返礼品に釣られてふるさと納税してるって本当なのか?

2017年4月10日

ちょっと前ですが・・・

ふるさと納税返礼、家電も自粛要請 総務省「上限3割」基準 日経新聞

総務省は31日、4月1日からふるさと納税の返礼品を寄付額の3割以下に抑えるよう地方自治体に要請すると発表した。金額の基準を設けるのは初めて。寄付の多くをなるべく住民サービスに充ててもらう狙いだ。高額な返礼品競争の過熱が続くと、「ふるさと納税そのものの存在意義が問われる」(高市早苗総務相)と判断した。
中略
利用者にとってみれば4月以降、寄付額に対して高価な返礼品は減っていく。ふるさと納税による寄付は15年度に1653億円と4.3倍に増え、16年度も一段と伸びたもようだが、新しい基準でブレーキがかかる可能性もある。寄付の伸びを当て込んでいた自治体にとって目算が狂うことにもつながる。

で、こうした理由の裏側には

返礼品競争「是正を」72% ふるさと納税、自治体消耗

ふるさと納税は地域活性化に役立っているなどとして、評価する自治体は82%だった。ただ、寄付は一部に偏り、自治体の間で差が開いている。

ふるさと納税の返礼過熱に苦言

「ふるさと納税」で大幅減収 東京23区長らが総務相に見直し要望

08年には3万3149人が申し込み、約72億6000万円が寄附された。その後寄付に対する返礼品(特産物など)が年々豪華になり、寄付金も年ごとにうなぎ登り。2015年度は全国で726万件、寄付金総額1653億円規模にまでふくれあがった。

ちょっと待って。そもそもふるさと納税は、田舎で税金使って育てた人材が都会に出て行ってそこで税金納めると田舎は育て損だ、という視点から始まったので、東京23区の税収が減るのは前からわかりきっていたでしょう? なのにいまさら?

で、東京の各区もふるさと納税やってるじゃん。「23区のうち昨年11月時点で中野、世田谷に加え、文京、足立など計10区が返礼品を用意しているという」とあるから、頭にくるなら自分たちも競合すればいいでしょ。その努力をしないで頑張ってるのを非難はおかしいっしょ。東京はメーカーも集中しているし銘菓、名物、名所もたくさんあるしで本気出したらヤバイ気もする。

基本的に「税収が減った」と怒っているのは自分の自治体ではなにも努力していないか、全く名物がないようなとこ。しかし基本的にはリテラシーの関係から申し込んでいるのは都市部の人だろうから、年寄りが多い田舎の自治体ではなにもしなくてもそれほど税収は減らないと思うんだが。

日本全体のふるさと納税のメリットはコレだ

先にコレを書いておきたい。
ふるさと納税には意味がないという人もいるが、政府がいくらしたくてもできないことをひとつ実現している。それは

確実な地方の消費の拡大

です。いくらプレミアムフライデー設定して消費拡大叫ぼうが誰も付いてこない。××手当ばらまいても将来の不安から貯蓄に回れば全然意味がない。しかしふるさと納税は確実に消費に結びついている。しかも「地方の消費拡大」に直結している。2016年度の寄付総額が前年度の約2倍に当たる3000億円といわれているので、うち3割が消費に回ると600億円の消費が発生したことになるんですよ。後述のように実際には返礼品不要のものが大人気だからこの額はないと思いますがそれでも大きいです。

政府がいくら減税しようがなかなか消費拡大には発展しない。ふるさと納税は「都市部の税金で地方の名産品を買う」という流れなら地方の小売り業者にお金が入る。税金を地方に還元しても、その地方の土建屋に回るならたまったもんじゃないが、農家や商店や漁業者にお金が落ちるならいいという人もたくさんいるはずだと思うんですよ。

本当に返礼品目当てでふるさと納税しているのかな

「税金はもともとその地域で集めて使うのが鉄則だからふるさと納税はやめるべき」という人がいる。が、そもそもふるさと納税が盛んになってきたのは、「返礼品がもらえる」というより「税金がナニに使われてるのかよくわからない。だったら自分で」みたいなのが絶対あると思う。

自分のブログで昨年一番アクセスのあったのがこれです。

年収500万円で妻と子供2人の場合で40000円!! そうだ。熊本の自治体にふるさと納税しよう

このページだけで50万PV超え!!
ブログ書いて良かった。拡散していただいた皆さま、ありがとうございます。

舛添元都知事の豪華海外旅行が明らかになり、こんな遊びにジャブジャブと税金使われるくらいなら、ちょうど熊本の震災が起きたばかりなのでみんなで被災地にふるさと納税すればいいと思いついて書いたのだが、どんどんパクって広めてくださいっていったらみなさんも応じてくれて、Yahoo!のトップニュースもパクってくれた(リンクしてくれたよ)。テレビも遅ればせながら追随してくれた。

ふるさと納税1・6倍に 地震被害の熊本は131倍、宮崎牛返礼の都城は2位

自治体別では、4月の地震で大きな被害を受けた熊本県への寄付が前年同期の131倍に急増し首位で、熊本市も3位。宮崎県都城市など返礼品が人気の自治体も上位に並んだ。

結果、昨年の熊本県への寄付が第1位!!

