日本の投票率を激減させた張本人と60代以上投票率がまだしぶとい理由の推測

2015年5月24日

最近、仕事に関係ないエントリーがバズり続けております。投票問題が面白すぎでいろいろ調べました。
んで

【驚愕】50代以下の投票率が低いぶっちぎりの理由は「政治に興味がない」ではなかった!!

「忙しいから選挙に行けない」という回答は結局は「政治に興味がない言い訳」と言う声が多かったが、このアンケートではきちんと「政治と選挙に関心がない」という回答を用意していて16.4%がそうですと言っている。
推測するに忙しかったから棄権したという層は、「政治に興味がないわけではないが、自分の中での重要度、優先度が仕事や遊びより低い」ということなのです。選挙に行くのは国民の義務だという声もありましたが、法律論では日本は「権利」という見方が主流なので、権利放棄も自由となっているわけですね。

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また、「働き盛りは忙しくて投票にいけないなら昔はどうだったんだ」という声も多く上がりました。「ググレカス」と言いたいのをぐっと押さえ、わたくし自ら調べてまいりました。「あなたの代わりにお調べいたします」というのがバズるエントリーのポイントでもございますからね。ええ、泣いてなんていませんから。

総務省と公益財団法人「明るい選挙推進委員会」というとこに全く同じデータがありました。ただし参院選は年代別投票率のデータが平成元年からしかないので短すぎる。衆院選は昭和42年(1967年)からの50年弱分がありました。それでは公開

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昭和42年(1967年)の衆院選から、平成26年までを比較しますと・・

20代 66.69% → 32.58%  ▼34.11
30代 77.88% → 42.09%  ▼35.79
40代 82.07% → 49.98%  ▼32.09
50代 82.68% → 60.07%  ▼22.61
60代 77.08% → 68.28%  ▼8.8
70代〜56.83% → 59.46%  △2.63

50代以下は全てどっかり落ちてる

(本当は70代の投票率が一番高いはずだが、80代以上になると寝たきりの人とかが増えて一気に投票率が落ちる。が、この統計では70歳以上で一緒にされている。70代だけにしたらもっと高くでるはず)

特に驚くのが、平成8年にどの層も、物凄い投票率の低下が見られること。特に20代は顕著でその前あたりからいきなり半減してそのままです。いったいなにがこの年にあったのか。

第41回衆議院議員総選挙(だい41かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、1996年(平成8年)10月20日に行われた日本の衆議院議員総選挙である。本選挙から前回までの衆議院選挙に用いられていた中選挙区制に代わり、小選挙区比例代表並立制が用いられた。また、本選挙では野党第1党が政権交代を目指し、第28回衆議院議員総選挙以来、38年ぶりに衆議院議員定数の半数を超える候補者を擁立した。

小選挙区になると党や組織票がないと当選の可能性がほぼ無くなる

となってしまい、多くの有権者が投票意欲を失ったのではないかと推測できる。都議会選挙も組織票がないとほとんど当選は無理なので投票率もめちゃ低いのは同じ理由だと思う。だがそれでも、民主党が政権を獲得した第45回は20代の投票率は50%近くまで回復。しかしそのあとの民主党ダメダメ路線確定で裏切られた形となってさらに投票所に足を向けなくなったのである。

で、投票率が物凄く下がった平成8年の結果はどうなったかというと
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このときの新進党の党首がいまは山本太郎のゆかいな仲間の小沢さんです。新進党と自民党が合意して小選挙区制になったわけです。こう見ると、日本の投票率を大きく落とした「小選挙区制」(小沢、竹下で決めたと言われてますが・・)と「民主党へ政権渡って大失敗で政治にもう期待しない」の両方に関係していたのは小沢さんだけということになり・・・以下省略。

一番政治に関心がある年代とその理由

ただ、60代以上の投票率はそれ以下の年代と同じく大きく落ち込んではいるものの、まだ選挙に行く比率は高い。果たしてこの理由はなんなのか、もちろん前回書いたエントリーのように「暇だから」っていうのも大きいと思うが、考えているうちに別の理由がちょっと見えてきた。

今は昔、ベトナム戦争から波及して日本でも学生運動の嵐が吹きまくった。ほとんどの大学は学生運動で閉鎖されてしまった。1960年の安保闘争、1968年〜1970年の全共闘の時代があり、革マルや中核派の内ゲバでの殺しあいや、1972年のあさま山荘事件で一気にいまでいう「テロ組織」と同じ事になってしらけて終わった感じである。

1960年に大学生、つまり18〜21歳だった人たちはいまいくつかというと、73〜76歳。1970年に大学生だった人たちは、同様にいま、63〜66歳。この二世代が間違いなく若いときに日本で一番政治に関心があったクラスタでしょう。青春時代を「政治ばかり考えて過ごした」世代です。テレビで見ると、オスプレイ反対で座り込んでいるのも反原発のテント村もこの世代がめちゃくちゃ多いように見える。

革マル、中核派として指名手配されて社会の片隅で細々と生きてきた人も多いが、就職の際に学生運動のことなんてすっかり忘れた振りをして企業戦士に早変わりして、社畜に転進した人が大半。が、青春時代の熱い「国家を論じた体験」は原風景としてある。このあたりが全く分からない人は、五木寛之の「青春の門」を読みましょう。

この時代の若者、つまり現在60〜70歳の人たちは、学生時代に熱く日本の将来を語り合い、ヘルメットかぶって手ぬぐいを口に巻いて催涙ガスを受けて機動隊とぶつかっていたのです。学生運動に参加しなくたって、参加している人は回りにいっぱいいたし、1966年から始まった成田空港の三里塚闘争では農民が左翼学生と合体して機動隊とぶつかりました。こちらは漫画でどうぞ

そして「昔はどうだったの」の回答行きます。ココでもう一度、上のグラフを見てみる。昭和42年(1967年)同時の年代別投票率は

20代 66.69%
30代 77.88%
40代 82.07%
50代 82.68%
そして今とは真逆で・・・

70歳代以上がもっとも投票率が低くてたったの56.83%

成田紛争のまっただ中だったため、20代の投票率が66.69%もあります。1967年当時は安保闘争(1960年)の時に大学生だった人たちが、ちょうど30代になっております。たぶんこうした人たちは社会党に投票したので・・
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こうなりましたね。

当時の70代以上は政治には興味が無かったのか、投票率がダントツで一番低い。つまり「老人が単に暇なので選挙に行く」という訳ではなく「若者も選挙の優先順位が高ければほかの忙しいことを押さえて選挙に行く」ということですね。10年くらいしていまの60〜70代がどんどんいなくなると全体の投票率はもっと低下するでしょう。

国民の投票率を上げるには、組織票がないと勝てない「小選挙区制の廃止」が必須となるわけですね。ネット投票でも投票率は上がるけど、結局上がってもなにも変わらないということになればまた下がりますな。しかし肝心の政権与党とか組織票がうりの政党のみなさんは、投票率が上がることを必ずしも望まない。
いやもう、未来真っ暗やね!

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