マニア以外にいまヒットする漫画をマーケティング見地で考えてみる

2017年9月17日

金曜日、ネタでiPhone 8PlusをSoftBankとAppleストアで予約してみた。いままでとはうってかわって16時1分に両方ともさくさくと予約完了。Appleのはアプリ経由です。みなさんXが出たら比較して決めようとか思ってるのか全く混雑はなかった。

SoftBankは2年縛りで実質負担額が小さいし、半年経ったら自分でSIMロック解除できるし、それまでに海外行くことがあったらSIMフリー機は家にゴロゴロしているしで、SoftBankでいいんだけど納期がかかるようならAppleストアのにする。SoftBankの納期の連絡が来たらどっちかをキャンセルします。

で、iPhone8 Plusを予約した後でよくよく調べたら中身は今使ってる7 Plusとほぼ同じだった。ww
ということは、旧型iPhoneからステップアップなら、アップルペイはいって防水性の高い7が値段も下がって一番賢いのではないか。X買うなら7にしておけばiPad Proまで買えてしまう!!!その方がどう考えてもデジタルライフは広がる。ちなみに自分が一番使うデバイスはiPad Pro10.5で、iPhoneは電話と波情報くらいしか使ってなかった。

Xは顔認証だけで電池は7 Plusより持たないし、お金が余ってる人ならいいけど、金ない若者が無理することはないと思うんだ。顔認証なんて普通は一日で飽きると断言しよう。何十万台も売れるわけで、凄いとか誰も言ってくれないよ。全面ガラスのスマホとかAndroidでは普通だしね。

で、本日のエントリーは突然その昔に、ダヴィンチというリクルートがやってた本の雑誌(角川に譲渡された)に自分が書いた記事が自画自賛で面白いことを思いだしたので書いてみます。当時はライター業もしていたので宮崎駿さんや、吉田聡氏、武内直子氏、江川達也氏とかにもインタビューしたことあります。テヘペロ。

ヒットする漫画の歴史からマーケットのあり方を考える

まず最初に断っておくけど、漫画って物凄くジャンルが広いから自分が書くのは本道の一般論です。「いや、こんな漫画だってあったじゃないか」という細部を自慢気に突っ込んで来られても意味ないのでスルーしますよ。

漫画文化史というのがたぶんあると思うんだけど、自分が最初に感銘を受けたのはサイボーグ009と鉄腕アトムだ。両方ともテレビアニメではなくて漫画で見た。

1952年〜

1964年〜

このあたりの超人気漫画としては「エイトマン」や「スーパージェッター」、「鉄人28号」など「近未来」を描いているものが多かった。ちょっと考えてみたらわかる。いま人気の「近未来漫画」ってありますか?ほとんどないでしょう?

近未来漫画は「高度成長期の証明」だと思うんです。これから素晴らしい世界が待っているとみんな思っていた。だから子供はバンバン生むし、消費もどんどんした。
いまは近未来は老人ばかりになるとか夢も希望もない。だから素晴らしい近未来を描く気にもならないし、読む方も「そんなわけない」になる。映画の世界も同じで近未来ものはマッドマックスとかターミネーターみたいに悲惨なものばかりになっております。

逆にここ10年は、近未来では想像もへったくれもないので、全くの別世界ものがスタンダードになりました。そう「ワンピース」や「進撃の巨人」みたいなやつです。これだと空想の世界だから「わけないだろ」と突っ込まれることがないし、読む方もファンタジーとしていけるわけです。スターウォーズも未来ものではなくて立場はこれですね。つまり今の時代は

近未来には夢が持てないから夢は別世界で

ということになってるのが漫画で分かるわけですよ。

高度成長期にはもうひとつ、「闇」というものもありました。ド貧乏の生活から這い上がるというタイプで代表的なのがこちら



ですね。

巨人の星の星一徹はいまなら体罰で即座に逮捕されます。息子を野球選手にするために体中にギブスをはめるとか、キチガイ沙汰です。児童虐待で書類送検間違いなし。いまプロ野球選手になりたい子は「田中将大やダルビッシュみたいにモテモテでになってタレントや女子アナと結婚したいから」なんです。星飛雄馬は父に洗脳され、なんの疑問もなくプロ野球選手、しかも巨人の選手になると決めているのですが、体罰も日常茶飯事。いまなら社会問題。

明日のジョーはもっと悲惨で「ドヤ街」という放送禁止用語が炸裂しているため、テレビでアニメを再放送できないという・・・。この両方に共通しているのが「プロになって稼いでしあわせになろう」的なダルビッシュや田中将大みたいに価値観がゼロなことです。

高度成長期もすぎ、バブル崩壊とともに日本人は地味になっていくわけですが、並行して「イジメ」の問題が浮上してきます。こうした中で人気が出ていまだに続いているのが

です。アパッチ野球軍やちばあきおのキャプテンくらい1試合の描写が長いのが特徴。1試合が5ラウンド、つまり15分で終了しても読むのはその何倍もかかります。

主人公はいじめられっ子だったが、小さい頃から母子家庭なので船宿を手伝ってるうちに下半身の筋力が半端ないことになっていたという設定で、これは

にも脈々と引き継がれている伝統で、「目立たないいじめられっ子が本人も気づかない天賦の能力を持っていた」というパターンでして、努力して能力ができたのではなく、「そもそもしらないうちに元から高い能力を秘めていた」という都合の良い設定です。つまり、「自分にはなんの取り柄もない」とか思っていたが、実は自分も知らないうちにこんな才能が!!に憧れるわけです。都合良すぎやろ。

ヒットする漫画の王道は?

これはですねぇ・・・・上の事例から考えると、非常に簡単です

時代の不満を読んでいるときに解消できるもの

と、考えれば良い。内気で彼女ほしいけど現実には声も掛けられない男子が二次元嫁とか、ロボ嫁というパターンや、いじめられっ子が周囲をあっと言わせる。将来に希望が持てないから空想社会とか、そういうの全部そうでしょ。現在に満足しないから過去にタイムスリップとかみんなその系統。現在ではたいしたことなくても江戸時代だと名医とか。w

ということは、いま抑圧されているものはなにか、それを徹底的に洗い出して、それを解消するものにする。ヒット作の漫画家さんたちはそれを本能的にやってるけど、それをマーケティング的に抽出して作品にするとヒットする確率は上がると思う。

自分が一番来るなという新ジャンルはコレです。w


これ、めちゃくちゃ面白いSFなので読んだ方が良い。

未来では75歳になると、老人しかはいれないコロニー防衛軍に入隊することができる。二度と地球には戻れない。10年防衛軍に奉公すると自由になれるがほとんど戦死してしまうらしい。詳細は知らされていないのだが、サイボーグ化するわけではなくて新しい美男美女の体に意識を移すのです(ネタバレ、すまん)。いきなり若い体になるからもうみんなしゃかりきになってサカリが付きまくったりする描写も面白い。

どうせ老人だから長くはないし、若返って一発花を咲かせて、それで死んでも同じ事だと大人気の軍隊。いま日本の人口の最多帯は団塊の世代で現在70歳くらい。なんとテレビのメイン視聴者もここですので、アニメと同時にリリースして、世界で初めての

高齢者に夢を持たせる漫画とアニメ

になると思うんですが、誰か企画してください。ww
高齢者がメインのサントリーのセサミンとか青汁とかスポンサーにも困りません!!
高齢化にあえいでいる先進国では大ヒット間違いなし(適当)です。

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