLソースにぺたっと買い物かご貼るだけの方が多いのでそのように書いてます。また、ソースから書いていると商品を一点掲載するのに時間と手間がかかりますよね? SEO的には毎日どれだけのページが生成されるかが非常にキモなので、たくさんの商品を掲載していくのには向きません。管理画面からアップしていく場合なら1日50個とか楽勝なのですが・・

      そしていくら人間の手でがんばってSEO対策しても、WordPressベースのショップなどと比べてしまうと比較になりません。プログラム的にSEOに最適化されてしまうので、あっというまに検索1ページ目に出現してきます。ショップ全体のASPでも優秀なのはこのあたりがチューンされていて非常にSEO効果が高くなっています。プログラムで自動で適正化されてしまうと勝てないですよ・・

      試しになにか検索したらわかると思いますが、最近、検索の上位にブログばかりが異様にたくさん出てきてませんか?_普通のサイトよりブログのほうがSEO的にどれだけ有利か、みたいになってます。

  • fuji 2011年8月8日9:56 AM

    なるほど、そういったことなら納得です。

    最適化されたページの量産にはCMSツールは強力ですよね。

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