【起業をマーケティングする 1】日本人の起業マインドを分析するとどんどん貧富差が広がるのが分かる

2018年4月2日

昨日、ぼんやりとテレビを見ていたら林修先生が素晴らしいこと言ってました。

金を稼ぐ手段は・・・・・・

1 自分が動く
2 人を動かす
3 金を動かす

の3種類しかなく、3はいろいろやったけど失敗した。自分は1しかできないってまるで自分と同じだ。www
とはいいつつ、林先生は雇用されているわけではない。東進スクールとは雇用契約ではなくておそらく成功報酬付きの高額な業務委託契約で個人事業主として契約しているのではないか。プロスポーツ選手みたいな感じ。

自分が動く稼ぎ方にも2種類ありましてですなぁ・・・

当たり前の話だが、2種類あって

1 雇用されて給料を貰う場合

と、

2 フリーや経営者、自営業として

に大別されますよね。
いつも書いてるように終身雇用制がばっちりあった時代までは前者はローリスクローリターン、後者はハイリスクハイリータンであったが、現在では終身雇用なんて公務員くらいしかないから、前者はハイリスク・ローリターンといってもよい。昔なら定年まで勤め上げるのが普通だってメーカーや金融も、フツーにリストラされたり、買収されて自分の働き場所がなくなったりが、ごく普通に起きる。

さらに条件のよいところに引き抜かれるか、転職できる人は自己研鑽をしっかりしてきた能力の高い人に限られるわけで、「金のためにイヤイヤ働いてます」という人はその時点で路頭に迷う。派遣労働者が55歳過ぎて契約更新できず、退職金もなく年金もほとんど払ってなくて困窮というのが続々と出てきているが、こういう人たちが究極。

で、1回コレを整理しようと思って資料を探していたら経産省の中小企業庁調査室が2017年に非常に面白い調査データを出していた。あまりに面白すぎて本が書けそうなのだが、何回かにわけてブログにしたいと思います。ネタをありがとう、経産省。

以前にも書いたが、

かなり私的な・・起業についてのお返事まとめ

「起業ブーム」とか言ってるけど日本人の起業マインドは先進国の中では著しく低い。なにがブームだよ。

特に景気が良くなるとどんどん起業マインドが落ちる。www
4人に3人は将来もずっと雇用されていたい組。アメリカとは真逆です。だからこそ「起業」が話題になったり記事になる。アメリカなんて起業したくないのは4人に1人だからむしろ「起業しない」のほうが話題になる感じ。ww

実際に起業した比率を見ますと・・・・


ずっと横ばいで、世界金融危機の2007年には会社が潰れたのか開業率が上がってるのが笑えます。が、その後の開業率も、景気は良いのにほとんど微増程度です。

んが!!!

実際に起業しようと決めた人が実行する比率は高い

のでありますよ。ここが唯一の救い。とはいってもともと日本で起業しようと考えているのは4人に1人もおらず、どっちかというと「変わった人」だから、その時点で選抜されている。そして起業は考えていたけど実際にする人はドスンと減って4人に1人の、そのまたさらに5人に1人しかいない。

図1では、実際に起業にいたる人は日本では結局、全体の5.2%、アメリカでは9.3%ということになる(起業したいと思ってなくてもはずみで起業しちゃう人がいるので、図2と図3の数字から計算すると起業率はほんの少し低くなった)。アメリカはみんなが起業したいと考えてるけど実際に起業する人は少ないということです。

日本で起業する人は全体の5.2%で19人にひとり

というわけでございます。起業しても成功するとは限らないが、自営業の収入は労働者のそれよりずっと高いのがデータ的に証明されている(前にブログでデータ書いた)。しかも自営業者や経営者は税金対策で自分への給与をそこそこにして抑え、あとは経費で使う。年収1200万以下に設定している人が多いと思う。それ以上だと所得税と住民税が半端ないからだ。

これだけ起業マインドがある人が少なければ、そりゃ一般人と比べて格差が生じますわ。起業して稼いでも妬み、そねみで悪口言われたり、金稼いでいるんだから私たちの分まで税金払えとか、言われるのも無理はない。だって起業家はマイノリティなんだよ。日本では。ここに凄い格差があると思うわけです。

どういうきっかけで起業するの?

これが面白いよ。とつてもなく面白い。

男は周囲にお手本がいて、女は周囲に勧められる

男女でまったく動機が違うのです。若い世代の男はとにかく周囲の起業家、経営者から感化されるのがきっかけだが、50代の男性の場合のみ「勤務先の先行き不安で仕方なく」みたいなのが1位。1991年がバブル崩壊だからいま50代の経営者は当時20代。上に書いた「会社がやばいので仕方なく起業した」というのが色濃く残ってます。

ところが女性の起業家は「周囲のすすめ」というのが一番多く、ついで「家庭環境の変化」(結婚・出産)というのが多い。周囲の影響で能動的に起業しようと考えるのは男性目線。「あなたは起業した方がいいよ」と勧められて始めるのが女性目線というわけですな。実際、いろいろ見ていても、女性は確かに「これ、自分でやってしまったらいいのに」的なアドバイスで会社始めたという人が多いです。これは世代とともにだんだん変わってきているとは思います。

専業主婦の疎外感に感じる違和感について・・・


このシリーズ。とっても面白いので次回は「起業して成長して行くときにぶち当たる壁」についてデータから説明していこうと思います。RSS登録して見逃さないようにね。

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