TPPも内容が国民に知らされてないって言うな

2015年10月9日

昨日のニュース

内閣支持率46%に上昇…TPP「評価」59%

環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を「評価する」は59%に上り、「評価しない」は28%だった。大筋合意への高い評価が、内閣支持率を押し上げたとみられる。

面白いのが「自民党は選挙前にTPPに反対だったのにいざ政権獲ったら推し進めている」という皆さま。このグローバルな時代にTPPのような仕組みに参加しないで鎖国で行ける訳がないのは普通の頭なら誰でもわかるわけですが、基本的に大阪都構想見ても

高齢者は保守的

という傾向値がはっきりしている。「別にいまでも生きられているからこのままでいいわ」というのが高齢者の基本姿勢。無理してなにか変えたらいろいろ覚えたりするの大変だし、ということで変化を嫌うわけですよ。ところが将来を考えるべき若者〜50代までは忙しくて選挙に行けない。

【驚愕】50代以下の投票率が低いぶっちぎりの理由は「政治に興味がない」ではなかった!!

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昔は高齢者でも孫とかたくさんいたから子守とか大変だったけどいまはそんなこともないから暇。毎日が休日だがら日曜も平日も変わらない。これに対し働き盛りは本当に大変。サービス業なんて日曜も出勤だし、貴重な休日を投票で潰したくない。期日前投票だって行くのはかなり面倒だし午後8時までにいけるサラリーマンとかいるのか的な。マイナンバーと紐付いたネット投票制度を導入してくれないと、高齢者以外の投票率は絶対上がりません。

候補者の方も、投票率が高い高齢者を攻めるには、いわゆるどぶ板選挙になる。土下座したり一軒一軒挨拶に回ったりして「あの人は腰が低いねぇ」みたいな評判を取らないといけないわけ。働き盛りはみんな職場に行っててどぶ板選挙してもリーチできない。つまりは高齢者にしか向いてないし、そうしないと当選しない。

政策も政権を取ろうとすると、「改革」と口でいうけど基本的には

新しいことはなにもしません

という公約にしないと高齢者票を取れずに選挙で負けます。しかしその公約通りにいたますとこのご時世では世界から取り残される。まことに痛し痒しでございますな。つまり高齢者の票を取りたければ「新しいことは何もしません。お年寄りが理解できないことは反対です。でもって福祉を充実します」というしかない。あらっ、不思議な事に共産党の公約と同じになってしまった。しかも共産党支持者は高齢者中心・・・

さてTPPです

自民党は選挙の時にはTPP反対だったようですが、政権与党になればそんなことはいられるわけもなく、進めているわけであります。民主党だって与党時代進めようとしたでしょ。公約を守らないのはケシカランということでありますが、上記のように選挙公約を全て守ると「よく分かってない高齢者の意見だけで動く国」になってしまうので、そうは言っていられないわけですね。しかしこんなことされると選挙の時にどこの党に入れるか全く持って意味不明になる。裏読みばかりしていられないので早くネット投票実現して本音で公約語ってくれ。

ちなみに日本の農業が日本のGDPに占める割合はたったの1%。しかも農業従事者は60歳以上が83%!!!

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こんな大票田なわけで、「TPP進めます、キリッ」といえば絶対選挙に負けます。間違いない。

しかしながら、巷の世論調査を見ると

TPPよく分からない

のオンパレード。たぶんテレビで街のおばさんとかにマイクを向けると「国民への説明が足りないでしょ」とかテレビはバラエティと昼のドラマしか見ない口がしれっと平気で言うわけです。こういうおばさん、池上先生の番組も絶対見ないと思う。
TPPについては都市伝説みたいに「日本の健康保険制度が崩壊する」的に言う人もいて、どっからそんなのが湧いてでたんだ。既得権益の塊の医師会のなんかを丸ウケしたのかと思うくらいです。
で、TPPの内容についてはこちらに公開されています。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要内閣官房TPP政府対策本部平成 27 年 10 月 5 日

TPP語るならこれをざっと読めばよろしい。21ページ目

日本は、社会事業サービス(保健、社会保障、社会保険等)、政府財産、公営競技等、放送業、初等及び中等教育、エネルギー産業、領海等における漁業、警備業、土地取引等について包括的な留保を行っている。

社会保障については包括的に留保してます。いまの主張なら健康保険制度はなくなりません。

個人的に「いいじゃん」と思う点

GATSや我が国が締結済みのEPAを越える様々な新しい規律が設けられたことにより、我が国電気通信事業者の海外展開の促進や消費者の利便向上等が図られることが期待される。例えば、国際移動端末ローミング・サービスについて、透明性のある、かつ合理的な料金を促進することについて協力するよう努めること等をTPP協定で規定したことによって、ローミング料金の低廉化に貢献し得るものと考えられる。

日本のキャリアのローミングとか異様に高い。こういうのは外圧で下げられるでしょう。

特に14章では電子商取引についてかなり述べられており、規制緩和が期待できる。15章では政府調達について

具体的には、公開入札を原則とすること、入札における内国民待遇及び無差別原則、調達の過程の公正性及び公平性、適用範囲のさらなる拡大(地方政府を含む)に関する交渉等について規定している。

となっていて、しらないうちに癒着とか指名入札ができなくなる。ええやん。

著作権や偽物商法については厳しく制限される

オンラインの著作権侵害の防止
インターネット上の著作権侵害コンテンツの対策のため、権利者からの通報を受けて、プロバイダー事業者が対応することで賠償免責を得る制度を導入。プロバイダー事業者に著作権侵害防止のためのインセンティブを与える制度を担保。
故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物等の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない。
・ 著作権等の侵害について、法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度を設ける。

偽物商品は非親告制になる。つまり訴えなくても違法として取り締まられるようになる。

全部紹介しきれないので、「国民に公開されてない」とかいう人には「読んでから言え」とお伝えください。TPPの最大のメリットは「外圧」だとわたしは思います。日本って本当に既得権益とか凄くって、なかなか規制緩和ができない。自分の子供の頃とか牛肉なんて普通の家は食べられなかった。それがいまじゃスーパーででかいステーキ肉とかが500円くらいで買える。オレンジ自由化のときは「ミカン農家が潰れる」と大騒ぎだったが、デコポンや新しい美味しいミカンの品種改良を進めた農家はちゃんと生きてる。加えてグローバルな時代だからこちらから攻めにも行けるでしょう。

それとこれを合わせ読むとよくわかりますぜい
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池上彰の学べるニュース〈7〉アベノミクスTPP編 Kindle版1000円

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