中国は嫌いだけど中国人はそうでもない、そんな気にさせる留学生漫画

2011年12月21日

わたしは今の中国って国は嫌いです。特に外交的には最悪。戦前の日本のようだ。

でも、マスコミで報道されるときには中国という国と、個別の中国人をわざと混同させる偏向的なものが多すぎると思う。これに頭の回らない人はすぐ洗脳されてしまう。国が嫌いだからそこに住む人も嫌いというのは全く別問題。中華料理が嫌いだからって、酢豚に使う豚肉も嫌いだというのと同じようなもんだ。

1 中国のネットでは××のように言われている?

日本の匿名某掲示板だってアジアの同胞に対して民族差別や蔑視発言が物凄いですよ。実名のFacebookでそんな事書いたら友人が一人残らずいなくなると思うが、匿名だから書くヤツは書く。中国でも実名で中国の外交姿勢に対して苦言を呈する人もいるらしいが、当局にすぐに削除されてしまうらしいよね。

日本に限らず世界中どこでも差別主義者は「無教養な」貧困層に集中している。不満の憂さ晴らしがそこにしかないからだ。経済発展の停滞した先進諸国では「無教養」=「貧困層」になる確率が高い。悲しいことだが貧困家庭で低学歴が連鎖してさらに貧困を生むというのは、福祉では常識なのである。中卒だけど社会で成功した人だってもちろんいるが、大卒で成功するより何十倍もの頭の良さと物凄い努力が必要だろう。逆に言えば中卒で成功できる能力があるなら学歴なんて不要なくらいだ。
アメリカでもプアーホワイトと呼ばれる層が一番の差別主義者。中国だって同じのはずだ。ただし成金が多いので金のあるなしに関係なく、無教養な層に差別主義が集中しているんだと思う。さらに日本の場合は急速に中流階級が減少して貧困層が増大しているので、差別主義が広がっているという見方もあるような。

2 中国の街の声はこんな感じ?

ワイドショーのテレビの中国の街頭インタビューで中国の人たちが「中国の船員が韓国の海上保安官を襲うなんてあり得ない」といってるのを流してるが、「もし本当なら同じ中国人として許せない」っていう回答は、面白くないからカットしているでしょうよ。だってワイドショーは報道じゃ無いから。そしてあの国で、「中国人が悪い」なんてテレビで発言しようものならのちのちどうなるか考えて見たら分かるでしょう。その点、北朝鮮で大泣きしている皆さんと同じですよ。

また、中国漁船は泥棒だって言うのも短絡的すぎ。日本にだって北海道の他の漁協で育てたアワビやウニを密漁するために大出力の船外機を3連装したモーターボートで夜間密漁し、巡視艇に見つかると猛スピードで逃げる専門の人ばかりの集落があって、豪邸が建ち並び「密漁村」と呼ばれていた。つい最近まであったが、いまはどうかは知らない。

沿岸に長時間仕掛けて魚を捕る大きな定置網というのは基本的にはどこにでも張れるわけでは無くて、深さやエリアが決められている。この付近には一般の船は近づけない。航行の邪魔なので海図に出ているのだが、実際には出てないものも多数ある。これらは違法の網なのだ。実は自分は以前、伊豆の近くのある港のマリーナ(漁協経営)に小さいボートを持っていたのだが、ある時、半島付近の違法な定置網に近づくなということで、半島全部を立ち入り禁止にするといチラシが近郊のマリーナ全部に配布された。漁業権というのはそこで漁をする権利であって、場所を占有する権利では無い。しかも日本の漁業組合は大半が赤字で税金ジャブジャブ。漁港だって税金がつぎ込まれているのに私物化してマリーナにして収益を得ているわけです。一般のボートはたいていの漁港には入れて貰えないのである。トラック業界が道路を占拠して一般のクルマを入れさせないといってるようなものだ。おかしくない?
不法占拠を許すわけにはいかないので漁協を管理している県の水産課にそのチラシをFAXしたら、漁協関係者が県に呼ばれて「不法占拠するとはなにごとか」と、ぎゅうぎゅうに絞られたらしい。問題はそのあとで、だれがチクったのか犯人捜しが始まった。あまりにばかばかしいのでこちらはとっととマリーナを引き払い、ほかに移ったわけですよ。

