築地市場は2025年にどうなってるのか

2017年6月20日

いよいよ小池さんが「豊洲移転して築地を再開発。空っぽの築地を再開発して数年後に築地に戻るというウルトラCを発表するらしいので、ブログ書きながらAbemaTVをiPad miniで見ています。

さて、何回か書いたのですが、経済評論家とか経済学者が全く言わないので、もう一度書こうと思います。

「豊洲移転は20年前に決まったんだから、文句言わずに引っ越せば良い」という硬直的な考え方に違和感を覚えるからです。
以前から「とっとと豊洲に移転すりゃいいんだ」と言ってた方が今言うならいいのですが、小池都知事になってから声高に言うのは「小池嫌いならやり方が全て嫌い」という裏返しです。ww

実は自分もそれほど好きじゃないのです。出馬表明の時は「右曲がりのおばはん」と言ってました。投票しましたが、極左のもうろく爺さんよりいいからでした。しかし就任後、確かにちょっと問題のあるブレーンの選択は失敗したと思いましたけど、いままでこんなにちゃんと出勤して土日も働いた知事はいなかったという点だけで評価してます。レベル低っ!!

で、わたしは築地から豊洲に移転して、築地を改築して戻って豊洲は高く売る案(そうはいってないが売るだろうに1000カノッサ)はなかなかのウルトラCだと思ってる。理由は簡単で。

豊洲のコンセプトは古すぎて草

だからです。
豊洲に至る前、鈴木都知事の時代の平成3年に現在地での再整備を進めたものの、工事の長期化や整備費の増大、営業活動への深刻な影響など多くの問題が発生し、業界調整が難航して、平成8年頃に再整備工事は中断。莫大な工事費はドブに捨てました。
この20年前の話が「いまも築地では容量が足りないという間違った認識」になってるわけです。テレビでキテレツの武田先生とかが「築地ではダメだと20年前に結論出てる」と主張されてるアレです。

ではこの20年で築地はどうなってるのか、見てみましょうね。
東京中央卸売市場自身が発表しています。

平成2年から45%減でガクべり!!!

理由はというと

輸入が大増加して加工品と冷凍がスーパーや流通などが市場を通さずに海外から直輸入しているからです。この冷凍と加工品の落ちっぷりがこのまま推移すると・・・・・グラフを伸ばしてみてください。


平成33年(天皇陛下が退位されるので西暦で言うと2021年)には冷凍が0になり、しばらくして加工品も0になります。実際には一定のボリュームがないと一気に終息しますので、もっと早く終わります。例の2025年にはどうなっているかというと、鮮魚は徐々に減るものの、おそらく130000トンくらいは維持するでしょう。平成2年の豊洲計画が始まったときの築地の流通量は750000トンですので

2025年の流通量は豊洲計画時のたった17%

ということになります。広大な豊洲の土地にでかい冷蔵庫と莫大な電気代。東京都はそもそも「流通量はそのままで推移する」という前提で計画したと明記されており、完全なオーバースペック。いまでさえ仲卸の6割が債務超過ですから倒産も相次ぎ、新規参入も市場の反対でほぼ不可能ないまの状況では家賃収入も激減して毎年莫大な赤字を垂れ流します。

なにも考えずに豊洲移転すると、1000戸のニーズがあったので20年かかって巨大なマンション建てたら、実際の入居は200戸なかったということで、これはどう考えても大箱失敗でしょう。こうなった時に築地もなければ豊洲市場は次世代に大きな負担となるわけです。

自分が一番不思議なのは、経済に詳しいアゴラの池田信夫さんをはじめとする経済論客が、全く流通量の急激な収縮について触れられないことです。赤字は築地を売って補填すれば平気、とはみなさんおっしゃるが、たった8年後でも計画時の2割もない流通量で、どれだけ赤字がでるか誰も試算してない。そうでなくても2025年には団塊の世代が後期高齢者ら突入して税収も消費も激減するのに、こんな適当でいいんだろうか。

いまAbemaTV見ていたらも、小池さんが「ここ20年で仲卸が半減」「流通量の激減」に触れられており、ひょっとしたら「安心と安全」は時間稼ぎの引っ張りで、実際にはここをけっこう検討されていたのかなと勘ぐっています。「透明性の高い運用」というのは新規参入を排除する規制を無くすということかなと。

築地はこのように再開発すべき

築地は確かにブランドで、周辺には多くの人気飲食店もある。で、肝心なのは「鮮魚の流通」しか残る必然性がないということ。ほかは通販でも産直でも輸入でも良いが、鮮魚はそうはなかなかいかない。よって新しい築地は

鮮魚と観光に特化した市場

というのでないといけない。巨大な生け簀や循環装置、日本中、いや世界中の鮮魚が比べて選べて食べられる。流通量は昔の築地の2割なんだから、市場部分は小さくてもよく、観光部分を多くする。そんな感じなら観光資源として恐怖の大王の2025年の武器になるんじゃないかな、とちょっと思いました。ともあれ、1回決めたんだからそれでいけというなら、小池さんも1回民主主義で決まった首長なんだから、好きなようにやらせてあげようよ、ということで本日の弁論を終わりたいと思います。

ただ問題は、それにどれくらいのお金がかかるかやね。新築地市場はなるだけ安くお願いします。
小池さんの試算では平成55年くらいでキャッシュフローが黒字化するということになってる。ちょっと長すぎでしょ、それ。

個人的には市場にはそれほど興味ないので完全禁煙でよろ!!!

前にも書いたけど、この統合失調症の漫画はものすごく衝撃でした。いままでもっていた偏見も吹き飛びましたが、100人に1人が人種に関係なくかかる病気と知ってさらに震え上がりましたでござる。

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