デブの女子中学生は勉強ができないという調査データを検証する

2016年6月2日

身も蓋もない調査レポートが発表されました。

肥満女子中学生は学業成績が低い…北教大が分析

男子生徒では「体力レベルと学業成績には一方が高くなると一方も高くなる」という関係性が認められた。女子生徒では、「肥満傾向生徒では体力が低く、学業成績も低い」という傾向があった。女子生徒は男子生徒とは異なり、体力レベルの高低ではなく、肥満傾向があると学業成績が低くなっていることがわかった

男子の場合は、漫画に出てくる岩清水 弘タイプ(わっかんねーだろーな)は現在では、優等生になれる確率が低い。青白くてひょろひょろで100メートル走ると倒れようなタイプは、ジムに通って体鍛えてムキムキになるともっと成績が上がるわけです。わたしが最近仕事の効率が上がったのはそれか!!

で、本日は

なぜ肥満の中学生女子は成績が悪い傾向なのか

を統計的に解明したいと思います。

特に母親の肥満は子供に大きく影響する

肥満は遺伝するのかということをググると、もう嫌になっちゃうほどアフィリエーターさんのサイトとか、Yahoo!知恵袋などの素人談義(ステマ含む)が出てきて大変です。その中でまともなものをやっと見つけました。
あくまで傾向値で、全員が全員じゃないので、「うちは太ってるけど違う」とかいう突っ込みは不要です。それと「わたしの周囲では」みたいな話も全くいりません。傾向値には関係ないです。

愛知教育大学の松井先生のレポート

愛知県下の1963名の小学校から中学までの児童を対象に行われた調査なので、数的にもばっちりです。

1 肥満型の父親を持つ場合、子供の肥満傾向は「通常」「やせ形」の子供より有意に高い

2 肥満型の母親を持つ場合も全く同様であった。

3 両親とも肥満型の場合、子供も肥満になる指数はもっとも高くなる(当たり前といえば当たり前)。

4 父親の肥満の影響は息子より娘に強く出る

5 母親の肥満の影響は息子にも娘にも両方出る。よって

父親の肥満より母親の肥満が子供に影響を与える

という傾向があるそうです。遺伝要素もあるが生活習慣も考えられるわけで、ファミレスで両親とも肥満で子供もみんな肥満の家族が全員で山盛りのポテトとか食べているシーンを見ると頷けます。つまり身も蓋もないですが、肥満の女子中学生は両親または片親が肥満の傾向が高いということになります。

肥満とお金の傾向値について

これについては厚生労働省のデータを何回か引用しました。

2015年
低所得者ほどデブで喫煙者で歯がないという、血も涙もない厚生労働省調査を深掘り

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男性の場合、肥満の人の比率と世帯所得の関係は
200万円未満 38.8% 200〜600未満 27.7% 600万円以上 25.6%

女性の場合
200万円未満 26.9% 200〜600未満 20.4% 600万円以上 22.3%

グラフにするとこんな感じ
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と、男女ともに低所得者層に肥満の人が多いことを示しています。つまり相関関係で言うならば、肥満の女子中学生は貧困の家庭に育っているという傾向値があるはずです。特に女児は男児より両親から肥満傾向を受け継ぎやすいので、男児より貧困の傾向値が明らかに出るわけです。

さらに
厚生労働省調査による、貧乏から抜け出す7つの方法
では調査年度が平成22年度の時は
2
男性の肥満より、女性の肥満は大きく貧富に差が出るとなっていました。

家庭が貧困である場合、貧困と学歴には明確な関連性があるため
◎家庭に教育に対する関心が薄い(両親が低学歴)
◎塾などの教育費がかけてもらえない

という結果に落ち着いてしまうわけです。そもそも上の松井先生の調査自体が「高齢化社会を考えて生活成人病である肥満をなくさないといけない」ということから調査しているわけですが、考えていくと「勉強ができない」「肥満」「貧困」の3つの要素に強い関連性があるということになり、

→ そもそも低所得者層にどのように生活習慣を改めさせるか

みたいな重い話になっちゃうわけです。重い、重すぎる・・・この話題。あまり重すぎてどうしていいかわからないので、本日はここで終了します、よろ。

検索したらあまりにズバリの本が出てきてびっくりやわ

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