つまり、日本の漁民だって、似たり寄ったりのところはいっぱいあるわけです。

話を戻す。実際の「教養のある」中国人と接してみると、たしかに価値観的にクールな点はあるものの、頭が切れて凄いなと思う人もいっぱいいる。正直言うと中国人の友人はそんなには多くないので、とりあえず人から聞いた感想です。mixiではサンシャイン牧場のRekooの安さんが友人で、時々メッセージでやりとりしてる程度です。礼儀正しいよ。

で、在日ではなくて、実際の中国人と日本でふれあうチャンスといったら、仕事でハイソな中国人ビジネスマンと接してる方以外は、松屋で深夜に一人店長やってる男の子とか、格安飲み屋のバイトくらいしか周囲にいないからなかなか話すチャンスがない。中国人留学生は震災後、果たして日本にいるかどうかも疑問だ。

そんなとき、レコードチャイナっていう、いつも見ているサイトにこんなおもしろい話が出ていた。

震災後に日本に留学しにしている中国人留学生の書いている漫画が中国で大ヒットして、話題をさらっているという。「日本に親しみが持てた」という声も多数上がってるというので、どれどれと見てみたわけです。


URLはこちら Chromeで見るととりあえずネーム以外の部分の翻訳付いてます

おもろいやんけ・・・(赤井英和風にお読みください)

Chromeで見るとテキストは自動翻訳できるのだが、残念ながらネーム(漫画内の台詞部分)は画像のため、翻訳できない。が、中国語も漢字だから、センスがあればだいたいなんのことかわかるのがおもしろい。
この作者、日本に来る前は「日本は放射能に汚染されている」「地震で沈没する」といろいろ言われ、それでもいくと周囲をはねつけたところ、脳残(大馬鹿者) と言われ、それがそのままペンネームになっている。これで好感度20%アップ。脳残が大馬鹿ものということはノーザンライトボム食ったら大馬鹿になるとの同じだな(高田純次か!)

で、描いている内容は、日本に来て最初は不安だったこと(たぶん)。中華餃子が美味しいこと(たぶん、絵は餃子の王将風)。女子高生が可愛いこと(確定)、通ってる武蔵浦和日本語学院の吉野先生が美人なこと(確定)、ほか、中国人留学生も我々と同じ不安や期待や、スケベ気分を持ってることがよく分かる。日本の街が綺麗で礼儀正しく、自分たちの国とは大きな開きがあると驚いたことも正直に描いている。そして自分たちの国もきっと負けないように頑張るぞ、という気持ちで一杯になるのだ。

吉野先生はたぶん日本より中国で有名だ。自分がこんなに中国で人気があるとは夢にも思うまい。武蔵浦和日本語学院は学費を免除して特待生にするべきだ。いや、日本にある日本語学校は同様に、人気ブロガーを募集して学費免除にすれば広告宣伝費も不要になるぞ。きっと。

でもって、日本語化も決まってるとあったが、これこそ電子化して販売すれば売れるだろう。逆に中国に留学に行っている日本人だって漫画を書けば中国語版で出版だ! 偏向して報道するマスコミ(特にテレビのワイドショーは酷すぎる)の報道より、実際にその場所にいって暮らしている同胞のほうがよほど信用できるし、さらに文章より漫画はわかりやすい。

漫画を描ける若者を国費留学させ、もしくは海外から日本に来てもらい、漫画を描いて貰って現地の言葉で発行するプロジェクトを立ち上げた方が、大使館に何千本も高級ワインを置いておくよりよほど互いの国益になると思う。いかがでしょうか。ただで航空券を大量に配布しまくるプロジェクトが検討されているようだが、それよりも何千倍も効果があるはずだ。
外国に行きたがらないオタクの若者にも、自分がメジャーになれるチャンスができるチャンスがあるなら応募してくるのもたくさんいるんじゃないかと思います。

  • 0
    このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
    follow us in feedly
PAGE TOP