拝啓カシオ様。こんなG-SHOCKが欲しいです

2014年6月16日

ブランドにはあまり興味が無いので、ローレックスとかはたぶん一生しないわたくしでございます。時計もG-SHOCKしか最近は買わなくなりました。それの理由をつらつらと挙げますと・・

サーフィンというものをしておりますと、上げ潮とか下げ潮を教える「タイドグラフ」が非常に重要になります。一般的には潮の上げで波が上がることが多いのですが、満潮時と干潮時の時間帯といまどれくらいなのかを知ることで「もうすぐ良くなる」「これは終わったな」とかわかるわけです。ポイントによって上げがよかったり下げが良かったり、満潮時が良かったり干潮時がよかったりとバラバラです。それを見極めると当たるわけです。海釣りも同じなんですけどね。
このタイドグラフにも2種類ありまして、使用する場所の月潮間隔(高潮間隔)を入力して計算するタイプと、世界の主要なポイントのデータが10年分くらい、あらかじめインプットされているものがあります。前者は誤差が大きく、特に1日の間で満潮が1回しかないようなときはめちゃくちゃになります。安いタイプに多いです。

この世界各国でのデータが入っているスポーツウォッチは各メーカーが出してます。たぶん同じムーブメントだと思うのですが、Nixonや、NIKE(いまは知らない)、そしてシーシェパードのスポンサーって知らなかった頃にクイックシルバーなど・・。しかしG-SHOCKには決定的な機能があるモデルがあるのです。それは・・

タフソーラー!!!

ソーラーがない普通の電池の時計は、だいたい2年以内で電池が切れます。サーファーって朝早く起きるので、時計のバックライトを頻繁に使用するというのも原因のひとつでしょう。ところが電池交換に出すと、そのあとで使うと高い確率で水没するんです。NIKEもNixonもダメでした。おそらく工場での防水処理と、電池交換の時では防水処理が違うんではないかと。カシオの「タフソーラー」モデルだと、太陽光線でチャージするんで10年以上はもつということです。エコです!!

机の中はこうした電池切れの時計の墓場になってます。大半は捨ててたけど、今見たら残ってたのがこちら

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さらにカシオのは洋物に比べてデザインがイマイチ(すまん!)なのであるが、とにかく壊れない。G-SHOCKの売り物である「電波時計」は、そもそもなくてもほとんどいまのは狂わないのであればいい程度だが、コンピュータ式タイドグラフ、タフソーラー、はサーフィン用には絶対に外せない機能なのです。

ところが、G-SHOCKをいろいろと10本ほど買っていくうちに、失礼ながらマーケティング視点がイマイチ足りないといわざるを得ないのでは無いか・・・という気がしてきました。カシオの技術レベルは高いのに・・・。
そこでわたくしの欲しい物を作ってもらうために、この際、ブログでアピールすることにしました。いつかカシオさんから仕事の依頼が来たら延々と力説しようと思ったけど、その前に老衰で死にそうなので仕方なく。他の国内時計メーカーさんにはずっと昔にブレストに呼んでいただいたことがあります。

ちなみにメインで現在稼働中の自分のG-shockはこちら。他にも7〜8個は買ったけどフル稼働はこの方々です。

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すいません。左の2個はやっすーいPRO TREKです。バンドがゴムとチタンの違いの同モデル。この3モデルもけっして満足しているわけではなく、求めている機能がこのふたつにしかないから使ってるだけです。
一番稼働しているのはこちら。GW-400TCJという2005年のモデル。9年も前のでプレミアムが付いてます。ハワイの「トリプルクラウン」というサーフィン大会のシグネチャー

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これがカッコいいと思って使ってるわけでは無い。前述のようにこれにしかない「ある機能」が付いてるから使っているのである。ごつすぎて、はっきりいってかっこ悪い。こんなのしてサーフィンしている人、ほとんど見たことがない。サーファーが付けてるんじゃ無くてコレクターが集めているだけのような気がする。

たとえば、最新の

にもその機能は付いてない。

このGlove限定モデルも持ってるのだが、使って無い・・・
ちなみにサーフィンするにはこういう平べったいタイプのほうが絶対いい。ごついのは物凄い邪魔だしボードにぶつけたりもする。

話は長くなったが・・・それなのにどうして古いごついのを使っているのかというと・・・・・

水温計が付いてるからだっ!!!

