返還型奨学金(学資ローン)の滞納率の高い大学の偏差値を調べてみた。

2017年4月21日

わたくし、常々、「先進国で返還不要の奨学金がないのは日本だけ」と書いています。コレが無いから大学進学率の突出して高い東京では、少子化も突出する。2人も3人も大学に行かせたら親が老後に餓死してしまう。ちなみに安倍さんが頑張って新制度の給付型を設置しました。が、生活保護世帯や児童養護施設の優秀な子に限り、しかも月たったの2万円だ・・・・2万でどないせいっちゅうねん!!

大学まで学費のかからない北欧では少子化を脱しているし、日本でも大学進学率が突出して高い東京の少子化も突出しており、大学進学率が低い沖縄や鹿児島では出生率も高いのです。大学進学率と少子化は密接に関係していることがわかる。

日本(特に東京)とドイツは保育園が足りず、しかたなく専業主婦率が高く、夫1人の収入では複数の子供を大学にいかせるお金がないので両国とも少子化にあえいでいる。専業主婦率が上がると出生率が上がるというのは昔の話で、現代では全くの間違いです。大学進学率の上がった現在では奥さんも働いて学費を稼がないとならないのです。大学進学率の低い沖縄では、東京と並んで保育園が足りないのだが、出生率は高いことがそれを証明しています。出生率を上げるためには保育園はもちろんだが、大学進学のコストを下げることが最重要なわけでございます。

しかしこの話には「本来、大学に行く頭もなければ勉強する気もない子まで税金で大学に行くべきなのか」という問題が出てきます。特にこれから人口が減り、どんどん税収がなくなっていき、もう数〜10年後には団塊世代が後期高齢者になって社会保障コストが爆発的に増えるので相当に辛い時代がやってくる。そんな中で「4年遊ぶためにFラン大学へ」という馬鹿まで税金でまかなう必要があるのか。

で、世界で一番国民が幸せを感じている国フィンランドでは、大学まで学費無料でしかも留学生も無料。出生率は1.8人と日本(1.4)を大きくしのぐ。が、大学進学率は30%で残りは職業訓練校です。つまり「頭が良くて勉強出来る子は大学へ」「そうで無い子は手に職付けさせる」というシステムが上手く機能しているわけです。つまり大学に行けるのはある意味エリートなわけで、Fラン大とかなさげ。

なので日本でも学費無償にするなら、一定基準の大学の一定基準の成績の子だけ返済不要にすべきだと思います。アメリカみたいに成績が下がったらそこで打ち止め → 退学もやむなしです。アメリカの大学はスポーツで進学しても成績が下がると奨学金が打ち切られるので、コーチはすごく気にしていて、厳しく監視するそうな。たぶんこの仕組みでFラン大の多くは経営破綻するだろうが、仕方ないでしょ。

日本では逆に、どんな大学でもどんな成績でも奨学金という名の学資ローンが借りられます。成績によって金利が違うだけ。しかし日本学生支援機構(旧育英会)では貸し付けの延滞が1000億近くになっているという・・・・。これだけ踏み倒しや延滞があれば、存続に関わるよね。それに元本は税金ですよ。Fラン大学に行くのに税金で貸し付けて踏み倒されてるわけ。きちんと返済してる人から見たら、完全に不公平です。

自分が以前書いたエントリーです。

奨学金滞納者はどうして生まれるかを推測してみた

コレ見たら驚くのですが、高校の成績が平均3.5以上で優秀になるらしい。で、この場合は無利子。
金利付ならもっと甘くて、「学修に意欲がある」と申告だけで借りられてしまうのです。しかし当然ながら

1 勉強できない子が金借りてFラン大に行く

2 就職しても高給与にはならない

3 学資ローンを払えないで困窮

という負のトライアングルが待ち構えていることは容易に想像できる。こちらの記事にも「本人の職業を見ると、

本人の職業を見ると、「常勤社員」は無延滞者67.9%・延滞者36.2%、「非常勤社員」が無延滞者7.4%・延滞者14.7%、「派遣社員」が無延滞者2.9%・延滞者6.6%などとなっています。また「本人の年収」を見ると、無延滞者は「200万~300万円未満」が25.6%と最も多いのに対して、延滞者は「100万~200万円未満」が24.0%と最も多く、延滞者の58.4%が年収200万円未満となっています。

