企業のFacebookページの運用方法についての私的見解(厳しめ)

2013年9月26日

このブログ、ロリポップ騒動と、docomoのiPhoneと半沢直樹で初の月間100万PV超え。しかしブログでPVをあれこれいっても仕方ないように思う。1日何回も新しいのを投稿すれば単純にPVは上がるから。月間のユニークユーザーのほうが重要じゃないかな。1週間に1回くらいしか更新しなくてもUUが多いのが一番凄いと思います。そういう意味ではちきりんさんとかは凄い。
http://tophatenar.com/
でブログのURL入れてみるとわかる

Chikirin

これはちきりんさん

そして

blog

これが自分。まだまだでございますな。滝に打たれてみるか。

さて、月間100万PVを超えますと(といいながら書いてみた)、そこそこお問い合わせをいただきます。最近立て続けに「ソーシャル運用のコンサルを依頼したい」というのがありましたが、どちらもあまり根本的なことがおわかりになっていないようでした。この際ですのでポイントを書いてみます。飯の種部分の根幹はブラックボックスにいれておきますが、それでも多少はお役に立てるものと思います。

1 なんのためにソーシャルを運用するのか

これはもう企業としては、資本主義国家でございますので、ファンの育成とかは建前。最終的には「売り上げあげたい」というのが美しい本音です。企業である以上、それを追求しないと株主さんが怒ります。ところが中にはなんのために運用するのかさっぱり謎なところもございます。

2

Facebookのユーザーを幼稚園児と誤認しているようなタウンページのFacebookページ。これを運用したからといってタウンページ利用率があがるわけも出稿が増えるわけでも無いので、単に予算が振り当てられて代理店に丸投げ感がひしひしと・・・。「なんのためにソーシャル運用するか」という目的が全く明確で無い例だと思われます。テレビCFに比べたらカスみたいな予算でできるわけですが、だからといってコンセプトワークがまるで無いまま運用すると、「この会社はわかってないという認知付け」の逆効果もあり得ます。

2 ターゲットをはっきりと認識して運用する

1に関連することですが、いったい誰に向けてのソーシャルなのか、それをはっきりしないまま運用すると意味が無いです。たとえばタウンページっていうのはそもそも固定電話の台に鎮座していて、固定電話ユーザーがメインと思われるわけですが、そうなると対象は年寄りです。スマホなら検索して問い合わせ先を探しますからね。固定電話のみの年寄りがFacebookやってるのかといえばやってるわけもない。つまりイエローページ自体がソーシャル運用する意味が無いわけです。そんな無駄金があるくらいなら青空文庫に寄付した方がマシ。意味が無いところがムリクリやろうとするからこうなる。

しかし他人のことを笑うのは簡単でも、実際に自分はとなるとモゴモゴとなってしまうのが人間。ソーシャル運用の基本は、ターゲットとなるユーザー層の仮説を立て、その人達に効率的にアプローチする手段を考えるところから始まるのですが、それがわからない人、多すぎ。

3 ファン数には意味が無い。アクティブなファンの数が重要

わかってない人ほどファン数に左右される。一番わかってないのが従来のいわゆるメディアで「××万人のファンを獲得したA社の戦略」とか「ソーシャル運用で×百万人のファンを獲得した××社」みたいな記事を書く。実際に見に行ってみると明確に「お金で買ったファン」であったり、「東南アジアで広告だして集めた釣りやすいファンの山」だったりする。この件については何回もエントリー書きました。たとえばこんなの。

Facebookページでファン数を簡単に増やすにはどうしたらよいか【ファンを買うのは無しで】

お金で買ったファン、その企業に興味も無いのに懸賞で集められたファン、後進国の携帯ユーザーに広告出して集めたファンの特徴は、「ノンアクティブ」。ソーシャル運用において、ノンアクティブなファンにはなんの価値も無い。企業の中には「うちのユーザーはリテラシー低いからファンを買ってもバレない」と思ってるところもあると思うが、いったんバレたらその事実は消せない。その前にガラケーオンリーをはじめとするリテラシーの低いターゲットはソーシャルなんか触りくらいしかやらないし、ソーシャルから行動を起こす確率が低い。ソーシャルで動く人はそこそこのリテラシーがある人なのだ。

4 インフルエンサーのファン1人の獲得は1000人のリテラシーが低いファンに匹敵する。

ここ。身も蓋もないことですが、ありとあらゆるソーシャルに共通します。Twitterでいうと、フォロワー数が数万人レベル(フォロー数も数万人なら相互フォローしているだけなので無価値)の人がツイートしてくれると破壊的な効果があります。Facebookでも同じでフィード購読者が数千〜数万人レベルの人がシェアしてくれたら物凄いことになります。多くの人に影響を与えるインフルエンサーのファンとしての獲得こそが、最重要目的と言えるはずです。ただ、インフルエンサーは自分の影響力をわかっているからめたらやたらにファンにならないし、目も肥えている。本当に面白いとか評価する、ここからの情報はゲットだと思うところにしかファンにならない。手抜きの投稿には絶対に食いついてくれない。すれっからしの黒鯛みたいなものです。しかしこいつを釣り上げてこそ、成功なのです。

5 ファンが読みたい物を投稿する

多くの場合、「企業が顧客に伝えたいこと」と「顧客が知りたいこと」は異なる場合が多い。もしあなたが企業ページのファンになったとして、そこからの投稿がセールや新商品のお知らせばかりだったらどうするか。楽天のメルマガがウザイというのと同じく、さっさと「投稿を表示しない」にするでしょう。または飛ばしてしまう。しかし大半の企業のFacebookページでは、前述のタウンページのように「どーでもいいこと」か「販促メルマガ風」のどちらかばかり投稿している。マジでわかってないと思うが、担当に丸投げするとそれが外部であっても下の人間であってもこうなります。「ソーシャルは責任が取れる決裁者が運用すべき」と私が言うのはこの点です。

6 ソーシャルの中だけで終わっても無価値

どうしてソーシャルを運用するのか。その大きな理由の一つが「SEO的な意味」です。ソーシャルでの高評価はそのサイトが役立つということの現れなので、サーチエンジンは高く評価します。Facebookページの中だけで終わる投稿を繰り返しても自社サイトへの誘導はほぼ0で、SEO的な意味もなければ販促の意味もありません。ではなにを投稿すれば良いのか。ここから先は自分で考えてください。私の飯の原資ですので・・・。しかし一つ言えることは、ソーシャル運用には「ネタ」が必要と言うことです。「ネタ」を創出してそれをソーシャル運用で広く展開するのが基本的な運用方法とだけ書いておきましょう。

7 データをきっちり採って分析する

やったらやりっ放しではなんの経験値も積めない。こんなのは仕事のうちにはいりません。インサイトのデータやFacebook広告のデータをきちんとみながらデータを採り、どういう投稿がどのようにリーチしたかをきちんと集計する。たこ焼き屋だって帳簿もつけないザル勘定のところはすぐ潰れます。それと同じですよ。

そんなわけで、わたくしめに「ソーシャル運用のコンサルティング」をご依頼される場合、上記の内容をご理解の上でお願いします。だいたいですが、きちんと運用しようと思えば、5とか6とかのネタ作りまでいれると一人が集中しても1日5時間はかかると思います。適当に担当者付けてコンサルに任せておけばがっぽがっぽ儲かると思ってる企業さんの仕事はお断りしていますのでそこんとこよろしくお願いします。そういう方はインチキ情報商材の皆さんがそういうネタで高額セミナーやってますのでおすすめします(いや、おすすめはしません 笑)。

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