高齢者の運転する重大車両事故が爆増してるのは本当か

テレビ見ていると、毎日のようにどこそこで高齢者の車が暴走して事故を起こしたというのばかりやっています。

もちろん、高齢者の事故は増えているかもしれないが、どれくらい増えているのか、認知症の人が運転しているからなのか、ほかに理由はあるのか、テレビを見ていて少し疑問に思ったことはありませんか。本日はそれをデータで解き明かします。前にも実は書いているんでそれの掘り起こしです。

免許保有者10万人あたりの事故を起こした運転者の件数。つまり事故率を政府統計から見ますとこちらは平成28年ですが・・・・

圧倒的に若年層!!!!

ですね。特に10代は異様に事故率が高い。ついで20代で80歳以上はその次。
田舎のDQNが無免許で友人満載した軽四輪で事故って全員死亡とか、たまにニュースにもなってますが、高齢者の事故が注目されているからテレビは高齢者ばっかりなのでした。「また高齢者が死亡事故」は視聴率取れるが「また若者DQNが事故」はニュースにならない。高齢者が暴走して子供をはねる以上に若者が運転して子供をはねる事故もおこっているはずだ。これもある意味、偏向報道かも。

事故統計には16歳からはいっているから原チャリや二輪を多く含むのは明確で、この間テレビで某氏が60歳以上の高齢者の運転すべてを禁止するとかしろといってましたけど、10代の運転を先に禁止しないと整合性がとれない。
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全年齢層の平均から換算すると
16〜19歳は3.15倍。20〜24歳は1.85倍も事故を起こしやすい。
高齢者が事故を起こしやすいと言うが、

65〜69歳までは平均以下
70〜74歳で全年代の平均になり
75歳〜79歳　1.04倍
80〜84歳　1.18倍
85歳以上　1.28倍

となりまして、

85歳以上でも事故を起こす確率は25〜29歳と同レベル

なのです。一律に高齢者の運転を禁止にするなら、まあ85歳以上ということになりますが、同時に16〜29歳も同等かはるかに上回る事故率なので、こちらを放置してだと明らかにおかしい。精神鑑定を義務づけるとか補導歴、逮捕歴があると免許取れないとか(社会復帰を妨げるのかガーと言われそう)、そもそも人間として落ち着く25歳までは免許取れないようにするとか、いろんなことを同時に検討するべきです。

よくよく人口で照らし合わせてみると・・・・これは２年前の統計。

運転する人の数が多いのは男も女も45〜49歳です。次は40〜44歳。20年前のバブルの時に免許取ったんですね。しかし75歳以上で免許持ってる人は

男性　392万人、女性146.5万人
これにたいして
16〜24歳の運転免許保持者は
男性　311.2万人　女性255万人　と、ほとんど総数で同じです。ということは事故を起こしている件数も間違いなく若年層のほうがずっと多いわけ。

ところがです。この人口は上にどんどんスライドしてくるから、40代の次に免許を持ってる人数が多いのは、団塊の世代である67〜71歳(２年前の表なので表の中では65〜69歳)で、この人たちが高齢者と言われる15年後には

恐ろしい数の高齢者ドライバーが出現する

ことになります。
いまもこんな感じに絶賛増加中です。

15年後は高齢ドライバーは1000万人超えるので、この時点では若者の免許取得率が下がっていることを考えると事故の件数は高齢者が運転する車がダントツになります。もう法律や体制を変えないと、この時点では若者の運転する車より遥かに多くの事故を起こしているはずです。

単なる事故率ではなくて重大事故率で見てみると

確かに若年層は事故を起こす確率はめちゃくちゃ高いが、若いし運動神経も鈍ってないから重大事故にならずに回避できているのではないかと思うでしょう。調べてみました。平成30年の警察庁のデータです。

75歳以上になると死亡事故を起こす確率が上がる!!

のは明白なのですが・・・それでも16〜19歳も相当なもので、85歳以上の次に死亡事故をおこしてます。75〜79歳も死亡事故率は上がりますが、20〜24歳と比較すると0.5ポイントしか変わりません。

DQNの若者、じいさんなみに恐ろしい

わけで、ニュースにならないけど、若年層の死亡事故率高すぎです。このグラフを見ますと、80歳以上からは運転を制限した方がいいのは明確だが、同時に落ち着きのない20歳未満の運転も制限しないとだめでしょう。20歳過ぎると事故は起こしても重大事故は起こさなくなる。子供を殺された遺族は、相手が高齢者でもDQN小僧でも変わりません。マスコミの報道だけを見ないでデータを見ましょうね。

でもって、実は意外なことに高齢者の重大事故発生率は下がっているのです。技術の進歩のおかげだと思います。

しかし高齢ドライバーが増えてるので件数は増えてるんじゃないか・・・・・・と思いがちですが。

件数横ばいから減少(青い棒グラフ)・・・・つまり

高齢者の運転する重大車両事故が爆増してるのはウソ

ということになります。減少しているんですよ、奥さん。印象操作といっても良いくらい。というかマスコミは調べてないと思います。
※後述　コレ書いたあとで最新のを平成30年のデータを教えて貰ったのですが、75歳以上の運転者の死亡事故は460人で２年前の水準に戻りましたが激増というわけではなく横ばいの触れ程度でした。

もちろん、これから団塊の世代が高齢化していくと一気に高齢ドライバーが増えますから、いくら技術の進歩があっても事故件数は増えていくのではないかと思われますが、少なくとも現在はまだそうなってません。テレビでそう報道されるから錯覚してるだけでしたね。

団塊の世代が事故率が急上昇する80歳になるまであと10年くらい。この間に技術革新や法改正で手を打てないと、まじで「高齢者の運転する重大車両事故が爆増」になるのは確実と思われます。