日本の中学生のPC保有率が世界で図抜けて低いことはどういう結果になるか

2015年3月18日

昨日、別なことを書こうとして内閣府の調査データを見ていたら、本題に触れる前にお腹いっぱいになり、感想を書いたのがバズってしまったのであるが、本題はここではなかった。

実はそもそもこの内閣府の調査データを見たのは、こちらのブログを拝見したからです。教育学の専門家である舞田敏彦氏が書かれています。

パソコンを持たない若者

この中で触れられている資料が上記の内閣府のデータであり、それを見ているうちに本題に行き着くことができなくなったのが昨日。なので本日は核心です。まず上記調査資料には以下のデジタル端末に関する調査もありました。数値だとわかりにくいので棒グラフにしてみます。対象は各国1000サンプル以上、各国満13歳から満29歳までの男女でWEBによる調査です。つまりWEBに接続できない環境の場合は回答もできないので、偏差がかかっています。WEBとの親和性が通常より高めに出るわけです。

最初に書いておきますが。父親の最終学歴については日本が図抜けていて大卒が40%近く。もっとも低いのはフランスで10.7%。ドイツも12.9%しかいません。アメリカでさえ26.2%です。以下は設問を見ると「自分の所有率」であって共有のものは含まれていません。

1
スマホと携帯の所有率については、日本も他の国とほとんど変わりません。が・・・・

T
タブレットでは圧倒的な差。おそらく日本では「タブレットなんて子供には贅沢だ」的な意識がかなりあるのではないかと思います。

そしてPCについていうと
ノート
ノートPCの所有率は韓国についで下から2番目。しかし韓国は

DP
このように圧倒的にデスクトップPCの所有率が高い。おそらく日本と比較にならないほど受験が厳しいので、「家で勉強する」環境があるのだと思う。
ひとりで複数所有しているケースも多いわけですが、明らかに日本はPCに対する親和性が低くなっている。資料の下に有識者の意見があり、そのなかに電通総研 研究員 西井美保子氏のレポートがあった。日本の上記の内容を年代別に並び替えると

3
日本の大学生から社会人は、パソコンの所有率がそこそこあるのだが、中高生までが極端に低い。しかし・・・

ゲーム
なのに携帯ゲーム機の所有率は各国でぶっちぎりナンバーワンなのである。

お金がないから中高生にPC買い与えてないわけではない

ということになりますね。PCなんていまや2万円から新品が買える時代なのに・・。日本を除いた各国の子供のPC所有率の高さは、中高生までに与えられたものであり、日本のように大学生になってからレポート書くためによっこらせと買ったのではないことが推測できます。各国の子供がPCでいろいろやっていたときに、日本の子供は携帯ゲーム機で遊んでいた、と。いまはスマホゲームになってるかもしれないですけどね。

上のブログでもこのように書かれています。舞田敏彦氏の作成されたグラフをお借りします。

デジタル②

ちょっと衝撃的です。日本の13~15歳(≒中学生)では,7割がデスクトップもノートも持っていません。他国の1~2割とは大違いです。義務教育段階での情報教育の熱意度が,社会によって違うことの表れでしょうか。

海外先進国の中学生の80〜90%が自分のパソコン持ってるのに、日本では30%しか持ってない。これでは世界との競争に勝てるはずもない。ホリエモンは中学の時に買い与えられたパソコンでゲーム作って小遣い稼いだということなんだけど、そもそも買い与えられなかったら始まらないっしょ。優れたアプリケーションエンジニアの多くは子供の時からPCと親しんでいたわけです。

ゲーム機買い与えるならパソコンを与えろ

でしょうか。別に新品じゃなくてもいい。自分の中古を与えて使い方を教えたっていいじゃないか。新品だってChromebookなら2万円代で買える。

アメリカの教育関係者の証言:Chromebook のおかげで、すべての生徒にコンピューティングが行き渡った


3万超えてるけど税込みだからさ。www 子供だったらChromebookのこの程度でも十分。ウイルス感染の心配もない。コレ一台で十分にネットサーフができます。

PCを持たない人が多くなるとどうなるか

舞田敏彦氏は教鞭を執られている大学でExcelも使えない生徒が多いことに驚いていらっしゃいます。情報スキルのレベルが低いということを嘆いていらっしゃいますが、自分はもっと重大なことがあると思います。

現在、大人の間でもPC離れが顕著になっているというが、実際にこのブログも60%以上がスマホです。2年前は30数%だったのだが、ソーシャルでの反応に、おそらくスマホから見ている人に明確な独特の感じがある。スマホニュースで紹介されるとその割合がどっと増えます。すなわち

1 最後までちゃんと見ない。関連リンクも見ない

内容をよく読まないでコメントする。私に対して「解決策も書かない」とか言ってるヤツがいたが、教育評論家じゃないから書くわけない。つまり誰が書いているのかも確認しないでコメントする。
リンクを貼ってあってもリンクまでは辿らない。昨日の資料にも「有識者の見解」が書いてあるのに、そしてそこを読めば書いてあることを明らかに読まずにコメントする。有識者の見解を読んでからの人もいたが、そちらはPC経由でしょう。

うわっぺりだけで理解したつもりになる。だからデマブログとかに騙されちゃうの。

2 内容を把握できない

明らかに趣旨を理解できない。おそらく長文を読むのに慣れていないものと見受けられる。

という感じ。当たり前だ。スマホはPCと比較して画面が圧倒的に小さい。これですべてのリンクを辿ったり、情報収集を抜け目なく行うには限界がある。情報リテラシーを高めるには、画面の大きさが絶対的に必要なのだ。また、長文を「分かりやすく」書くにも向いていないしプレゼン資料を作ることも、レポートを隅々まで読むことにも向いていない。プログラミングやコーディングにも向いていない。

だいたいこういうことを書くと「自分はスマホだけでなにも困ってない」という人が必ずいるのだが、別に仲間内でLINEやったりゲームするしかしなければそりゃ困らないでしょうとしかいいようがない。

まあ、今日いいたいことはひとつ。子供の見識を深めて夢を持たせたり、将来なにをしたいか考えさせるためにも、中学生のうちから(またはもっと前から)自分用のパソコンを持たせるというのは親としてのひとつの手かもしれないって事だ。たくさんネットサーフしていろんなことを調べたりしているうちに、将来なにをしたいかも決まってくるかもしれない。夢を持つかもしれない。
そしてなにより、あなたのお子さんがザッカーバーグみたいに大成功する可能性だって0じゃないのです。

ザッカーバーグ氏が少年時代に作ったサイトを発見?

逆に「スマホで済むんだからパソコンなんていらない」と中学からずっと大人まで行ったときは・・・・どうなるかはご自分で想像してください。それでは発行日なのでメルマガ書きます。

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