味の素に対する思い込みをこのエントリーで溶かしてみる

2015年5月11日

放射脳の方とか、山崎パンは絶対食べない派(臭素酸カリウムなんてとっくに使ってないしそもそも防かび剤ではない)、役に立たないリンパマッサージ大好きッコ、酵母と酵素の区別が付かない酵素ドリンク愛飲、など、だいたいクラスタが重なってるように思います。特に女性に多い。酵素ドリンクは楽天で検索すると197,803件もヒットするんだが、商品がインチキかは全く審査してないのね。するわけもないか。

飲料であれば「清涼飲料水」。殺菌の義務があり酵素活性や生きた酵母酵素飲料、酵母飲料はないはず。(「食品、添加物等の規格基準」)消費者は酵素活性があり、酵母は生きていると思っているのでは。

消費者庁より

酵素ダイエットで瘦せる!ワケが無いことがどうしても理解できない方へ!!

酵素に目をつけたのは日本人の脇田氏が言い出しっぺなんで、Enzyme Dietで検索すると日本語が多く見受けられるのも理解できます。この脇田さんって「エム・ダブリュ式オゾーン発生器」の発明者でもあります(名前からトンデモ度が予想されますね)。この本は何回読んでも難解ですっていうか、ご自分の考えから勝手に想像を膨らませた疑似科学の教科書のような著作です。ご興味のある方は是非Amazonで日本の本も海外の本も入手可能ですのでお読みください。

まあ、どれも疑似科学のひとつなわけですよ。

で、わたくし、いつも可哀想だなと思うのが、「味の素」さんです。昔は化学調味料と呼ばれていてなんか

化学合成した調味料

と思い込んでいる人が多いんですが、発酵食品です。

アホ中華屋とかは、これをばっさばさ入れるんですが、そうなると苦みが出ます。当たり前だ。使い方間違っとる。醤油だってドボドボ入れたら辛くて食えない。
で、なんでわたくしが味の素について語ろうかと思ったかと申しますと、20〜30年前に某誌のインタビューで開発責任者の方にインタビューした事があるんですよ。たしか研究所の所長さんだったかな。で、詳しくお聞きしているので「化学調味料のはいったラーメンなんて食えるか」と言われるとむっとするわけです。「美味しんぼ」にもこの表現が出てきてけっこうイラッとしてた。だいたい世の中のラーメン屋でグルソと呼ばれる旨み調味料使ってないところなんてほとんどないはずです。

別にこれ、ネイティブアドじゃございません。いえ、あとから詰め合わせセットが送られてきても受け取り拒否はいたしませんが。www

最初の味の素は昆布を煮詰めて作っていた!!

味の素の主成分は「グルタミン酸」というアミノ酸です。旨みを感じさせるアミノ酸には数種類あり

グルタミン酸・・・昆布に多く含まれる
イノシン酸・・・・鰹節に多く含まれる。あと肉類
グアニル酸・・・・椎茸に多く含まれる

という感じで、和風の「ダシ」はこうした旨みのアミノ酸を取得するための手法なわけ。で、味の素は、

1909年(明治42年)5月20日 – 「味の素」(中瓶30gで50銭だった)の一般発売開始(創業の日)

という感じでスタートしました。社名が味の素になったのはまだずっと先。最初はどうやって作っていたかというと、昆布ダシを煮詰めていたそう。つまり昆布を煮詰めれば味の素は作れるのです!!

そのあと小麦蛋白のグルテンから取り出す形にしたそうです。当然、高い。明治42年の50銭っていうのはいくらくらいなのか調べてみた。明治40年頃はもりそばが3銭、あんぱんが1銭だったらしい。中瓶がもりそば17杯分、あんぱん50個分とするとかなり高いでしょ。5000円くらいする感じ?
なので当時は高級料亭が耳かきに少し入れて料理に使っていたそうです。

しかしこれでは売れない。そこで現在は、こうやって作られている。味の素のサイトから

スクリーンショット 2015-05-11 11.39.47

どこが化学合成やねん!!!

