mixi衰退の最大のミスは足跡機能廃止にあったという、いまさら解析いかがですか?

2013年1月9日

実はあと3ヶ月くらいでα版をリリースするのですが、ソーシャルサービス作ってます。とはいってもFacebookとかPath、Google+とは全く異なり、日本に特化したある意味、かなり特殊なヤツです。乞うご期待なわけですが、これのコンセプトを設計するにあたり、「栄えるWEBサービスに必要な要素」はなにかを考えました。いつにもまして真面目なエントリーだな、こりゃ。

わたくし思うに、「依存度を高める」ということだと思うんです。依存度というとヤクやパチンコみたいなネガティブなものを考えますが、そういうものばかりじゃない。一昨日のエントリーでなぜAmazonは100万冊売っても6000万円の粗利にしかならない1円本を売っているのかという事を書いたけど、Amazonだってユーザーの依存度を高めることに必死に注力している。携帯ゲームのコンプガチャもそうだし、そもそもAjaxなる技術だってそのために使われている事が多い。ありとあらゆるWEBサービスは、顧客の依存度を高めるためになりふり構わない。と書いてる間にもYahoo!オークションから「オークションアラート」のメールが来ましたよ(笑)

Facebookも依存度を上げるために必死だ。「やれ、あんたの友人はこんなことしてるぞ、お前はいいのか」とか「あんたがウオッチしている誰々がこんなこといってるぞ」と次々ご注進してくる。自分もかなり依存している。仕事のメッセージもFacebook経由で来るし、来たら警告音が鳴る。内容見るまで鳴り続けている。うるさいぞ、Facebook。しかし依存させられているから1日ずっとタブは開きっぱなしだ。

しかし、ここに、「依存度を敢えて下げてしまった」故に、負け組になってしまったWEBサービスがある。なにかといえば・・・やっぱりmixiです。

いまさらですが、mixi衰退の理由については諸説ある。しかし「依存度」についてのみ考えれば、2011年6月の「足跡機能停止」が決定的なミスだったと断言できる。

ユーザーの口から出る足跡機能停止反対の最大理由は、「誰がアクセスしているか分からないのは不安」というものが多い。しかし毎日のように足跡をチェックしていた自分の意識の根底にあったのは実は

○自分が書いた日記は人気だったのか,何人が読んでくれたのか
○誰々に自分の日記を読ませることができたか(特にあまり仲良くない友人に)
○誰々は自分のことを気にしているかどうか

のような、他人の意識動向チェックであった。だから毎日せっせと日記を書き、足跡をチェックしたのである。誰が見たかもわからない日記をせっせと毎日書くヤツなんているか?! サイトのアクセスを気にしないで毎日更新するヤツがいないのと同じである。だから誰も日記を書かなくなった。

mixiは足跡機能を廃止するときに「いいね」がついたから同じと言い訳していたが、「いいね」を付けてくるのはポジティブな反応だけであって、大半はなにも行動を示さない。Facebookページは1投稿について何人が見たかが分かるが、5000人が見た(タイムラインに流れた)っていいねを押すのは数人〜数十人程度だ。つまり「読んでもなにも行動を起こさない」人の方が絶対的多数で、「いいね」押してくる決まった顔ぶれの情報なんて知っても仕方ないのです。

ではなぜ、mixiは、「自社サービスへの依存を断ち切る足跡機能廃止」をしたのか。これは本当に謎です。サーバ負荷軽減といってもいまならクラウドに移行すればいいし、そもそも大規模に落ちたのは1回だけで、それほど落ちた記憶はない。出会い業者が足跡使っていろいろな悪さをしたからとも言われているが、だったらそっちをたたき出せば良かった。後期には変な嫌がらせ足跡もたくさん来て辟易したが、通報が溜まれば自動でアカウント停止するとか、いくらでもやり方があった。そうしたことをせずに最大の依存度の要素を断ち切ってしまったのは、笠原君の最大のミスではないかと思います。

mixi.jp

 

去年の10月にmixiは1年半停止していた足跡機能の復活をテストリリースすると発表している。しかしすでに遅しである。いまや大半の登録ユーザーはmixiに依存していない生活を送っている。いまからmixiで日記を書く気には少なくともわたしはなれません。だって書いてもいまのmixiじゃ数人しか見てくれないから。

mixiは余力があるうちに、なんか別のサービスを開発するべきだと私は思います。または「もっとmixiに依存する魅力的なコンテンツ」の搭載しか未来はないです。そんなわけで、自分が開発するソーシャルメディアは依存度満載にしたいと・・・汗

 

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