少子高齢化で日本のサービス・飲食業はどうなるか。「いもや」の例を見るともう答えは出ているぞよ

2018年3月22日

少子高齢化っていうけれど、いまだにピンと来てない人、多すぎ。日本の人口は政治がほぼ何もしないうちにこのように減り続け

平成28年度の人口ピラミッドはこんな感じでいびつです。

1年半前なのでいまに換算すると、日本の人口で一番多い層は
◆団塊の世代 69〜71歳
◆団塊ジュニア 44〜47歳

あたりになります。団塊の世代が特にヤバく、彼らが後期高齢者になる2025年には病院で死ねずに家で看取らないといけなくなります。火葬するにも何ヶ月待ちみたいなことになりそう。

このグラフ見ると分かりますが、団塊の世代のメイン層の現70歳くらいの人口は、現20歳くらいの倍近くいるということに注目あれ。そしてどんどんと世代ごとの若者の数が減ってるでしょ。0歳赤ちゃんの数は68歳の半分どころか4割くらいです。で、平均寿命はどんどん延びているのですでに100歳寿命が見えております。

団塊の世代が働けなくなると・・・・

この記事、なかなか秀逸です。東洋経済が完全に週刊プレイポーイに負けてる感じ。ww

神保町で愛され続けて60年――天丼『いもや』の閉店に隠された“人情経営”の限界

「いもや」の閉店はソーシャルで大きく報じられ、自分も行ってきたみたいな投稿をたくさん見た。自分もリクルート時代に神田に勤務したことがあるのでいったような記憶もある。

その閉店理由は明らかにされていないが、創業者の宮田氏が10年ほど前に81歳で他界して以降は、妻の静江さんが二代目社長として店を切り盛りしてきた。「静江さんももう86歳。経営を手伝う娘さんも60歳近くになるはず。お体の面でも店を維持するのが限界にきたのでは…」と近所の飲食店店主は教えてくれた。

団塊の世代どころかさらに15歳も上・・・・。そして記事はこれでは終わらず、暖簾分けの4店舗も取材しているのが素晴らしい。

「10年ほど前に一番弟子の先輩が亡くなり、オヤジ(宮田氏)の弟子としては私が一番の古株になりました。もう歳だから踏ん張りがきかなくてね。60歳で祭日の営業をやめ、65歳で15時から17時まで店を閉めて休憩をとるようになり、70歳になった今年からは営業終了を20時から19時に早めました。“あと5年は”と思ってはいますが、これからは1年1年が勝負だと思っています」神保町1丁目の『天ぷら・いもや』店主も69歳と高齢で、青森・弘前店の店主は65歳、弟子の中では最も若い藤岡店の店主も60歳を超えているという。

お弟子さんたちが団塊の世代でした。で、お弟子さんたちもそろそろ限界になる。先日、こういうのを書いたが

正々堂々と値上げして正当な価格で提供してこその商売! なぜできん。


やはりこの世代は「お客さんに悪い」ということで値上げに踏み切れず、利益が薄く、新しい人材を採用できず、閉店するしかなくなってしまうのであります。「いもや」の原価率、50%超えてるんだって。というか原価率も計算しているのか謎なくらい。「最後に食べに行った」と投稿している皆さん、最後に金一封くらい置いて「私からの退職金です」くらいのことはしてきなさい。でないと搾取してるのは客の方ですよ。

ココまでをまとめると

これからのサービス・飲食は、
人情に支えられた格安店が消滅する

ということが言えると思います。

慢性的な人手不足でほぼすべてのジャンルが値上げ、淘汰

さて、上で紹介したエントリーにも書きましたが、そもそも宅配便業界の大きな値上げラッシュもそもそもは「若い世代の労働力が確保できない」ということが原因のひとつです。

いまの若年層はそもそも人口が薄いから、需要と供給のバランスからよほどのDQNを除けば年齢制限のある就職には有利なわけです。28歳までみたいな採用では、上の世代がどんどん抜けていくいま、若い世代は就職が簡単になっていきます。

2040年にはここまでいびつになります。団塊の世代は寿命が延びてまだけっこうご存命で、続いて団塊ジュニアが後期高齢者に突入。若者世代は物凄く減少。いまの兆候はもっとひどくなる。

こうなると
1 農業、漁業、林業などの第一次産業は大減少

※肉体的にキツい収入が不安定な仕事は誰もやりたがらない

国産の農水産物は値上がりするのでやってる人たちの収入は増える可能性

2 給料が安くてキツいサービス業は破綻する

宅配便や引越みたいな労働時間が長い割に給料が少ない業種はやっていけない

価格競争を止めて超値上げがすでに始まっている。今後、こうした業界は値上げラッシュ

3 介護は保険適用外高サービスと二極化

介護保険適用だと財政の圧迫でどんどんまともな介護が受けられなくなっているし給料も安くて若い人材の確保が全然できない。富裕層は制限のない介護保険適用外のサービスを受けるようになり、こちらにはよい人材が集まるようになるのではないか。利益が出ていればロボットの導入もできる。つまり介護にもかなり格差ができそう。

4 安い労働力に支えられた格安飲食店壊滅

居酒屋にせよ、焼き鳥屋にせよ串揚げ屋にせよ、単価が安く、したがって給与や勤務時間や受動喫煙対策がないなど労働環境が悪いところは若い人材の採用が困難になる、というかすでになっている。いまはまだ高齢者の経営者が頑張っていてもそのうち「いもや」みたいにできなくなるのは明確なので、これは必然的に廃れていく。

欧米先進国と比較して日本は外食の単価が非常に安かったが、これはもう過去の思い出になるでしょう。ハワイやアメリカやオーストラリアで外食するとラーメンだって普通に1000円以上軽くするしね。

外食高くなる → 飲み会なくなる

という構図が見えます。ww
欧米で会社の飲み会がないのは、そんなの週に何日もしていたらお金がいくらあっても足りなくなるからというのもあるんじゃないか。みんな家に帰って飯を食い、デートや特別な日だけ外食という流れになります。
そうなると、居酒屋を楽しみに来るインバウンドの外国人観光客の足も遠のき、日本はどんどん暗くなるわけですな。

そんなわけで、ちゃんと勉強しないでDQNな生活送ってるといくら若い世代でも物価の上昇と働き口の減少で、冬が来た時のキリギリスみたいになっちゃいます。冬の時代を越せるのはアリンコだけなのです。そして安い労働力に支えられて自分は高級車乗り回していた経営者も終わりを迎えるのです。

すぐ来る未来のために、勉強して備えている人と、いまだ何も考えないで「わからない」「想像できない」といって生きてる人の物凄い格差がもうすぐ発生します。この本くらい読みなさい。

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