楽天をやめてどこに行くというんだ、ジョー・・・・

2017年4月19日

本日はメルマガとnoteの日。

1 analyticsとサーチコンソールの深読みについて
2 グーグルの「フレッドアップデート」の影響
3 複数の病院で原因不明の痛みを治療するには
4 全てのたばこのパッケージに健康被害の画像を義務付けたい
5 続・調剤薬局向けのシステムの営業方法
6 法人化に必要な手続きについて

です。まぐまぐ!またはBLOGOS、スマホで読む方はnoteでお買い上げいただけます。関係ないですがついでにInstagramもフォローしていただけると喜びます。ポケモンに時間取られながらもがんばっています。

さて自分は紙の新聞は読みません。もっぱらネット版だけです。

楽天市場からの撤退企業が相次ぐ。自社ECサイトやBASEなどで勝負! 日経MJ

というブログがFacebookで回ってきたので拝見しました。写真お借りします。写真撮影されたのなら著作権があるはずなので、とりあえずダメならそう言っていただければ外します。紙面の文字は読めないので日経の著作権侵害にはあたらないでしょう。

記事の内容はブログで要略されているのでそちらを見て頂くのが良いのですが、要は

○楽天は制限が多すぎる。しかもダサイ
○インスタなどの外部リンクが貼れない

※インスタ貼ったところで売り上げかわんないですけどね
○使いづらい
※そりゃ基本設計が20年くらい前のものですから・・・
○上納金高すぎ

みたいなのが理由だと思うんですが、記事では結論で「自社ECサイトを活用する時代に」となっているそうです。自分はここに文句付けたいと思います。

著名企業とあなたのショップは違う

記事の中では脱出例として「OWNDAYS」を挙げており、さらに自社ECの成功例としてユナイテッドアローズを挙げてます。はっきりいうけど

ブランドとして認知されてるから成功した

んですよ。さらにもう1点

多数の実店舗に多数の来客がある

からなんです。
あなたのネットショップ、しかも売ってる商品がほかの店でもフツーに扱ってるような程度では、現在では絶対成功しない。それだけは保証します。日経MJの記者さんも有名なブランドやショップだけではなく、零細なところも取材して記事を書けばよかったのに。

ネットショップの趨勢と現状の認識

ちょっと昔の話だが、自分の会社がライブドア(現LINE)に買収されるまで、ネットショップのASPの開発をしてました。今のBASEみたいなもんです。今を去ること15年くらい前。

これは講演とかがあるといつも言ってることなんですが、15年前はネットショップとか始めるとすぐに月数十万から数百万くらいの売り上げが上がりました。商材によっては数ヶ月たったら月商500万とかいう事例もありました。嘘のような本当の話。しかし現在では、よほど名前の通ったブランドやリアルの店舗が多数あるようなもの、大量の広告投資を行ったケースを除いてはこんな美味しい話はございません。逆に15年前から比較する99%のネットショップはアクセス数、売り上げともに落としているはずです。理由は2点ありまして・・・

1 競合の乱立

2 スマホ化により検索ボリュームの低下

というです。総務省の調査では

2002年はたった5%くらいの世帯しかやってなかったものが、2015年には27.6%と世帯数で5倍以上に伸びてるわけです。これだけ見ると「スゲー、5倍になったのか」みたいな感じですが・・・というかまだ3/4の世帯はネットでものを買ってないという・・・ゲームの課金はネットショッピングにはいってないのかな。

占める割合のうち最大が旅行・・・・

そして教育関係(電子書籍とか音楽とか映画はココかい)や保険も多い。物販は全体の半分くらい。
で、一都三県がネットショッピングで突出し、青森と山口は・・・・

なかなか年度が古いものがないのだが、日本のB to CのECマーケットは2005年に3.1兆。2015年に13.8兆だから、10年で4.5倍になったわけ。

でね。どうググっても「マーケットは拡大した」というのばかりで、ECサイトの数自体はどうなったかの調査がない。まあ、数えるだけでも大変だし、調査のしようもないというのもありますが、3年前に講演したときに人力で数えてもらったら、ざっくり見ただけで数十倍以上になってました。細かいのまでみたら数百倍でしょう。
いまでは小洒落た小売店ならたいていサイトがあってネット販売もしている。ほとんど売れてはいないと思うがBASEみたいな無料のCMSもある。BASEみたらこれで30万店がオープンしたとあります。

市場が5倍になっても店舗が数百倍ですよ

という感じなんです。これではアクセス数と店舗あたりの売り上げ下がって当たり前ですよ。そしてここ15年で一番の変化は、そう「Amazonの台頭」です。Amazon日本の売り上げは2016年で1.1兆円。日本のB to CのECの流通額が15兆円くらいだから、Amazon1社で10%くらい占めてることになる。Amazonは旅行とか保険をやってないのでそれを除くとシェアは上昇し、へたしたら2割くらいになっちゃう。楽天なんてとっくにぶち抜かれた。

ここで第2の理由のスマホ化が効いてくるわけ。商品にもよるがおそらく楽天では注文の7割以上がスマホ経由だろう。下手したら8割いってる。スマホユーザーの中にはブラウザもアプリだと思ってる人が多いそうで、であればブラウザ開いて検索するより最初からAmazonや楽天のアプリで検索した方が、すぐに探す商品に到達できる。またスマホから新規のネットショップに個人情報を入力するのは面倒だが、Amazonや楽天ならすぐに買える。しかも価格比較もできてしまう。

ですのでどんどんとAmazonの比率は高まり、独自ショップにたどり着く人の数は減ってきたわけです。新規のショップをいまから立ち上げても、よほどエッジの効いた商品がネットでバズるとか、大量のTVCMをぶち込むとか、はたまたいままで絶対に通販はしていなかった有名ブランドだとか、店舗自体の集客力がかなりあってそこで告知ができる、みたいな感じでないと全然客が来ないわけです。検索だってどこでも売ってる商品並べただけでは全く上がってこないよ。

独自ショップどうする?

この質問ってたくさんメルマガにも来るし、自分はもともとECサイト構築でどうやって集客するかということからネットのキャリアは始まったのですが、いまだと

○エッジの効いたオリジナルの商品
○良質なコンテンツSEO
○正しいソーシャルの運用

は必須。やってるとこはほとんどナイと思いますが・・・・・。

実店舗がある場合は、そこで集客してネットに誘導するというのを大手のショップではどこもやっている。BEAMSやユナイテッドアローズも、ネットで買っても店舗で買ってもポイントは付くし、そのポイントはどちらでも使える。

いま構築しているECは、WordPressをベースに在庫を基幹やAmazonと連動させて、しかも上記のようなポイントや買い物履歴の管理をするようにしています。昔なら数千万から億単位はかかったはずですが、いまはそんなにしません。こういうのしか生き残れないんじゃないかと思うので、頑張ってやってます。早ければ6月くらいには何店かできてますのでまたブログにします。
(これ、宣伝じゃないです。だってそれ以降しか手が付かないからね・・・・)

だいたい月に40冊くらいは本読んでるんですが、Amazonの月替わりセールで柳美里さんのこれが1512円が299円ということなので買いました。芥川賞作家でも食えない時代なのかと思ったらそうではないらしい。楽しみ。

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