「今年はドローン元年」とかいってるマスコミ、そんなことはない!

言うこと聞かない15歳登校拒否を逮捕とドローンについての話題が尽きない昨今でございますが、テレビで街のおばはんに「ドローンって知ってますか?」と訊いたりすると「知ってる知ってる、あのラジコンのヘリコプターの小さいヤツでしょ」と必ず答えます。しかしそれ

必ずしも正しくない!!

のでかなり気になる・・・そしてマスコミは「いよいよドローンの実用化が今年あたりから」とかまくし立てているわけですが、「ドローン」の言葉の使い方が間違っていると思います。

ドローン (drone)英語で雄のハチを（英語：Drone）指す語句。自律制御される無人の飛行体や車両（ロボット）

でございまして、複数のプロペラ付いて飛んでるだけがドローンじゃない。スタートレックにもドローンは出てきたし、ありとあらゆる宇宙SF小説にも出てくる。AXNでやってた「スターゲイト：アトランティス」にもレギュラーなみの勢いで出てました。
で、一番突っ込みたいのが

ドローンの実用化に向けて

という言葉でございます。トンデモございません。ドローンは1995年、つまりいまからすでに20年前から実用化されております。今年はドローン元年じゃなくて

ドローン20周年!!!

1995年に米国軍に実戦配備されたのが「MQ-1　プレデター」です。
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こちらは2005年からの多用途型MQ-1B

サイズはと申しますと、全長：27ft（8.22m）翼幅：48.7ft（14.8m）。話題のホンダジェットは全長: 12.71 m (41.70 ft)　全幅: 12.15 m (39.87 ft)ですので、長さ的にはホンダジェットの2/3です。お値段は450万ドルとWikipediaにありましたので一機５億円くらい。イラク戦争の時、「米国軍機を打ち落とした」としてイラクが放送してました。たかが115馬力くらいのエンジンで最高速度200キロがやっとですので機関銃で撃ち落とせます。

しかし、このあと出た後継のMQ-9 リーパーは、もうこんなレベルじゃございません。

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長さ: 11 m (36 ft)　翼幅: 20 m (66 ft)とかなり大きくなりました。ホンダジェットくらい。小説などでは第二次世界大戦にドイツで空爆をしたB25やA10地上攻撃機と同じ大きさと書かれていますが

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これがA10です。全長16メートルあるのでリーパーの1.5倍の全長だから↑の話は大げさ　www

で、このリーパーは、アフガニスタンや、たぶんいまはISの爆撃にも参加しているはずです。非常に静かなターボプロップエンジンで14～28時間続けて飛び、地上からは音がしないので分かりません。そして殺傷目標を見つけるとヘルファイアミサイルや、まるでミニ核爆弾くらいの破壊力のペイブウェイIIレーザー誘導爆弾を高高度から落とします。2009年8月にパキスタン・ターリバーン運動のバイトゥッラー・マフスード司令官の殺害に成功したのがこいつです。一機1332万5,000USドルですので14億円くらいです。

ドローン攻撃機がメインになりつつある訳

ひとつには現代の戦争には、第二次世界大戦やベトナム戦争のような大規模爆撃というのがなくなり、テロやゲリラとの戦いになったことが挙げられます。武装集団の上空に静かに忍び寄って超高性能の光学器械で顔まで確認し、上空からミサイルなり誘導爆弾なりを落とす。まさに「忍び寄る殺し屋」。わたくしが大ファンでありますスティーブン・ハンターのボブ・リー・スワガーシリーズのこちらに出てきます。

めっちゃ面白いですが、シリーズなので順不同だと登場人物の関係がわからなくなります。まずは

ここから読み始めないとダメっすよ

で、もうひとつの理由が、兵士の命に対する考え方が変わってきたことです。日本でも

江戸時代まで・・・・・・・・・人の命より家が大事
明治時代から太平洋戦争まで・・人の命より国が大事
現在・・・・・・・・・・・・・なにより人の命が大事

という具合に命の価値が変わってきたわけですが、アメリカもベトナム戦争で多くの兵士が死んで、政権がにっちもさっちもいかなくなりました。いま恐れているのはなによりも兵士の命が失われることでありまして、無人機はパイロットはとっても安心なわけです。なんせ・・アメリカはネバダ州インディアンスプリングスの空軍基地の作戦センターの中で、こんな感じで操縦されております。

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打ち落とされても痛くも痒くもない。