味噌とか醤油とかと同じ発酵食品ですが・・・。コレ入れて健康に悪いなら、昆布だしの煮物とか味噌汁も体に悪い。和食の全否定です。

ふりかけるだけでうまみを感じられる化学調味料は本当に体に悪いのか?

旨み調味料はごく少し入れると全体の旨さが数十倍になる

グルタミン酸やイノシン酸などの旨みのアミノ酸にはひとつの目立った効果があります。1種類だけではだめなんです。アミノ酸系のうま味成分と核酸系のうま味成分が食品中に混在すると旨みが爆発して何十倍にも感じる。だから日本料理では椎茸から取ったダシ(グアニル酸)と、鰹節から取ったダシ(イノシン酸)を合わせるわけだ。

つまり、あまり上質でない、安物の食材でも、ほんの少し旨み調味料を加えるだけで旨さが何十倍にもなるわけ。ほんの少しでいいわけ。それ自体が美味しいわけではなくて、触媒みたいな働きをするのです。

で、味の素などの旨み調味料は、アジアでは非常に浸透しているが、欧米ではあまり使われない。これはどうもアジアでは米が主食であるのに対し、欧米はパン。で、小麦の中のグルテンにはもともとグルタミン酸が非常に多く含まれているし、欧米ではイノシン酸たっぷりの肉類やチーズを多く食べる。つまり最初からグルタミン酸やイノシン酸が大量にはいった美味いものばかり食べているので、舌が馬鹿になってるとかいないとかそんな説明だった記憶があります。道理でパンにチーズ挟むと美味いなと・・

で、なんでこんなことを本日は書いたかというと、人間の思い込みって恐ろしいということです。特に情弱な方は、全く裏取りしないで丸呑みしてしまう。グルタミン酸が害なら昆布も害です。だって同じものだもん。そして醤油だって1リットル飲めば死ねる。

水も砂糖もみんな毒? 身近な食品の致死量を調べる

アルコール(エタノール)の致死量は、300〜360g(比重から換算して378〜456ml)なので、40度のテキーラなら1リットル飲むとヤバい。
カフェインの致死量は3〜10gなので、コーヒー75杯飲んだら死ねる。醤油は168〜1500mlなのでコップ1杯から一升瓶まで人によって異なる。

これってさ。低量被曝と同じだと思うんだよね。物にはしきい値というのがあり、それを超えると危険になる。1か0じゃないの。醤油は小皿1杯ならウマウマだが、コップ1杯なら人によっては致死量。味の素だってほんのわずかにいれればウマウマだが、どんぶり1杯食えばそりゃ死ぬかもしれない。それだけの話で大騒ぎするのはいかがなものかと思います。

しきい値がわかんないヤツは、醤油コップ1杯で人によっては致死量。危険すぎる!!!だから二度と醤油は使わないで生きてけ!!

また最近では、悪のアフィリエーターが「こういう食品は危険」とか嘘八百を並び立ててアフィリエイト収入を稼ごうとして、それにFacebookなどで無知なオバサンが引っかかる。目に余ります。たとえば「韓国の実験で塩化ナトリウム(純粋な食塩)を水槽に入れたら海水魚がみんな死んだ。食卓塩は危険だ」っていうヤツ。海水には塩以外にたくさんの魚にとっての必須ミネラルが含まれていて、塩化ナトリウムだけではそれがないので死ぬわけです。別にミネラルがはいってない塩化ナトリウムが危険なわけじゃない。

第一、人間だって酸素100%にはいったらすぐ死にますが、酸素が危険なわけじゃない。加えて日本の塩は純粋の塩化ナトリウムではなく、海水からイオン膜で生成されたもので、ミネラルもまんま含まれています。
塩化ナトリウム
カルシウム
マグネシウム
カリウム 99%以上
基準0.02%
基準0.02%
0.25%以下
重金属
水銀
砒素
カドミウム

銅 10mg/kg以下
0.1mg/kg以下
0.5mg/kg以下
0.5mg/kg以下
2mg/kg以下
2mg/kg以下
って感じだよ

青空文庫で0円で出てますぜ

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