ネットストアのマーケティングの見本は「せどり」

2011年1月20日

最近、ネットでの買い物の50%はアマゾンになっている。
プライム会員になったので送料が無料だから、とにかくなんでもアマゾンで捜す。この間なんてiPhone4の保護フィルム買ったが450円の商品で送料無料だ。アマゾンの価格の付け方がまた秀逸で、カカクコムでも最安から2番目くらいになるようセットされている。アマゾンプライム商品はポイントが付かないが、自分のサイトにアマゾンのアフリエイト貼っておけば、自分の買い物のときでもそのリンクから買えば、とりあえずポイントは戻ってくるというズルイ方 法。アフリエイトのデータみたら自分の買い物ばっかりだ(笑)

楽天は送料がかかるが(もちろん高いものなら送料無料にもなるが)アマゾンは送料無料でしかも早ければ頼んで即日。遅くて翌日に着いてしまう。この 差はでかい。しかもいまの商品ラインナップといったら、検索のしやすさでは楽天を凌駕している。楽天の場合、同じ商品を何十、何百と出品するストアのせいで、めっちゃ検索がしづらい。同じ商品がページをめくってもめくっても続くので、買う気がしなくなる。アマゾンにはこれがないので、対象の商品に到達する のが早い。つまり総掲載商品点数ではなく、検索のしやすさが比較にならない。いくら総点数が多くても同じものばかり出てくるのは逆にマイナスなんである。

「せどり」というのをご存じだろうか。個人で副業の「せどり」やってる人が増えているらしいが、彼らもアマゾンのおかげで小金を稼げていた。知らな い人のためにいうと、ブックオフにいって人気本なのに安く売られているものを携帯片手に捜し(専用のツールが有料、無料である)、買ってきたものをアマゾ ンに出品する。ちょっと前なら数百円のものが10倍で売れたこともあるらしい。

しかしブックオフだってセドラーが日本に5000人いて、平均月に50000円稼いでいるとしたら、月間2億5000万円の利益の損失だということに気づくのは当たり前。すぐにアマゾン価格を調べて自分のところのを合わせるようになり、バブルは終わった。今儲けているのは「せどりが儲かる」っていうセミナーやノウハウ売ってるみなさんで、素人が考えたってわかるが本当に儲かるならセミナーなんかやらずに自分でせどりやります。セミナーやってる段階で マルチ商法と同じなのである。つまり「後発の知識がない層を食い物にする」ということ。

話はずれたが、せどりには個人レベル、零細レベルでネットストアを成功させる大きなヒントがある。

これ、昔は本にも書いたのだが、簡単に説明すると・・・

1 一物一価の商品がネットの小規模販売に向いている

どこでも売っている商品だと、ネットは価格比較が簡単なので安い方で買う。そうなると資本力のある大手にはかなわない。その大手でさえ家電屋がばんばん潰れているのである。つまり小規模のネット販売のマーチャンダイジングは、一物一価が最適なのだ。中古品は必然的に一物一価であるが、中古じゃなくて も一物一価のものはたくさんある。たとえば楽天での「お取り寄せ」もそうだし「幸楽手作り餃子」というのもそうだ。自分で作るものなら価格は自分で設定できるから、買いたい人がいるならそれでビジネスになる。要するに他で扱っておらず、価格競争にならない商材が必要なのだ。

2 参入障壁のなるべく高いものを扱う

儲かっていると分かると、誰もが参入しようとする。いまから考えるとせどりやってた方も、嬉しそうにネットで「せどり日記」なんて書かずに誰にもいわずにやっていればよかったのだ。そうしたら知られないままもっと長期にわたって稼げたかもしれない。しかし携帯持ってブックオフにいけばいいだけという 手軽さなら誰もが参入できる。つまり参入障壁が低いビジネスほど短期で終了するといういい見本だ。
そもそも商業の基本は「地域によっての価格差を利益にする」というところから始まった。アジアに胡椒を買い付けにいったベニスの商人や、和歌山に蜜柑を買 い付けに嵐の海に船を出した紀伊国屋文左衛門もしかり。ネットの場合だって同じ。砂漠や嵐の海はなかなか渡れないが、ブックオフなら自転車ですぐ行けてし まう。したがって高い利益率を維持したいのなら、参入障壁がなるべく高くて、誰もが参入できない商材を選択することである。
そこそこお金がないと参入できないというのもあるし、そのジャンルに異様に詳しくないとというのもそうだし、ノウハウがあってほかでは作れないというのも そうだし、語学が堪能でないとダメというのもそうだ。とにかく参入障壁が高く、誰も彼もが参入できなそうなジャンル選択が、非常に重要だと思います。

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