とあり、返したくても金が無くて返せなくなってるわけ。

橘玲さんの

にズバッと書いてあるが、悲しいかな「貧富の差は知性の差」なのである。
いい大学を出ているほうが、そうでない場合に比べて収入高くなる確率は当たり前。DODAに大学別平均年収が出ていて震撼するが・・・
東大がコレ

人気のMARCHの一角である法政大学でも

だから、全ての年代で東大のほうが高い。

ではFランはどうなのよというと、卒業生がいたら失礼なので大学名は隠すと

こんな感じのがぽろぽろありました。平均年収が40代で300万だから、奨学金借りても返せそうにないですよね・・・
大学行かずに一流の寿司職人とかパテシィエとか大工になったほうが絶対生涯賃金高いと思います。高所鳶とかオススメ。

延滞率が高い大学の一覧から偏差値を調べてみる

で、東洋経済にこんな記事が・・・・

独自集計!全大学「奨学金延滞率」ランキング最も厳しい大学の延滞率は13.9%にも及ぶ

ここからワースト20の大学の偏差値を調べてみました。といってもいろんなのがありますのでベネッセのを使用。ベネッセのはたしか一番甘い奴です。

1 至誠館大学 41〜42
Wikipediaに生徒が集まらないので中国人留学生を誘致したら留学生の失踪や不法就労、旅券偽造、万引きなどの逮捕者が相次ぎとありましてですね・・・・・
2 芦屋大学 38〜40
3 日本映画大学 45
4 鈴鹿大学 41〜42
5 プール学院大学 短期大学しか記載なし
6 福岡国際大学 41〜45
7 清和大学 39~43
8 サイバー大学 記載なし これたしかSoftBankがやってるヤツ・・・入試あるのかな
8 東京女学館大学 募集停止により記載なし
8 九州情報大学 41〜43
11 苫小牧駒澤大学 43〜45
12 宝塚医療大学 記載なし 2010年創立の柔道整復学科, 鍼灸学科みたいな大学
13 日本薬科大学 47〜51
14 埼玉学園大学 40〜51
15 沖縄大学 41〜45
15 札幌国際大学 41〜47

であった・・・・・・。資産家2代目とかでない限りあまり高収入の職種には就けそうにない・・
ちなみに卒業生の多い大学二校
日本大 47~67(医)
東海大 44~65(医)

MARCHはこんな感じ・・・・
明治 58〜72
青学 56〜71
立教 60〜72
中央 58〜74
法政 55〜72

ハァハァ・・・・
やはり奨学金の返済の滞納と偏差値には一定の相互関係があるようです。薬科大などは学費が高い割に就職してからの収入がたいしたことないから、返済するのも大変でしょう。

戦後の日本は変な感じの平等主義が一般化され、「友達が大学行くなら自分も」みたいな思考が蔓延し、社会に出ることやお金になるけど修行が辛い職業を避ける風潮が続いてきた。その結果、お金まで借りて将来の収入見通しが厳しい大学で4年間潰し、結果、借りた奨学金も返せずに貧困に落ちるという事象が出てきたわけです。

成績優秀で勉強する子は、国費で!!

そうでない場合は無理に借金をさせない

ということが大事なのではないか。そうするといわゆるFラン大学の多くは経営が成り立たなくなるし、路頭に迷う教職員も出るだろうが、それはそれで仕方ないのではないか。借金型の奨学金も無尽蔵にあるわけじゃない。滞納がこれ以上多くなれば本当に借りたい子が借りられなくなる。加えて無利子のタイプだけにして、成績関係ないから利息だけ払えば貸すよ、みたいなのは将来貧民窟に借金背負わせて落とすみたいなものだから、止めた方がいいんじゃないかと思うんですよ。

橘さんのコレも面白いです。

  • 0
    このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
    follow us in feedly
PAGE TOP