日本でGoogleさんに一番広告費を払ってるのは誰?

2012年2月8日

佐々木俊尚氏に絡む広告業界の人たち(第一幕)というバトルが数日前に繰り広げられ、いつもは温厚なツイートがメインの佐々木さんがいつになくストーク。部外者の私も興味深く、生暖かい目で観戦させていただいた。
そもそも「広告代理店」という存在自体が、GoogleやFacebookのように、顧客が直接出稿できる、いわゆる「中抜き」という形態が社会に浸透すれば、10年というサイクルでなら本屋さんとかデパートと行く末は同じようになると自分も思う。それでこの業界の人にもストレスたまってるんだよね〜、だから罵詈雑言ぶつけるんだよね〜と佐々木さんに言われて彼らはぐぅの根も出ない。

Googleの2011年の収益は3兆円弱で、このうち96%が広告収入という。日本全体の広告費のマーケットは震災前の2010年で5 兆 8,427 億円(電通発表のデータ)だから、Googleという1社に出稿される広告費のマーケットがいかに大きいかわかる。日本のすべての広告費の半分くらいの売り上げなのだ。Facebookの2011年の広告費売り上げは38億ドル(約3000億円)とGoogleには及ばないけど、これもでかい。いまはまだテレビや大手雑誌や新聞は広告代理店を通しているが、これだって背に腹がかえられなくなってきたらGoogle形式に変わっていくかもしれない。そのうちテレビの空いたCM枠からネットで販売される時代が目の前に来ているような気がします。というか、早くやればいいのにね。

こうなってくるといままでのように単に「決まった広告枠を売る」という旧形式の広告代理店は生き残れない。D通クラスであればメディアの広告代理業というより、オリンピックとかワールドカップとか、はたまたトレンドやブームを創りだしてお金にしていくこともできるが、弱小はきっついでしょう。

そんな中。「Googleの広告枠を買っているのが一体どこの誰なのかよくわかる図」というのが面白かったのだが、これによるとGoogleに最もお金を払っているのは金融・保険らしい。何回か書いたが、7〜8年くらい前まではネットショップでもGoogleのアドワーズで十分ペイした。上手く設定すると一注文当たり2000〜4000円くらいで顧客を獲得することができたのである。現在ではというと、まあ30000円くらいはするんじゃないかと思う。つまり、一商品、一サービスを契約して30000円以上利益が出ないならアドワーズやっても意味ないわけ。お金の無駄です。普通の脳みその人はやらないでしょう。

では、日本ではどうなの?

ということで、ここからが本日の本題です。Googleのアドセンスというものがあります。アドワーズで広告を配信してクリック数に応じてお金を貰う仕組みで、試しに右のバーの最上段に出してみました。なんだか知らないが着物の買い取り(ブロックした)、Wi-Max、興信所(ブロック)、GMOのサーバ(ブロック)、とこの4サイトばかりがヘビロテで嫌がらせのように出てくるんですけど、どうしてでしょう・・笑 ほかのとこみてもこの4社がめっちゃ出てます。しかしアドセンス、1週間で200円くらいしか儲かりません。あ、興味も無いのに無理に押さなくていいですから。そこんとこお願いします

このアドセンスを使って稼ぎたいと考えるアフリエイターさんたちが一番考えるのは、「とにかく単価の高い広告を出現させる」ということらしい。そりゃそうだ。1クリックで50円しか貰えない広告と、1000円貰える広告があれば、同じクリック数で20倍違う。だからアフリエイターさんたちは、クリック単価の高い、つまり競争の厳しい広告を出現させようと、自分のサイトの中身をそれにあわせて作るのです。このブログとかでは絶対無理だわ。

でだ。

だれがいったい、めちゃくちゃ高い単価でGoogleに出稿しているのだろう。コンバージョン(成約率)は平均0.5%と言われているので(昔は2〜5%くらいあったよ)、1000円のクリック単価だと成約に対しては20万円の投資だ。つまり1000円のクリック単価で広告配信している場合、その商品の利益は20万円以上あると考えて良い。

このキーワード1クリックについての価格は誰でも試算できます。このGoogle提供ツールを使ってください。
わたくしも単価が高そうなものを選んでチェックしてみましたぞ!!!

↓ これだ!!

テレビでおなじみの通販型格安保険のキーワードは、一番上に来ようと思うとなんと1クリック3000円も払わないといけない。コンバージョン0.5%なら1成約当たり60万円もの投資だ。ペイしてるのか謎。まあテレビ広告よりはずいぶんと安いとは思う。
ここ見ると、やはり一番お金使ってるのは保険会社なのかな?と思いがちだが、実は高い割に検索ボリュームが意外と少なく、予算を1日たった2000円以下しか消化できない。各社とも強烈に戦ってる割にはお金を使ってないわけです。大半はテレビで見て電話するのかも。

 

堂々第3位に輝くのが「債務整理」

なんと766円。 コンバージョン0.5%なら1成約当たり15万3200円!!!!
このキーワードで検索すると出てくるのは債務整理専門の弁護士事務所。テレビCMでおなじみ。サラ金の過払い請求専門のアレです。どんだけ儲かるんだよ、みたいな・・・。そういえば事務員にすべてをやらせて懲戒食った弁護士事務所もありましたな・・・。ほかにも上位には借金返済とかの高額キーワードがずらずら。サラ金にはまって自己破産の方々のお金が弁護士事務所を通じてGoogleに流れているわけで・・。
この、債務整理とか自己破産系キーワードは、アフリエイターさんたちの貴重な収入源らしいです。

この「債務処理」というキーワードで第1位を占めるには、なんと1日13万5849円も必要で、一ヶ月400万円、年間5000万円だ。すげえ。しかも「債務処理」というキーワードたけで広告がずらずら並び、同様のキーワードもみんな買っているだろうから、この業界だけで何億、何十億もGoogleに出稿しているのは間違いない。
あとは日本ならではの引っ越し屋さんも検索ボリュームが大きく、トータル金額は高くなる。

他にもまだ高額キーワードはあるかもしれないけど、破産とかサラ金の過払い処理とかの専門弁護士事務所が上位に来るのは間違いなさそうです。

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