4Kテレビは家庭用には売れないに一票。だってテレビ自体がオワコンだから

2013年2月1日

みなさん、こんにちは。「オワコン科学者」の永江と申します。嘘だと思ったら検索して見てください。「Facebook オワコン」で1位、「オワコン」でも今見たら7位にいました。Googleも認めた、世界が認めた。何故か嬉しくない。

さて、4Kテレビです。表示パネルの画素数が、フルハイビジョンの4倍ある高画質化を追求したやつで、総務省が旗振ってるようで、これを東洋大学の先生が

4Kテレビは失敗する

という事を書かれて、これがまた大炎上となりまして、今度は大御所の西和彦さんが

4Kテレビは安くなる。そして売れる

で、参戦されまして、私ども庶民はいったいどっちなのよと生暖かく見守っていればよいのでしょうが、実はこのネタ、すでに下書きで書いてありまして、捨てるのももったいないので私見をアップいたします。後出しジャンケンのようで気が引けるんですが・・

私的には、4Kテレビが防犯カメラとか工業用の解析の用途が大きいとかは全く素人ですので、家庭用、つまり一般消費者だけを考えると、「売れない」と思います。もちろんコアな方々は4Kテレビを待ちわびて買うでしょうが「売れた」っていうのは少なくとも数十万台規模で、それを考えるとかつてのベータマックスみたいな限定的な市場にとどまると思われます。高価なマニア向け。なぜかっていうと答えが簡単で、

テレビ自体がオワコンだから

ということになります。4Kテレビが売れるというあなた。以下の質問にイエスかノーかでお答えください。

1 mixiにすんごい機能が追加されたら、またログインするようになりますか?
2 社民党が素晴らしい政策を出したら投票しますか
3 凄い美声の演歌歌手が出てきたらCD買いますか?

もちろんイエスっていう方も0では無いと思いますが、かなりレアでしょう。オワコン科学では「一度オワコンになるとユーザー数は徐々に減っていき、コアな少数で固定される」という私がいま作った法則があります。では実際にテレビはどうなのか、データを見てみましょう。いつものようにここのデータをお借りします。いつもありがとうございます。@Fuwarin様、フォローさせていただいております。

gn-20120815-11

ここ5年見ても一局だけでは無く、ほぼすべてのテレビ局が視聴率を毎年下げております。
1997年からですと、こちらは総世帯でどれくらいがゴールデンタイムにテレビを付けてるかっていうことらしいのですが・・

gn-20120815-09

相当な勢いでダウンした後、コアなユーザーに支えられて一進一退。mixiのユーザー変動と似ているとか似ていないとか(ボソッ)。
いずれにせよ、この変動がこのペースで続くと、10年後くらいにはゴールデンタイムでテレビを見ている家庭は半分くらいになってしまいます。テレビ局の財務諸表を見ると、必死に食い止めるために「経費削減」をしているわけで、つまり制作費削減です。道理でギャラの安いお笑いタレントのトークとクイズ番組、そして昼間の韓流ドラマになるわけです。さらに

制作費削減 = 番組の陳腐化 = ますますテレビ離れが進む、ということになり

テレビのオワコン化 が証明されているわけです。
そしてもうひとつ不安な要素が、以前のエントリーにも書いたのですが・・

地上波のテレビの平均ユーザー層は、地方の老人と若年層。「2005年(平成17年)度のNHKの「国民生活時間調査」によれば、若い男女は各曜日を通して視聴時間が短い。一方、70代以上は1日5時間以上テレビを見ており、主婦、農林漁業者も同様に長時間視聴している」となっている。

つまり、演歌と同じで、地上波のコアな視聴者は田舎のお年寄りですから、10年も経過すれば哀しいけれど相当に減ってます(減ってないと逆に怖い)。生き残ってる方も4Kテレビより少しでも安いほうがいい派だと思われます。
お母さんと一緒を見ている子供も成長したらネットに触れるようになってテレビから遠ざかる。テレビの視聴者は減るのは確実でも増える要素が無い。一気に自民党が少子化対策でも成功させて一家に3人くらい子供が出来れば話は別ですが。しかし子供が増えても子供は4Kテレビなんて欲しがらない(笑)。

テレビというメディア自体がオワコンである以上、画像の素晴らしく綺麗な4Kテレビが出てきたからといって、一般消費者にたくさん売れるとはどうにも考えづらい。二次元画面のテレビというものがオワコンならば、画質がよくなるくらいでは魅力は増さない。PCのモニタがRetinaになったからってタブレットでアクセスするのをやめてPCに戻りますか?
むしろ4Kテレビが数年後に安くなった頃には、テレビを見ない習慣が一気に進んでいる可能性が高い。昨日のブログにも書いたが、半年で一気にPCからモバイルに10%移行してるんですよ。

ここからはSFの世界に片足突っ込むみたいな話ですが、三次元の立体テレビとか、しかも触るとなんか質感があるとか、そこまでのインパクトがあればもうそれはテレビじゃ無くて別物であるから話は別だ。同じネット接続のデバイスでもPCとタブレットくらい違うと別物になる。
下から覗ける立体テレビなら、自宅警備員の皆さまはアイドル見るときに必死に床に寝そべって仰向けで見るだろう。ちょうどベッドに寝転んでタブレットでネットサーフするみたいにライフスタイル(というか姿勢 w)自体が変わる。ここまで変わって別の物に変身しないとダメ。つまり画質が物凄く良くなる程度ではテレビの復権はないと「オワコン科学者」は判断するものであります。

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