サイトはスマホファーストであるべきとは限らない

2015年11月14日

先週のセミナーでちょい話したことなのであるが・・・サイト制作していてよく分かってない人(特にWebデザイナー)もたくさんいるので、この際、手の内を明かすつもりで書いちゃおうと思います。土曜なんでアクセスも多くないし・・www

よく、「これからは完全にスマホの時代だ」「PCは廃れて無くなる」みたいなことを言う人がいますが、間違いなくそういう人は視野の狭いアホウです。具体的に言うと

「大手ECサイト」や「ファッションサイト」はスマートフォンからの利用時間がPCを上回る~ ニールセン、「Eコマース」の利用状況を発表 ~
ニールセン

みたいな記事を読んで「PC終わった」みたいに言う人です。確かにこの記事のグラフだけを見ますと

20150825_001
視野が狭いと「これからどんどんスマホが来てPC終わった」とか思っちゃうのですが、この記事もじっくり読むとわたしが言いたいことがちゃんと書いてあります。

2年前くらいに「これからはレスポンシブだ」とか言われまして、多くのサイトがスマホ対策でレスポンシブ化しました。Googleの中の人がレスポンシブいいよって言ったからだと思います。自分のお客さんのサイトもレスポンシブ化しましたけど、まずその経験から1つ言えるのは

何も考えないで単純にレスポンシブにすると
1人あたりのPVはだいたい落ちる

ってこと。もともとPC用に作られたサイトのUIをぐにゃーっと縮めただけだからある意味、当たり前の結果。解決策はいろいろとノウハウもあるのでここでは書きません。飯の種だし。
で、セミナーで語ったPass-Me!ですが、このように最初からスマホ用のUIで設計しています。というよりスマホ用でしか設計してません。

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理由は簡単でチケット利用にスマホが必要なので、ガラケーとPCしか持ってない人に買われても困っちゃうのです。だから割切ってるわけですが、本来ならPCで見たらぐわーっと伸びて別メニューが出てくる「逆レスポンシブ」でもいいわけです。
自分のクライアントのサイト制作でスマホユーザーが多いケースでは、現在そうした「逆レスポンシブ」でのUIデザインを指示する事が多いのですが、ぶっちゃけWebデザイナーにこうした経験が豊富な人はまだほとんどいないので、試行錯誤を繰り返しています。

PCビューが重要なサイトはなにか

ここでやっと本題にはいるのですが、いかにスマホの時代が来ようと、PCのUIが非常に大事な場合があります。つまりどんな場合もスマホファーストにしたらいいとは限らないってことなのです。

自分のクライアントのサイトでも、この点はよく考えてます。だらだら書かないで、結論を先に書くと

高額商品やサービスの場合はPCのUIが大事

ということです。
Amazonで何かを買うとして、3000円のドッグフードならスマホアプリから買いますけど、MacBookを買うときはどうします?
自分はカカクコムとかで価格を比較したり、Appleのサイトで諸元を比較してから、いちばん安かったらAmazonで買います。この場合、PCから買いますね。

旅行であれ、車であれ(ヤン車とか安い中古車は別だ)、不動産であれ、保険であれ、数万〜数十万以上の商品やサービスは、最初のアプローチはスマホでも、「成約」に結びつく行動を起こすときはほとんどPCになる。単にサイトのアクセス率で判断してはダメで、最終的な申し込みや買い物や問い合わせの時のデバイスを計測して初めて分かるんです。

また、「スマホのみ」「スマホとPC」「スマホとPCとタブレット」という所有率を見ると、マルチデバイスの所有率は明らかに世帯収入と比例する。「スマホでしか見られない人」は「スマホやPCの両方でアクセスしてくる人」と比較してお金が無い確率が高いのである。以前、楽天さんも「スマホだけでしか買い物しない人」と、「スマホとPCの両方で買い物する人」の年間消費額を比較すると大きな差があることをセミナーで言ってましたな(行ってないけどね www)
つまり、お金をたくさん払ういい客が欲しいなら、PVビューを無視してはいけないということになる。Pass-Me!の商品は高くて数千円なのでいいが、これを海外旅行でやったら大敗しますぜ。

そう考えて上のニールセンのレポート見ますと

『インターネット利用がスマートフォンへと移行している中、「Eコマース」全体ではPCから利用される時間が半分を占めていました。商品を購入する際には、じっくり商品を比較したりするためにPCを利用するという人が多いことが影響していると考えられます。ただし、そうした「Eコマース」の中でも、一部のカテゴリではすでにスマートフォンからの利用が進んでいるものも見られました。例えば、「大手ECサイト」では他のサービスと比べて、スマートフォンからの利用時間のうちアプリからの利用が多くなっていました。一方、「ファッション」ではスマートフォンからのインターネット利用が活発な若年層の女性がブラウザから多く利用していることが要因となっていました。

女性向けのチープな服なら(楽天かい!)スマホでも良いが、高価な商品、詳細まで比較して検討する商品やサービスでは、PCが非常に重要ってこと。今後もこの傾向は変わらない。お金に余裕があるなら、タブレットやPCは高い確率で家にあるだろうし、そういう人が利用しやすい環境を作ってこその顧客目線なのです。

雨降ってて今日は家なんですが、日本映画はほぼ見ない自分が朝からKindle Fire TVでこれ見ました。プライムビデオではないので432円ですが、いやマジで良かった。痺れるくらいよかった。デブでブスのニートの32歳腐女子が実際に体を絞ってボクサーになっていく。安藤サクラの動き、マジでボクサーです。映画の撮影中、よく短期間でここまで体絞ったな。ライザップいらないじゃんと思いました。

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