LINEのアクティブ率30%とかのデータの丸呑みについて

2014年10月10日

昨日、LINEの大きな発表があり、決済とかそのあたりがいろいろリリースされるだろうというのがありましたが、おそらくみなさんが「あ・・れ・・?」と思ったのがこれじゃない?

ユーザー数は直近では5億6000万人に達した一方で、今回、アクティブユーザーは1億7105万人と発表された。比率で言うとぴったり30%だ。これにたいして「こんなに低いわけがない」という声も上がっていますな。

統計データとして数字を挙げるとき、解釈の仕方でどうにでもなるという例が世の中にはけっこうある。特に役所のリリースは変化がないよう(逆に大きく変化したというときもだが)に見せたい時はグラフの単位を工夫したり、横幅を長く取ったりしてよく数字を読まない人が「凄い」と思うような加工をする。統計の数字を読むときにはここをチェックしつつ見ないといけない。んで、あくまで想像であるが、LINEはどうしてアクティブ率が30%なのかを推測してみた。

まず思い立ったのは中国です。中国は7月からLINEを遮断しています。遮断されたら使えないからアクティブになれるわけがない。VPN接続でも使えないらしいので徹底して遮断しているわけだが、中国のLINEのダウンロード数は明らかにされていないが、競合のWeChatが4億人らしい。WeChat入れてるのにLINE入れるわけが無いというのは短絡的で、自分はLINEもFacebookメッセンジャーもHangoutsも入れてる。仮に中国人1億人がダウンロードしていてその1億人が遮断されているとすると母数がめちゃ変わってしまう。この場合、中国人を除くとアクティブ率は37%と跳ね上がる。LINEは中国の遮断については「引き続き解決するように努力する」という感じのコメントだったので市場を捨ててないと思う。

ですのでLINEのアクティブ率については、中国のユーザー数を公表してくれない以上、なんとも言えないわけです。LINEが中国市場を捨てると判断したらユーザー数から中国人を削るでしょうからそれもありなんですが・・。

何でも科学、医学にもこの数字のトリックが

テレビというのはかなり適当で、取材の裏付けを取らない。特にバラエティではそれが顕著で、武田邦彦センセイのようなキテレツなかたが、自分の本を売るためにスーパー適当なことをしゃべりまくって低リテラシーの人を洗脳しても、バラエティだからということで済ませる。

たとえば最近ベストセラーの医学本を出している某先生であるが、「長野の泰阜村で「がん検診」をやめたら20年後に胃がんの死亡率が激減した」ということをテレビでつらつら言ってるようです。リテラシーの低いおっさんとかはこの放送見たら「それみたことか。だからオレはバリウム飲んだり胃カメラなんて意味ないと言ってるんだ」と検診を拒否したりするでしょう。ですが泰阜村の村長さんがブログでしっかりと書いていました。

胃がんがなぜ増えないか。この立役者は、保健師のがんばりでもなく検診技術が進んだわけでもない。冷蔵庫の普及にほかならない。特に、海なし県の長野では、冷蔵庫のおかげで塩分摂取量が減り、胃がんばかりでなく脳卒中にも貢献している。戦後、感染症対策もやって、それなりの効果はあったが、効果の大きな要因は、豊かになって栄養や環境が改善されたことと同じようなものであろう。

つまりがん検診をなくしたことと、胃がんが減ったことはなんの相関関係も無い。村長の言うことが正しいことの理由にこの統計データが上げられる。

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参考
数字で考えるとわかりやすい、近藤誠氏の「がんもどき本」は間違いだらけ!!追記あり

そもそも日本全体で1975年〜2000年の間に胃がんの死亡率は半減しているのです。学生自体に噴火のあった御嶽山の民宿に泊まったことがあるが、おじいちゃんおばあちゃんがやってるその民宿では冷蔵庫がなかったです。
本当かなと思ったら調べてみよう

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冷蔵庫は1965年までは50%の家庭には存在しなかった。1970年になって90%の家庭に普及したが、胃がんは長期間に渡って塩分を摂りすぎていると発生の因子が高まる。冷蔵庫が普及したら即、塩辛い物を食べなくなるわけではないので、1975年頃からの冷蔵庫の普及に伴い、徐々に食生活が変化し、結果として胃がんが減少したと考えるのが正しいでしょう。
ちなみに脳卒中などの脳内出血もかなり減少しています。

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最近では脳梗塞も脳出血も横ばい状態にあります。 脳出血による死亡が激減したのは、この当時に大規模な疫学的な調査が行われ、高血圧が脳出血による死亡の最大の原因であることがわかったためです。 塩分のとり過ぎによる高血圧と、低たんぱく食による血管壁のもろさが関係していたようです。 食事の減塩とたんぱく質の量の増加、および高血圧の降圧薬治療によって脳出血死亡は激減したのです。しかし、その後、好景気とともに食生活が豊かになり、飽食の時代となった結果、現在のように糖尿病や高脂血症が著しく増加し、血管の壁に脂肪がたまって血管が詰まる脳梗塞、いわゆるアテローム血栓性脳梗塞というものが増加してきました。

出典はこちら

こんな感じで、なにかの統計値を見るときは、単純にその数字を受け止めるだけではなく、「この統計にはどういう意味が隠れているのかな」と考える癖を付けると洗脳されずに済むと思います。特に「福島で甲状腺がんが増えた。これは低線量被曝の影響だ」とキーキーいってらっしゃる放射脳の方にはこの記事を捧げたいと思います。

中川恵一・東京大学准教授に聞く 低線量被ばくの誤解と真実・2-福島で甲状腺がんは増えたか?

韓国では今、甲状腺がんが増え、がんの第1位です。理由は、検診数の多さです。日本ではがん検診の受診率の少なさが問題ですが、韓国では6割の人が検診しています。そして女性の乳がん検診の際に、医師がついでに同じ検査機を使って甲状腺がんも見るようになったのです。すると「発見」が急増しました。韓国の発見割合は10万人に81人、世界平均の10倍という統計もあります。女性にがんへの不安が広がり、手術が増えました。今、韓国では検査のしすぎが社会問題になっています。そもそも、甲状腺がんは大人にかなりの確率で存在しますが、進行が非常に遅いことが特徴です。命にかかわらなければ手術のリスクを考え、切除しなくてもいい場合がほとんどです。

発見される甲状腺がんが増えた。→ 大変だ、放射能の影響だ!と短絡的に考えるのでは無く、発見される確率が高くなったというだけということが分からないというか、分かろうとしない人になにを言っても無駄かもしれませんが・・

好評の「それにつけても」シリーズ。最近このオーガニックのバルサミコ酢にはまっていてこればっかかけてます。とくに美味いのは冷や奴、鶏の胸肉ソテー、野菜のソテー。餃子。そして刺身。1ヶ月に2本消費してます。マジ

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