漁師60人を束ねる27歳女社長に感動。付加価値の正しい付け方はコレだ!

2013年7月18日

それは昨日の夕方であった。久々にスポーツクラブに行って下半身鍛えすぎてよろよろと車に乗り込み、ワンセグチューナーをたまたまつけたら、日テレのeveryの特集でこんなのやっていた。

2013年7月17日(水) 漁業を変える女性
http://www.ntv.co.jp/every/feature/20130717.html
毎週水曜日が更新だそうで、まだ中身真っ白。意味ないし・・・

思わず車を停めて、見入る。面白い!!
要約すると・・・

山口の萩には瀬付きアジというブランドがあるのだが、近年は燃料費の高騰と資源の枯渇でお先真っ暗。
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萩市観光協会が先週「瀬つきアジ祭り」ってやってました。凄いアジ寿司。美味そう。

生き残るためにライバルだった3つの船団の60人の漁師が会社を創った。しかし漁師だから経営センスがあるのがひとりもいない。で、27歳のシングルマザーでカード会社でトップ営業マンだった経歴のある、漁師全く未経験の女性(けっこう美人)を社長に迎えた。この女社長。物凄く厳しい。年上だろうが爺だろうが、漁師のおっさんを怒鳴りつける。「漁師って一攫千金ばかり夢見てすべてがどんぶり勘定」って言い捨てる。社員の漁師が「1回、刺し殺そうと思った」とマジで言ってました。

この女社長が採った戦略。物凄くセンスがある。

1 仲買、漁協を通さずに直接高級料亭に売る
・・・中抜きで利益確保し、しかも到着が市場経由より最大24時間早い

2 釣った魚は船上で一匹ずつ丁寧に血抜きし、保冷箱に綺麗に並べる
・・・付加価値の創造

3 販売先の料亭は飛び込み営業で開拓
・・・顧客視点の確保と凄い営業力

朝2時半に沖合の船団から今日の漁獲について報告がある。そのまま料亭の板長に電話して販売。いや、2時半に注文する板長も凄いけど、築地に行くならこの時間に起きるのか・・・

で、漁師にとってみると漁のあとで下処理やら発送やらが増えて睡眠時間が大きく削られる。不満も出る。社長との衝突のエピソードが泣けた。
彼女を社長に引っ張ってきた船団のリーダーのおじさん(船団長??)と大口論になり、船団長は「もうあんたとはやれないから出て行ってくれ」と通告した。いままでの顧客リストを渡してくれといったところ、出てきたメモを見て仰天。なんと半年で女社長は誰にも言わずに、単独の飛び込み営業で20社もの得意先を開発していたのである!!これでは何も言えない。船団長もそこから完全に従うようになったという。このシーン、ちょっとうるっとしましたワ。ええ話や。

この放送で、日本中の高級料亭から「うちにも卸して」という電話が行ったに違いないが、検索したところネット通販はやってなかった。電話営業じゃ無くてサイトでB to Bやっても面白いと思いますよ。

このエピソードから学ぶことはたくさんあると思います。メルマガの質問でも「他社と同じ商品を売る場合の差別化は?」みたいなのがあるのですが、同じだと思います。

○店長のキャラを立てて、店長の魅力で押す

女社長が自分で営業先を開拓したのと同じ。自分を信用してもらって買ってもらうというスタンスを創る。これ、小規模なサイトでは特に大事です。王道と言えるカモです。

○商品に顧客視点に立った付加価値を創造する

他社と同じ商品でも、詳しい説明書を付ける、洋服なら組み合わせのアドバイスをわかりやすく説明したものをつけるとか、食材なら料理方法の冊子を付ける、などやりようはいくらでもある。もちろん手はかかる。漁師さんのように寝不足になるかもしれない。しかしこの手間こそが付加価値なのである。「素材に一手間かける」ことが重要なのだ。顧客はそれを評価する。

しかしあくまで「顧客視点に立った」ものであることが重要。昔、あるレストランで会員登録をしたところ、毎月小冊子を送ってくるのだがその内容が占いとか、観光ガイドとか、どうでもいいような物ばかりで参った。顧客にとって不要な付加価値はマイナスになるばかりである。不可無価値ですな。座布団くれ。

○基本は営業。待っているだけでなくて、積極的に営業をする。

企業の根幹は営業である。どんなにいい商品やサービスであっても、営業をしないで待っているだけでは運がよほど良くない限り売れない。ネットでも同じで、「サイトオープンしました」だけではなにも動かない。必死に営業活動しないといけないのである。広告は営業活動とは言えないから、この場合でいうと「飛び込み営業」に近いこともしないといけない。

ここで考えないといけないのは、飛び込み営業と押し売りは違うって事である。アポ無しで飛び込んでも、それが相手にとって「いい話」なのか「単に迷惑なのか」はこちらの姿勢次第で変わってくる。コピペのメールを出しまくったりすればこれはもうスパムで、押し売りと同等だ。営業するにはそれなりの技術や経験も必要だが、一番必要なのは誠意である。いいこと言うね、たまには。

そんなわけで、この1冊。

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