食品の消費税が0になると生活はどう変わるか


まさか本気とは思わなかった食品の消費税をゼロ法案が上がるそうです。みらい以外は賛成するんでしょうね。財源はないのでこの法案が通ったら年間5兆円の借金(赤字国債)が積み上がっていくはずです。国債は利息を払わなくてはいけません。仮に10年国債ならこの1年で利息は2%超えています。5兆円の2%は1000億円。2年限定といってますが2年後に戻せる保証などなく、延々と毎年1000億円の利払いが積み重なるわけです。

IMF、消費税の減税回避を提言 高市政権案には中立的評価

国際通貨基金(IMF)は17日、日本経済に関する審査後の声明で、消費税減税は財政リスクを高めかねず「避けるべきだ」と提言した。物価高対策に関しても、時限的で、生活費上昇に苦しむ脆弱な世帯に限定した制度設計とするよう求めた

といっております。原文を読みますと「赤字国債を原資にしないといっているのでそれならよいが本当にできるのかね」的なニュアンスです。わたしはほぼできないと思っています。できるわけないでしょ。つまり2年間で10兆円の巨額の税収減ですが2年で戻せるわけもありません。高市政権の「積極財政」で2年で経済を強くするような要素が1つも見当たらないからです。

さて、では食品の消費税がなくなると我々の生活はどのようになるのかシミュレーションしてみました。 税込価格108円のものが100円になるため、計算上は約7.4%の価格低下となります。しかし現実的には「内税(税込表記)」の慣習が強い日本の小売現場では、単純な理論値(約7.4%)ほど価格が下がらない可能性が高いです。

町の飲食店や八百屋や肉屋はそもそも消費税が2%上がった時も2%を上乗せしておらず、しかもいまは仕入れが高騰して四苦八苦しているのでほとんど価格は変えないと考えられます。消費者が「税込価格」を基準に判断していることを逆手に取り、企業側が利益確保に動くケース(いわゆる「実質的な値上げ」や「利益確定」)を考慮すると、シミュレーションは以下のように変化します。

内税方式における「価格据え置き」の力学

日本の小売業、特にスーパーやコンビニでは「98円」「198円」といった端数価格(サイコロジカル・プライシング)が重視されます。
価格の硬直性: 税込108円の商品を100円に下げると、売り上げが8円減ります。企業側は「物流費や電気代が上がっているから、この機会に8円分の利益を確保して108円のまま据え置こう」という誘因が強く働きます。

消費税ゼロになっても価格が変わらなければ、それは実質的に「約8%の値上げ」を企業が行ったのと同じ計算になります。

実際にどれくらい下がるか(現実的予測)

大手チェーンは競争が激しいため、目玉商品(卵、牛乳、米など)は減税分を還元して集客に使うでしょう。

中小・個人店は慢性的なコスト高に苦しんでいるため、価格を据え置き、経営の立て直しに充てる可能性が高いです。

結論としては理論上の下落幅(7.4%)に対し、実際の物価指数への寄与はその半分程度(3〜4%程度の下落)に留まる可能性があります。

実質賃金への影響:プラス幅の縮小

物価が思ったほど下がらない場合、実質賃金の計算式も変わります。
プラスにはなるが限定的: 分母(物価)の下落が鈍いため、実質賃金の押し上げ効果はマイルドになります。
格差の拡大: 大手で買い物をする層は恩恵を受けやすく、価格転嫁が難しい地域店舗を利用する層は恩恵を受けにくいという「地域差・店舗差」が生じます。

赤字国債による円安 + 価格据え置き = 最悪のシナリオ

企業が「内税価格」を据え置いた状態で、さらに赤字国債発行による日本経済への不安から円安が進んだ場合、非常に厳しい状況が生まれます。
企業側は輸入コストが円安で上昇。しかし「消費税ゼロ」のおかげで、内税価格を据え置くだけでコスト増を吸収できてしまう(消費者は値下げの恩恵を感じられない)。
消費者側は「税金がゼロになったはずなのに、スーパーの棚の価格が変わっていない」という不満が募ります。

税率引き下げによる「一回限りの物価押し下げ効果」を、円安による「継続的なコストプッシュ・インフレ」がすぐに追い越してしまい、短期間でインフレ率がプラスに戻る可能性があります。

期待される効果との乖離

「食品消費税ゼロ」は政治的なメッセージとしては強力ですが、内税慣習がある以上、「減税分が企業の利益に飲み込まれる(=内部留保やコスト吸収に回る)」リスクが極めて高いです。

過去、日本で消費税が増税された際も、内税表記の店では「便乗値上げ」や、逆に「税込み価格据え置き(実質値下げ)」が発生し、価格の透明性が失われた経緯があります。消費税が2%上がった時に「当店は値上げをいたしません」とした飲食店にたいし、下がった値下げしろというのは鬼畜でしょう。

「食料品以外」のインフレが家計を直撃

エンゲル係数が低い世帯は、教育費、住居費、光熱費、娯楽、交通費などの割合が高くなります。

プラスの影響(限定的): 支出の15〜20%程度を占める食料品が3〜4%安くなっても、家計全体へのインパクトはわずかです。
マイナスの影響(広範): 赤字国債発行による円売りの円安が進むと、ガソリン代、電気・ガス代、スマートフォンなどの輸入デバイス、衣料品、海外旅行など、食料品以外のあらゆるコストが上昇します。

逆転現象発生: 食料品で浮いた数千円が、電気代やガソリン代の数万円の値上がりで一瞬にして消えてしまい、トータルの実質購買力は低下します。

実質的な「所得再分配」の失敗

通常、消費税減税は「低所得者対策(逆進性の緩和)」として議論されますが、赤字国債を財源にすると話が変わります。
中所得層以上の家庭にとっては、「安くなったパンの代金」よりも「高くなったガソリンと電気代」の方が圧倒的に重くなるという、本末転倒な結果を招きやすくなります。

国際機関(IMF等)が「逆効果」と警告する本質

IMFが反対する最大の理由は、まさにこの「ターゲットの不正確さ」と「副作用の大きさ」です。

「金持ちほど得をする」という矛盾もまたあります。100円のパンが安くなる恩恵は全員同じですが、高級ステーキやフレンチ、高級食材を大量に買う高所得者の方が、減税額(絶対額)は大きくなってしまいます。

5〜6兆円もの巨額な税収を捨ててまで、中所得層以上に「インフレ」という罰を与えるような政策は、国家全体の経済効率を著しく下げると判断されています。つまり人気取りだけで非効率なのです。

これは中所得層への「隠れた増税」

食品消費税ゼロは、一見すると全国民へのプレゼントに見えますが、その裏側にある「通貨価値の低下(円安)」と「赤字国債」という代償を考慮すると、エンゲル係数が低い世帯(食費の占める割合が小さい世帯)にとっては「実質的な隠れ増税」として機能してしまいます。

結局のところ:「食卓は少し安くなったけれど、生活全体は苦しくなった」というのが、多くの現役世代が直面する現実的な着地点になる可能性が高いと思います。

経済学者の殆どは

食料品の消費税ゼロには約9割が否定的円安・長期金利上昇は経済に悪影響との見方が多数

金利高はいい点と悪い点があるとしていますが円安については

「全くそう思わない」「そう思わない」が計74%を占めた(重みづけ後は78%)でほとんどの経済学者は円安ウハウハどころではないと考えているわけです。

高市さんもリフレ派御用学者(というより本当の学者の人は皆無)よりまともな経済学者の言うことも少しは聞いて欲しいです。

タイトルとURLをコピーしました