熊本県は45億4千万円。熊本市も59倍の21億8千万円。被災地向けでは寄付をした人が返礼品を受け取らない場合も多い

とありまして、熊本県は1位だが、熊本市や周辺の市町村に寄付した人もたくさんいるはず。熊本県全体の自治体に寄せられた総額はエラい金額になっててぶっちぎりで1位だと推定できますよね。

さとふる経由で南阿蘇に寄付した額だけで2億ですよ!
被災地の負担を減らすために他の市町村を経由して熊本にはいった総額は熊本県のサイトには更新されておらず、まだ不明。

こうしたことを考えると、熊本などの被災地には100億単位で寄付がいってる可能性も否定できないし、朝日の記事には東北の被災地におおく寄せられているという図表も出ていた。
朝日新聞デジタルがいい記事やってた。慰安婦問題ねつ造とかプロメテウスでボロボロですが、中にはいい記事だってあるんですよっと。

福島米、ふるさと納税で完売 最年少農家「うちは特殊」

フカヒレ工場じわり再生 ふるさと納税「お得感」決め手

復興にふるさと納税が貢献しているわけです。

青い部分が昨年より寄付額が増えた地域です。東北の被災地への寄付は返礼品を不要とするより、直接その地方の生産者やメーカー、商店などに売り上げがたつので、返礼品をもらったほうがいいのではないかと思います。自治体に寄付してもナニに使われるかいまいちわからないもんね。

被災地支援以外には
ふるさとチョイスを見ると、人気のふるさと納税は「素晴らしい返礼品」よりも

広島から全国へ!殺処分0にご支援を
ほぼ4億円達成してます!!

日本最古級の駅舎を再生

歴史と伝統ある木造校舎の学び舎を残したい!

みたいな使い道指定のあるクラウドファンディングが人気なのです。これが一覧です。
こうした使い道指定のクラウドファンディングは殆どの場合、返礼品はなく、あっても記念品程度。返礼品目的ではないことが明確です。

「返礼品目当て都市部の自治体の収入が減る」というのはどうも的外れな部分もある。総務省はすべてのふるさと納税の統計を採って発表すべきだと思います。その裏側には「自治体に税金払ってもなにに使われてるかわからない。だったら自分が意義があると思うところに寄付したい」という流れがある気がします。

東京だって返礼品はないクラウドファンディング的なものを設定すれば一気にお金を集められるかもしれないよ。が、東京にヒントは出さないので書かないでおくわ。w

特に高所得者が寄付に回っているのではないか

もうひとつ。ふるさと納税は高所得者ほど寄付できる金額がめちゃくちゃでかい。これを「高所得者優遇」とか的外れにいう人がいるんだが、日本は非常にきっつい累進課税制度で年収1000万超えると恐ろしいほどに税金を取られる構造だから当たり前じゃないか。
そもそも税金払ってないのにふるさと納税したいとか、おかしいでしょ。

ざっくりした目安だと、夫婦で子供がいると
年収  寄付できる額 
200万 そもそも税金ほとんどはらってないので不可能
300万  11000円
600万  60000円
1000万 156000円
1500万 353000円
2000万 519000円
3000万 996000円

となります。年収3000万の人は年収300万の人の10倍ではなくて100倍近い寄付ができます。当たり前だ。それだけ凄い税率を掛けられてるからです。よって全体に占める金額比ではおそらく高所得者の割合が高いはず。もちろん所得が多くなくたって全額を被災地にぶっ込んでくれた方達はたくさんいらっしゃいます。それが気持ちってもんですよ。

で、1回でもふるさと納税した人はわかると思うが、実はふるさと納税で食べるものをもらおうとするとけっこう大変なんである。まずほとんどの自治体は「いつ送られてくるか」全くわからない。野菜が山のように来ても冷蔵庫が一杯の日だったら近所にでも配るしかない。肉や水産物にいたってはほとんど冷凍です。おそらく浜値が低い日に発送してくるんではないかと思う。

一昨年、某島のサザエと鮑(冷凍という表記ではなかった)を申し込んだら、2ヶ月たっても送られてこないので町役場に電話したら慌てて「海が荒れてるんです」という。その割には二日後に送られてきて、あけたら鮑もサザエも新聞紙にくるまれて冷凍してあった。冷凍のサザエなんて食ったことないし!!焼いたら肝が溶けて大変なことになった。新聞紙のインクも付いてるし二度と頼まない。

一番外れがないのは干物なんだが、これだって冷凍室の大きさには限りがあるからそんなにたくさんもらっても困る。よって寄付額が大きい高所得者の人は「食材は自分で買うからとりあえず寄付からしよう」みたいな感じで、本当に欲しいものだけを頼んであとは寄付に回してると思うんですよ。自分は逆に熊本に寄付した残りでウエットスーツのカスタムオーダーしました。3月に上がってきたので喜んで着てます。自分みたいにふるさと納税に欲しいものがある人はレアだと思います。

ご近所の高所得者(たぶん w)の愛犬家は「犬の殺処分0に全額ぶっ込んだ」と仰っておりました。何十万円分も食材もらっても困るだけだし。
そんなわけで自分はふるさと納税の返礼率を30%に下げることは賛成だが、東京から地方に流れる総額を減らすのにはまったくもって役に立たないと思うんです。

ふるさと納税は寄付の習慣がなかった日本で、はじめて「寄付することでなにかの役に立つ」ということが広く認知された制度です。こんなにたくさんの人が寄付したことは史上初でしょう。この流れは止められないし、今後も広がる。「自治体がどうやって金を使ってるのかいまいち信用できない」っていうことが根っこにあるからね。高市のおばはんもブーブーいってる首長さんらも自分でふるさと納税してないからどういう感じなのかさっばぱり分からず思い込みで言ってる感が強い。

ふるさと納税で、自治体も賢いところとそうでないところ。頭が柔らかいところとガッチガチのところが明確に別れた。いままで全く競争がなかったところにこういうシステムができたのはとっても良いことだと思いますよ。

普通のムックは「こうすれば得するふるさと納税」ばっかりなんだが、さすが宣伝会議は切り口が違ってる。Kindleアンリミテッドなので借りて読んでみます。

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