感染が蔓延している地域の外出規制は感染を逆に拡大させるという基本がわからない専門家って?

2021年4月22日

わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では塾生を募集しています。コロナ禍の間、希望者は毎月30分。わたしと1:1でzoomでブレストができます。ひとりずつ丁寧にやってますよ。※事業・集客コンサルやサイト構築のご依頼も絶賛受け付けております。得意な分野はECサイト構築や商品開発です。実例はこちら

朝からテレビ見ますと、いつもいつも出ている専門家(毎日出まくってるからコロナ対応はしてないと思われる)が、

「とにかく人との接触を断つため人出を制限するべき」

ばかりいっています。わたしはアホかと思うのです。本日はそれについて医療専門家がデータを全く見ないということを念頭に説明しようと思います。

そもそものロックダウン、外出制限の考え方

防疫やバイオテロにおいてのロックダウンの基本は「犠牲者は家族にとどめ、外に出さないためのもの」です。致死率の高い感染症の場合は、とりあえず家族がみんな死ねばそこで終わるのでこの方法が有効です。中国が武漢などで似たことをしました。アパートの入り口を封鎖して出入りを禁止するアレです。テレビでも報道されています。

しかし、日本ではそんなこともできませんよね。で、昨年の第1回の緊急事態宣言のときにこのイラストがよく使われていました。

これはあの時点では、ピークアウト過ぎてからやったのはバカみたいでしたが、考え方は正しかったともいえます。しかしそれには前提が付きます。

感染が広がる前ならば

というものです。台湾やニュージーランドはこれを初期に国レベルでしたわけです。もっともニュージーランドはイギリス民族なので開国したらワクチン打っても日本よりは死ぬわけでどうするんだろう。

しかし、感染が蔓延した後ならどうなのか。ここが重要です。

蔓延した後でのロックダウンは死者数に差がない

普通の頭で考えると、すでに感染が蔓延している時に外出規制をすると、家庭内で濃厚に交わるわけで家庭内感染か炸裂します。年末の東京がそうなりました。
東京の発症ピークは1/4です。

発症までの平均日数は5日です。
したがって年末に感染が増えたことになります。人の流れは減っていますので関係なかったです。

ではなぜ増えたのか。答えは明確です。

家庭内感染が炸裂したからです!!

年末にステイホームを呼びかけたおかげで家庭内感染が炸裂して東京はこうなりました。

1/7~8日前後に新規感染者数が爆発(集計の関係で発症日ピークの1/4から数日遅れる)
死者のピークはそれから2週間遅れて2月にやってきました。発症から死亡までの平均日数は日本はかなり長くて17.1日ですので、ドンピシャですね。

日本以外はどうなのか。例えばイタリアです。

最初のロックダウンは去年の3月9日から。ロックダウンの後、急激に感染が爆増して死亡者のピークは3月27日。このときのイタリアは日本より死亡するまでの日数が短くて発症から死亡まで8日なので、

3/27に死亡ピーク
3/19に発症ピーク
3/14に感染ピーク

ということになって、ロックダウンの後で多くの人が逆に感染したことが分かります。家庭内感染ですね。ここまででおわかりだと思いますが、

感染蔓延したあとのロックダウンは逆に感染を拡大する

というのは間違いないです。論文も出ています。

Stay-at-home policy is a case of exception fallacy: an internet-based ecological study

ステイアットホームは死者数を減らすのには効果は無かった

数少ない「stay-at-homeの割合と死者数に有意な関連あり」となっている比較 (全体の1.6%)にJapanとTokyoの比較が含まれています。東京の第1回の緊急事態宣言は、今から考えると1日の新規陽性が200人以下という非常に低いレベル、つまりまだ感染が蔓延する前に出されたので、まだ今より効果があったものと考えています。

繰り返しますがロックダウンやステイホームが有効なのは感染が広がる前の話。日本の場合は欧米の数十、数百分の1で医療崩壊してしまうので、感染が拡大してからのステイホームは死者数は変わらなくてもピークが前倒しになるので逆効果というのはもうファクトだと思うのです。

なぜ医療専門家はいまだにステイホームというのか

まず、上記を認めると年末年始にステイホームさせて死者を多数出した責任を問われます。その前にいまだ「ステイホームは本当に効果があったのか」「時短でどれくらいの感染が減ったのか」という後追い調査もされていません。何度もいっていますが緊急事態宣言で何兆円の経済損失があり、1人の高齢者の命を救うのにいくらかかったのか」という計算もされていません。すべて責任逃れだと思います。

認めないからまた同様に前回のミスを繰り返すように「蔓延期にステイホーム」という愚策を繰り返させようとするわけです。これはもう故意ではないが殺人ではないのですか?

馬鹿のひとつ覚えで「感染を減らすためには人と人の接触を減らす」という人と人の接触には家族は含まれていません。一番多い感染ルートは家族なのに、「家族は感染していない」という前提がおかしいのです。蔓延期には家族も感染している可能性が高いという前提で考えないといけないのにそれがズッポリと抜け落ちている。学者は学問は出来ても実践は全くできない典型です。実務の素人の学者が実務の素人の首長に助言しているんだからお話になりません。

蔓延期に家庭内感染を増やさないためには

本来は高齢者を事前に自治体が旅館を借り上げて抗原検査をしたあとで疎開させるようなのが一番なのですが、そんな柔軟性を首長に求めるだけ無駄です。

ステイホームをすると家庭内感染が爆発するのは確実ですが、かといってステイホームをしなければ減るわけではない。家庭内で感染したくなければ「濃密な時間を長く過ごす」のではなく、浅い関係になればいいだけです。満員電車の中ではクラスターが発生していないのがその証拠です。

●一番感染している可能性が高いお父さんは別に暮らしてもらう w

というのが恐らく一番効率が良い。飲み歩いているお父さん、お爺さんはアパートでも借りて1人で暮らして貰うのがいいのですが、自治体で宿舎でも提供すりゃいいじゃんと思います。しかし現実には「そんなことできるか」というお父さんも多いでしょうから、せめて緊急事態宣言は出さずに、家族はリスクの少ないアウトドアや買い物に出かけ、お父さんとはなるべく接触しないのが吉だと思います。ww 飲みまくるお父さんは家族ではぶく。緊急事態宣言が出るとそれができなくなるのです。

ブログ公開後に全く同じ事を言っている専門家を見つけました。初めてです。

コロナ禍から1年以上経過して、臨床医ではなく、感染症専門家という研究者はかなり適当な事を言っているのも分かってきました。データ分析もしないで自分の感想だけ言う人も多いです。実務や実践はまったくノーアイデアで基本的な事しか言わない。政治家も自分でデータを見て判断するようにしないと日本は滅びますよ。

そんなわけでわたしは無視してGWはアウトドアで過ごします。

  • 0
    このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
    follow us in feedly
PAGE TOP