自分が安倍さんなら、国民の健康と財産を守るために官公庁のサイトをこうするよ

2016年12月13日

先月からウェルクに始まり、ウェルクに終わっているわけですが追撃は終わりません。

まず、例が長すぎるので飛ばして読みたい人は、「厚生労働省はなにしてるんや!!という話」というところから読んでもいいですよ。

たとえば、妊娠して食べるものにどのように気をつけようかと考えて
「妊娠、気をつける食品」で検索したとします。
スマホで検索すると出てくるのは

2番目がNAVERまとめっていうのもあれだが、1番目は「育ラボ」というサイトで、運営者はなんと。。。
スマホではこんな感じで表示されず・・・

PCから見ても会社名も個人名も住所も連絡先もなし。この時点で普通は怪しいと思うわけですが、いちいち見ない人のほうが多いかも。ドメイン名の所有者はYasuyuki Hatoriという人ですが、詳細は隠されています。しかしどうして名前や社名を隠すんだろう、という素朴な疑問がありますよね。

ページ右上部の広告

たしかに厚生労働省はこのようなリリースを出しています。
しかしリリースの中では

このように「摂りすぎるとビタミンB12の欠乏の診断を困難にするので、摂取量は1日1mgを超えないように必ずあわせて情報提供すること」と強調しています。しかしこのサイトのいわゆる「商品ランキング」には全くこの記載がありません。
たくさん飲めばそれだけ安心ということで多めに飲むリテラシー低めの人も多い(友人の彼女で2倍飲んだら早く効くと思って風邪薬を2倍飲んでたのがいてさすがに叱った)わけで、これは実際危険というしかない。

では記事内容を見てみましょう。

このネタ、わたしも以前書きましたけど、↑はよく厚生労働省のサイトを読んでいないんじゃないかと思われます。

↓わたしがコレ書いた
ネットで回ってくる「××は危険」は、ほぼ100%デマなのでシェアしないのが吉


このイラストのままでして、黒丸ひとつが1週間に食べてもいい量で刺身を1人前(80グラム・・4切れくらい)か、切り身を一切れです。
キンメダイ、クロマグロ、メカジキ、メバチなどは、ひとつぶんが限界で、それ以上は食べてはいけないのです。つまり回転寿司でマグロづくしをぱくぱく食いまくったり、キンメダイの姿煮とかはだめなわけ。しかも1週間に一回だよ。マグロ丼食ったらその週はマグロ食べちゃいけないの!

ちゅーか、普通の感覚では、妊娠中くらいマグロ食わなくてもいいわ。

詳細書かずに粗っぽく「水銀量を考えた上で控えめにすれば食べていい」では、ニュアンスがかなり違うんじゃない?控えめというのも人によって違うわけで、いままでマグロ大好きだった人が控えめにして週に2回位にしようでもだめなわけさ。普通は「妊娠中はできたら避けた方がいい」と書くのが普通でしょ。他のページでは放射能とかさんざん書いてるわけで。

しかし、このサイトが悪意があってこういう書き方にしているかというと、そうではない。資料やリリースを読み込んでいないのだと思う。書いているのが医師でも薬剤師でも専門家でも理系でも文章読み込みのが得意でもなく、うわべだけ読んでそれらしくまとめている。ある意味、仕方ないと言えば仕方ない。これ自体を規制しようとするとそれこそ表現の自由を奪うことになるわけです。そんなこといったら専門家でないとブログ書くなになってしまうから。

厚生労働省はなにしてるんや!!という話

そもそも論になるが、仮に「妊娠、気をつける食品」で検索したときに、厚生労働省のサイトが1位になれば、なんの問題もないはずだ。大声で言う点はただひとつ。

国民の健康を守る厚生労働省が
これでいいのか!?

健康や医療について検索したら真っ先に厚生労働省の説明が出てこないといけないのに、全然出てこない。これは行政の怠慢です。

ここからはSEOの専門家ではないので違っているところがあれば指摘して頂きたいのだが、厚生労働省のサイトはどうして検索に出てこないのか。まずスマホでアクセスすると

PC用のサイトが現れる。自動でスマホ対応がされていない。上に「スマホ版はこちらから」とあるのでそれをクリックすると

スマホ版になる。内容がPC用と重複してるようで、スマホトップはindex_sp.shtmlです。各ページがすべてリダイレクトされているのか確認できないが、されてなければ固有名詞検索以外では下がる可能性が高い。要するに、スマホとPCのURLの関連付けがGoogleにわかるようにコーディングをしてはいない。
とはいえ、この手のことはさしたる問題ではないと思う。重要なのはこの手のページ。

高額な外来診療を受ける皆さまへ

このページには医療費が高くなりすぎて困っている人に対して必須の情報が掲示されているわけですけど、たどり着ける可能性がほとんどない。
「医療費 払えない」
といったITリテラシーが低めな人に対してもこのページにアクセスできるような工夫が必要なのである。「高額 外来医療」で検索するより「医療費 払えない」のほうがずっと多いはずなのに、「リテラシー低めの人向けのキーワードが入っていない」わけです。政府機関なので情報のバリアフリーが最も重要なポイントなのに、役人言葉で構成されている。

pdfだけではなくて、これらをHTMLにするとか、検索キーワードを考慮するといった配慮はあるべきと思う。上の妊婦さんが注意しなくてはいけない説明もpdfです。役人が掲載するのはpdfで内部チェックを通ったものをそのまま上げるのが楽ちんなのかもしれないが、これでは検索に引っかかりづらく、真に情報を求めているユーザーに到達できないのです。

とりあえず掲載しておけば良い
必要なら勝手に見に来れば良い

というのは、今の時代にもう通用しないのです。官公庁のサイトは数年がかりで予算を取って修正などを行う上、NECみたいな基幹系企業が請け負っているため、SEO対策が弱い。素人の役人が細部までガッチガチに仕様を決めるため、いかんともしがたい面もあるでしょう。

自民党議員でもどこの議員でもいいのだが、安倍さんにトップダウンで

国民の健康と命を守るため
官庁のホームページを至急見直します

※政府のいい方だとホームページだよね w

という宣言をさせてもらえないだろうか。いろんな規制も大事だが、それより先に「国民に知らせたい情報を国民がすぐに受け取れるように」改善してもらうことが大事です。外部のSEOの専門家(ブラック系はやめて!)を入れ、サイト構成やキーワードをすべて見直してもらいたい。官僚は能力高いし、言われたことはそれ以上にやり遂げる。ネットを活用するなら最優先でやってほしい。

消費者庁も国民生活センターも同じです。
「マルチ 被害」でもでてこない。東京都が5位に出てくる
「水素水 効果」でもダメ。
こうした、検索ボリュームが大きく、国民が知りたいことの結果にアフィリエイトサイトやトンデモ医療サイトや、まとめサイトが出てくること自体がおかしいのです。つまり、

国民の知りたいことに全く答えていない

ということです。国会議員の皆さまにおいては名前を売るチャンスでもありますので、国会でぜひ質問をお願いいたします。

実は自分がもっとも影響を受けた作家が開高健で、ほぼ全ての著作を読んでます。最近になってやっと電子化されてきてKindleの月替わりセールにも出てきた。なんと199円。サントリーのコピーを書いていたことでも有名。実は私の文体がけっこうな影響を受けてることがわかっちゃうかもしれない。

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