海外の眉唾放射能情報を追跡してみたよ

2012年3月21日

先日、大阪府の校長先生が卒業式で実際に君が代が歌われているか教職員の口を見てチェックしていたということで大問題になった報道ステーションの番組。こちらのレポートによると、どうも事実は全く異なっていることに気づいてびっくりした。エントリーが事実だとすると大手キー局でもこのようにねじ曲げ系の報道がされているのか、と思うと情報って言うのはまずは疑ってみないとな、と思う次第です(このブログも含めてね)

で、またまた恐ろしくFacebookで猛烈に広がっているやばすぎる情報があり、調べてみると腹を抱えて笑ってしまった。

Facebookの住民の大半は気のいいおっさんであり、疑うことを知らないってことはこのエントリーでも書いた。
ウ・ウザイ!! ウザ過ぎる!! Facebookのいい話!!
完全にねつ造された情報や、他人の本から丸々抜粋してあたかも自分で書いたように振る舞うアフリエーターの罠にはまって易々と感動してしまう。前者は笑い話だが、後者は犯罪。でも今回のは国益に関わる大変な話だと思われます。

もともとの画像はコレで、こんな説明がついていた。

放射性物質による海洋汚染マップ。日本政府はこの現実には一切触れず、先頃「チェルノブイリ原発事故と比べて汚染が及んだ距離は8分の1程度だった」と発表した。都合のいい数字だけを、都合のいい基準に従って集めた地上だけのデータをもとにして。この期に及んでなお被害を小さく見せようとする者たちを、いったい誰が信じよう。あの日から一年、事実の隠蔽だけでなく、その矮小化工作も着実に進められている。これ以上、騙され続けるわけにはいかない。恥を知ろう。世界から見れば、私たちは加害者だ。 

自分の友人がシェアして、怒りを訴えていた。Google earthのロゴ入りなのでGoogleが発表していたのだと思い込んだらしい。次々とレスが付き「日本は大変なことをしてしまった」「もう海水浴はできない」と言っている。

が、待てよ。自分はサーフィンするので各地の海水の放射能測定値はけっこう見てます。原発反対派のNGOの測定値だって千葉県や北海道の海水からこんな汚染濃度は出てない。というかまったくの平常値だ。デタラメじゃん。
この文面では「海洋汚染マップ」とあって、だれもが海水の汚染の測定値を計測した実測値だと思ってしまう。しかしぱっと見、これは汚染マップじゃなくてシミュレーション だろうと思ってレスを書く。冷静な方からは同様な意見が・・・

ではどこのどいつがこの情報を流しているのかと思ってサイトを見る

サイトのデザインがかなりショボい・・・
公的機関でも何でも無く、民間の一企業らしい・・・
これはやっぱりシミュレーションで、「海洋汚染マップ」じゃない。
広げる前に英語くらい翻訳ソフトに入れて読んでくれよ。。。

We use a Lagrangian particles dispersal method to track where free floating material (fish larvae, algae, phytoplankton, zooplankton…) present in the sea water near the damaged Fukushima Daiichi nuclear power station plant could have gone since the earthquake on March 11th. THIS IS NOT A REPRESENTATION OF THE RADIOACTIVE PLUME CONCENTRATION. Since we do not know exactly how much contaminated water and at what concentration was released into the ocean, it is impossible to estimate the extent and dilution of the plume. However, field monitoring by TEPCO showed concentration of radioactive Iodine and Cesium higher than the legal limit during the next two months following the event (with a peak at more than 100 Bq/cm3 early April 2011 for I-131 as shown by the following picture).

最初の1行だけでおかしいと分かりますよね

我々は、自由に浮かぶ(魚幼虫、藻、植物プランクトン、動物プランクトン … )ものを追跡調査するラグランジュ関数小片分散方法を使用します

って・・・原油の広がりじゃあるまいし、セシウムは重いから水に溶けながら海に沈むんですけど。でいまは海底の粘土質と硬く結びついているため、東京湾の海底からは検出されるが魚からは全く出ないというのはよく見る研究データですが・・ということはこれは放射能じゃなくて浮遊物の追跡シミュレーションじゃないの?? しかも海は三次元。二次元でシミュレーションしてどうすんの。つまり海水で希釈されていくことを全く考慮してないわけですか。

そこに友人から一報。「この会社、おもろいですよ、所在地をGoogleで調べてみたら・・」と、いうメッセージ。どれどれ

この会社「ASR」の住所を見ると

どうもニュージーランドが本社のようだ。

1 Wainui Road
P.O. box 67
Raglan 3265
New Zealand

で、これをGoogleマップに入れてみる

海沿いの素敵な場所・・・・

腹を抱えて笑えるのはここから。
ストリートビューで見てみる

住所の場所はとってもいいところです。なにせサーフショップが並ぶ、ゴールドコーストかカリフォルニアみたいなとこ。 行ってみたい・・・

これだ!!
隣も向かいもサーフショップ!!!
でも変だな・・・確かに看板は出ているが、建物が研究施設には見えない。ご存じSPEDDI の拡散シミュレーションは100億円の費用とスーパーコンピュータが必要だったたが、どうみてもこの建物に何百億もするスーパーコンピュータは入ってなさそうだし、金もなさそうだ。

ん・・・拡大して見る・・・・

水着とかタオルとか海水浴の用品売ってるじゃん・・!!!!

もちろん、物凄い技術を持つ海洋リサーチの専門企業が水着を売ってはいけないということはない。が、どうみてもこの規模ではちゃんとした調査はできそうにない。沈没船の捜索とか鯨の数を数えたりするくらいならなんとかいけるかもしれないが。こりゃお店の宣伝に利用されたな、福島原発事故。

海洋は前述の通り三次元である。しかしずっと前のブログにも書いたが、日本近海の海洋図というのは無料じゃないのだ。ココで買えます。しかし日本全国を買おうとするととんでもないお金がかかる。しかもそれをシミュレーションに反映させるには、どう考えても途方もないお金がいると思います。こんな田舎の海水浴品ショップが自分で払ってることはないだろう。

また、海流は1日ごとに大きく変化する。海上保安庁が1日ごとにレポートを出しているが、毎日見ればわかるけど1日でも相当に変化しているしデジタル化して公開されてない。アニメーションGIFはこちら。毎日こんなに蛇のようにのたくっているのだ。

とまあ、ここまでで、この拡散シミュレーションは「放射能ではなく浮遊物」「しかも二次元」「しかも海流の推移などは全く考慮してない」ということが推測できる。へたしたら「サーフショップがフォトショップで w」の産物の可能性もある。

このASRのシミュレーション。調べたらいろんなブログで引用されているようだ。しかし誰も住所からこの会社が本当にまともかどうか調べていない。情報を広める以上、やはり最低限の裏取りはするべきなんじゃないかと思います。それが責任かとも思う。

もしかしてアメリカ支社に巨大な研究所があるのかと思って調べてみた。住所はGoogleプレイスにも登録されておらず、間借りしているようだ。看板も出ていない。存在するのはこんな変な家だけでした。

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