出版冬の時代は所有からレンタルの時代の影響も?

2014年11月9日

今朝ほど、NHK見てましたらこんな番組やってました。

サキどり↑「来たゾ!図書館の逆襲!?」

いま、いろんな図書館が出てきて、工夫を凝らしてユーザーを取り込んでいるという。その中で巻頭で「実は図書館の利用者って激増していて貸し出しも非常に増えた」というデータが出てきた。若者(というか高齢者以外のだよな)の活字離れが叫ばれる昨今なのに、図書館での貸し出しは凄い伸び??

調べてみたらやはりそのとおりらしい。

文部省が平成23年に調査したデータがこちら相当にちゃんとしたものです。これによると図書館の年間利用者数は平成7年にのべ1億2000万人だったものが、17年には1億7000万人になり、23年には1億8800万人だ。子供の数は減少しているのに、利用者数は16年で6割近く伸びてるわけですよ。

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この表見ますと、登録者はいったん減少してから増加に転じてここ12年は増加している。平成7年から10年に激減しているのは、システム化されて死んでる登録者やダブリが名寄せされたのではないかと思います。児童の比率は平成10年の時は15.4%で、22年になると11.5%まで減少して、図書館は大人シフトになっていることがわかる。

で、貸し出ししている冊数の増加が凄い。調査方法が変わったので単純比較は出来ないとあるが毎年伸びつづけて22年度は年間6.8億冊である。平成7年は4億冊であるからなんと15年で70%も伸びた。で、日本の書籍の年間の発行部数は7億冊くらいらしい。図書館で貸し出される本のうち新刊がどれくらいの比率かはわからないが、図書館の貸し出しの伸びが「本が売れない」原因のひとつなのは間違いないところでしょう。活字離れは確かにあるが、活字離れしていない人でも「わざわざ買わなくてもいいか。図書館で借りればいいな」という人が増えているのは上記のデータ通り。

所有からレンタルの時代へ価値観が変わってきた?

先日テレビで田原総一朗氏のお宅訪問をやっていたが、リビングまで本で埋まっていて一杯だった。昔の人は「蔵書」という考え方があり、書斎は男の夢だったわけだが、考えてみたら本は、実用書とか学術書は別にしてよほど気に入ったもの以外、何度も繰り返しては読まない。ではなんで書斎が憧れだったのかというと、それは「本に対しての所有欲」だったのじゃないか。

車も最近ではカーシェアリングです。最近はタイムスとかののカーシェアリングのステッカー貼った車をめっちゃ見ます。2013年の記事だが

日本のカーシェア市場はまだまだ伸びる
60人に1人が利用、先進国スイスに学べ
 日経ビジネス

2013年1月時点でのカーシェアリングの国内会員数は28万9497人と前年比73%増、車両台数は8831台で同36%増と急成長を続けている。ここ数年の市場の伸びを維持すれば、「会員数30万人、車両1万台」を年内に達成するのはほぼ確実だ。そればかりか、日本のカーシェアリング市場は、さらに現在の5倍に拡大する可能性すらある。それを裏付けるのが、スイスのカーシェアリング市場の動向だ。同財団によると日本の人口当たりの会員数は、現在0.23%(2013年1月)。これに対し、スイスは1.3に達している。そして、日本はスイスと並んで、世界的にカーシェアリングに適した市場環境を備えている。

田舎のマイルドヤンキーは「自分の車」におそろしくアイデンティティを感じるが、都会じゃ「車はカーシェアリングで十分だな」という人が爆増している。確かに維持費、駐車場代、保険などを考えるとカーシェアリングの方がよほど安い。問題は「誰かが使ってると借りられない」ことで図書館と同じだ。

成人式などの晴れ着にしてもいまやレンタル率が70%くらいらしい。つまり「所有する合理性」があまり感じられないものは雪崩を打って「所有からレンタルへ」という流れになっている。ちなみに東京都の平成25年の調査(しかも初めてのだって・・)では、東京のマンションは賃貸が79975棟、分譲が53213棟と、賃貸のほうが圧倒的に多いのです。

一般的に考えて都市部では土地も高くて家も狭いし、合理的な考え方の人が多いので、住居も車も、晴れ着も、本もレンタルで十分でしょう的になってきているわけでしょう。所有は「所有責任」「コスト」などがレンタルに比べて重い。

ここで最近の若者の草食化を考えてみる。草食系の男子の特徴は「所有欲があまりない」ということではないか。欲はないわけではないが、別に車もいらないし、家も欲しいと思わない。のんびりと毎日を平和に暮らしたいという感じなわけだが、20代男子の4割が女性と付き合った経験が無い。

20代未婚男性の40.7%が交際経験なし -「恋人がいる」はわずか22.1%

これもまあ言ってみれば「異性に対して所有欲を感じない」ってことなんじゃないだろうか。ステディな関係になったり結婚すれば、動産、不動産と同じく「責任」が発生し「コスト」もかかる。であれば、「彼女のレンタル」のビジネスがあれば流行りそうだが、逆にコスト高すぎだよね(笑)。昔のチベットとかブータンみたいな嫁シェアリングかぁと一瞬思ったが、江戸時代の江戸って圧倒的に女子が不足していて、町民の女子は一生に何回もとっかえひっかえで結婚し直したり、長屋全体で1人の女子を多数の男が食わせるというのもけっこうあったらしい。

とまあ、朝のNHKからここまで発展して想像力を拡大してみました。本日は以上。

昨晩X-Menのこのシリーズを2本、まとめて見ました。しかしなんだね。家にいてこんなのが借りられるとTSUTAYAとかもヤバくなってくるな。まあ、田舎では永遠にニーズはあると思うけど。

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