年中常夏のハワイやバリならともかく、日本や米国やオーストラリアでは水温計はあったら必ず使う。自分はいつも水温計の表示にして、本日の水温をチェックする。ウエットスーツの選定をミスらないためだ。特に冬場はチェックして、その日は失敗しても(着替えに上がったりはしない www)、最近水温が下がってきたな、とか、そろそろ薄いのでも平気かなという判断をするわけ。

つまり、サーファーモデルには

●タイドグラフ
●タフソーラー
●水温計

が必須だと思うんですよ。釣りも同じだね。

この3つが揃っているのが私が持ってる安物のだっさーいPRO TREKと、9年も前のG-SHOCKだけなんです。これはどうしたことだ。しかもサーフィン用というモデルがどんどん分厚くごつくなっている。邪魔度を増加させてどうするんだ。特にウエットスーツが分厚い冬は邪魔になる。もっと薄いユニットで機能性をアピールしてくださいよ。

しかし、しぶしぶ使っているこの2モデルにも致命的な欠陥がある。それはサーファーの世界的な殿堂「バリ」のタイドデータが入ってないことだ。それどころかなんかへんな場所ばかりが入っている。南の島では特にタイドグラフが大事なのにそれが使えない。しょうが無いのでバリに行くときはまた別のモデルを使ってます。温度計がないやつね。もうこれはどうしようもない。ゴルフじゃあるまいし、行く場所によっていろいろなモデルのG-SHOCKを使い分けるという、訳のわからないことになってます。

おそらく腕時計をしなくなった人が多くなった今。昔のように趣味で時計を集めるコレクターも減っていると思う。いままでは「サーファー用」ということで発売すれば、実際に買っているのはコレクターだったのかもしれない。が、少なくともサーファーは「時計をしなくては困る」人たちなわけ。ここに本当にアピールすれば、マーケットはもっと拡大するはずだ・

趣味用品を大メーカーが開発することの難しさ


前にも書いたんだけど、ずっと昔に日本を代表する家電メーカーさんの開発社員大勢を引き連れ、アウトドア用に開発されたビデオの周辺機器を実際に水中で使うという泊まりがけの大テストを開催したことがあります。
開発の方達は、有名大学の大学院とかを卒業された、本当に優秀な方ばかり。しかし実際に水中とかアウトドアで使ったことがある人が全然いない。設計室で徹夜でCADデータと戦っているわけで、試作品を持ち込んだら次々に不良部分が明らかになりました。こうした遊び物を設計するのは、遊びに夢中になっていて、しかも「物欲マンマン」の人でないと難しいわけです。

よくあるパターンが「契約しているそのスポーツのプロに相談する」というやつ。しかしスポーツのプロはスポーツが天才的に巧いだけであって物欲とか商品開発のプロではない。ゴルフクラブとか野球用品とかサッカーはプロはその道具によってお金を稼ぐわけで、フィードバックも使い心地についてはめちゃシビアだと思うが・・・時計は正直いって、着けても巧くならないしな・・。www

さて・・ウェラブルカメラ、GoProが上場に向けて大規模な増資を行います。カメラもビデオカメラもスマホに押されてめちゃくちゃ苦しい業界なのだが、GoProだけが調子いい。それはなぜかというと・・・

ウェアラブル・キャプチャ・デバイス、GoPro(ゴープロ)のIPOロードショウがキックオフされた

GoProはごく初期の頃から3台買い、最初の2台は水没しました。しかしその後の開発が凄い。いまは凄い性能です。あれよあれよと販売台数を伸ばし、ソニーやビクターが追随しても全く寄せ付けない。創立者であるニック・ウッドマンは、自らがサーファーで、自分が欲しかったデバイスを作った。それだけなのです。

【世界で愛されるGoProの創設者、ニック・ウッドマン】

GoProを創設したニック・ウッドマンは、趣味のサーフィンで迫力ある写真を高画質で撮影できるカメラを求めていました。当時のカメラは、プロのような迫力ある写真が撮れず、また高画質で撮影できるカメラも高価で、買える価格ではなかったのです。彼のプロフェッショナルなアングルで撮影できるカメラシステムへの欲求は、現在の「GoPro」の名前に影響を与えました。VWバンでビーズとシェルベルトを売って資金を集めていた彼は、カメラにつけるファッショナブルなストラップを販売することを思いつきます。当時のほとんどのストラップは、簡単に壊れてしまうゴム製のリストストラップでした。

こういう趣味的な製品は、それが本当に欲しくて、お金を出して買いたい!!と思う人で無いと、本当にいいものが作れない。真面目で勉強ができるだけでは限界があります。

頭のところはいま大人気のドローンに装着して撮ってますね。YouTube使ったプロモーションも非常に巧い。実は去年、ビクターの同様なデバイス買ったのですが、突起が多くて体に当たると痛いし、とにかく使いづらい。GoProにぶっちゃけ全く対抗できる感じがしないのです。GoProが素晴らしいのは、「こういう物が欲しい」と思った人が作ってるからですよ!!

日本の家電メーカーや時計など、スポーツターゲットの機械的な製品がこのあたりに弱いのは、たぶん本当に真面目な人たちが頑張って作っているからではないかと思う次第です。カシオさんがダメならシチズンさんでもセイコーさんでもよいので、世界中のサーファーと釣り人に売れる時計を作るための、物欲魔神のアドバイスを取り入れて下さいませ〜日本のメーカーさんはみんな、ソーラーユニット持ってるでしょ。

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