なんで日本企業がダメになったのか、プレジデントで三菱自動車CEOのインタビューを読んで明確になった

2018年8月10日

プレジデントといえば喫煙賛歌の頭がおかしい飯島 勲というお爺さんの連載を続け、ほかにも喫煙飲食店万歳の記事などどうにも昭和の経済誌なわけですが、ここにきて凄いのをぶっ込んで来ました。

三菱自動車CEO「若い社員への”違和感”」中間管理職の役割が極めて重要

インタビューに答えた益子氏は、1949年、東京都生まれだから69歳。早稲田大学政治経済学部卒。72年三菱商事入社。主に自動車部門に携わり、執行役員・自動車事業本部長を経て、2004年6月三菱自動車に移り、常務。05年に取締役社長。17年から現職とあります。

このインタビューを読んでSNS界隈か激震!!
代表的な感想が

今どき、この人なにいってんの!!!!

で、ございました。
三菱自動車といえばかつて

この小説のモデルとなった、車両欠陥から死亡事故を隠蔽して倒産寸前になり、昨今でも2016年に軽自動車の型式認証を取得時に国土交通省へ提出した燃費試験使用データについて、実際より5~10%良く見せるため虚偽のデータを提出していたと発表して激震。この方はそのあとで社長に就任された方ですね。
今年の決算では向上していますが・・・


このときにがっつりと落ちているのでそんな風に見えるのかなと。

わたくしずっと昔、リクルートのカーセンサーというところで編集をしていた時代があり、ほぼ全ての自動車メーカーの広報には行ったことがあるのですが、当時でも三菱の広報や宣伝担当が昔の事務員のような腕に黒い腕抜きをしていて便所サンダルみたいなのはお履きになっていてぶっ飛んだことがある。

↑腕抜き
ホンダはインカムつけた受付の女の子が小洒落た会議室に次々誘導するのに、三菱は書類が積み上がった汚いビルの中でそのギャップに驚いた記憶があります。まさかいまはそんなではないと思うが、当時はそんな感じで突出していました。

それではこのインタビュー。ぶっ飛んだ点についてよくよく見ていきましょう

顔を見ないとコミュニケーションが取れない

やはり大事なのは、メールばかりで連絡や決裁をするのではなく、直接お互いの顔を見ながらコミュニケーションをするということです。当社は年内に今の本社から新しいビルに引っ越す予定ですが、オフィス内での風通しをよくするために、上下階の移動にはエレベーターではなく階段を利用するような造りにしたり、休憩時間に社員が集まるカフェテリアも設けたりする予定です。これらの案は、若手の社員たちが、プロジェクトチームを編成して提案したものです。

若手の社員たちが階段にしたりカフェテリア設けたりしたのは「顔を見ないとコミュニケーションが取れない」からではないと思う。
もちろん本音を書くと稟議に通らないからそのようにしたのかもしれないが、エレベーターはオールドスクールの企業では「役員専用」というのがあったり、役員や上司と乗り合うと気を遣って気まずかったりするからだと思うし、カフェテリアなんぞいまどきどこの企業にでもある。むしろ無かったのかと驚いた。

平成30年版情報通信白書による、日本はどうして他国より労働効率が悪いのかの図


このエントリーにも書いたけど、世界的には効率とスピードを重視するためにビジネスICTツールをフル活用している。

顔を合わせてコミュニケーションをとるために会議ばかり開いていたのでは効率が悪すぎる。会議を中心に全員がスケジュールを組まないといけない。さらには会議ではまったく発言せずにメモだけ取っていても仕事をしているように見えるが、ビジネスICTツールでは発言しないことが可視化されるため、真剣に参加しているかが一目で分かる。会議は仕事できない人の隠れ蓑には最適なのです。ボクシング協会の理事とかもたぶん全く発言してなさそう。w

この三菱自動車の社長さんが大事な事の一番始めに「顔を見合わすこと」というのを持ってくる所を見ると、おそらく会議が繁昌にあって、働き方改革もなさげなイメージが沸々とするのです。

たしかに、メールにはいい面があります。相手との面倒なアポイントの調整がいらないので、時間の有効活用ができます。また、相手の顔色や表情を見ないほうが、言いたいことをストレートに伝えられるという面もあります。ただ、一方通行なので、メールの表現によっては人を傷つけていることがあってもわからないし、人間関係が希薄化することにもなりかねません。私たちの世代では隣の席の人にメールを送ることは考えられませんが、ITに溶け込んでいける若い人たちは、メールによって職場が殺風景で機械的になっていることに、危機感を感じていないようです。

これもなんだか相当にピントが外れている。

メールより顔と顔をつきあわせて仕事したほうがいいと仰ってますが、それでは言った言わないとなってなにも証拠が残らない。忖度の世界になってしまうのです。ビジネスICTツールはきちんと履歴を残すために、そして勘違いなどをしないで進行できるためのものです。トップがそれを理解してないのかな。昭和の会社では上司があとににって「おれ、そんなこと言ってないから」と手のひら返すことがよくあって、それが信頼崩壊につながったでしょ。自分だってその経験がありますよ。

一応、フォローはしていらっしゃるが・・・

IT化によって仕事のやり方を変えることを躊躇したり、恐れたりする必要はありませんが、変えてはいけないもの、あるいは変えながらも残していく大切なものは必ずあるはずです。人間の目や力で正しく判断し処理しなければいけない部分は、守っていかなければなりません。

これも将来はAIに任せたほうがいいと思うんだなぁ。人間がやるから忖度や隠蔽が発生していままで何度も三菱自動車はヤバいことになったんでしょう?

風通しが悪いほうがいいの??

一番ぶっ飛ぶのがこちら。

最近の若い社員の中には、直属の上司が話にならないと思うと、いきなり飛び越してその上の部長や担当役員にまで直談判しにやってくる人がいます。それでは秩序が乱れてよくありません。上司のレベルを上げることがいかに大事かということにもなります。

三菱自動車、終わった・・・
と感じたのは自分だけでしょうか。


自分もリクルート時代に上司を飛ばすのはやりました。

飛び越えて話をしてはいけない環境だと

クソ上司に当たるとそこで詰み

になります。上司だって人間だから保守的で上の言うことに100%従うべきというタイプもよくいるわけで、こんなのにあたってもその上に直接談判できない組織はもう終わってると思うのです。一部銀行だっていきなり頭取決裁の仕組みを導入しているというのに、こんな会社はオススメ出来ないと思いました。過去に欠陥を隠蔽したり、データを改竄したことに全く学んでいない。仮に上司が改竄していても部下はなにもできないことになります。

また、下から上に順に上がっていく方式では、途中に仕事ができない管理職がいると詰みになる以外にも、判断、決裁の速度が遅すぎて、スピーディに動けないわけです。だからいけてる系ではこういう組織をやめてフラットにしたりしてるわけね。

いくら名前が通っていても新卒は三菱自動車に行くもんじゃないなと思った記事でした・・・・。
日本の大企業でこんなこと言ってるところがまだたくさんあるから、競争力が失われているんだと思うんだけど。

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