予言!!総務省のSIMフリー化強制によって日本のiPhone率は大幅に低下する(はず)

2014年7月3日

2日前に書いたこのエントリー

初心者にもわかる、SIMロック解除義務化で何が変わるのか

実はオーサーやってるNewsPicks見ていたら、「これでバラ色」「素晴らしい」みたい論調が多く、「違うでしょ」と思って書いたエントリーなのでした。

自分だけがそう言ってるのかと思ったら、そうじゃなかった。

総務省が語る「SIMフリー=バラ色」は未知数(石川温氏寄稿)

石川さんっていうのはスマホ・ケータイ専門のジャーナリスト。自分よりよほど詳しいわけですが、書いていらっしゃる内容はほとんど同じだったので安心した。

海外では、高価な端末は分割で購入し、割引も受けられない。欧州では「iPhone5sは高いから」という理由で、型落ちのiPhone4sのほうが売れていたりする。一方で日本はSIMロックがあることで、毎月割引が適用され、場合によっては実質ゼロ円で、最新でハイスペックの人気機種が買えているということも忘れてはならない。世界的に見て、高価なiPhoneが、これだけ普及している日本はむしろ“恵まれた環境”だと思わなくてはいけないはずだ。

そのとおり。SIMロックして囲い込んでいるから、携帯キャリアは高価なiPhoneの価格を「負担金」として代わりに支払ってくれている。まあその分が他の利用者のコストに上乗せされているわけではあるが・・・。だからこそ日本ではめちゃくちゃ高価なiPhoneの利用率が世界一高いとも言える。(その代わり回線料は世界有数なほど高い 小声)

日本のiPhoneのシェアは70%で世界で突出して高い。図はここからお借りしました。

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AppleストアでiPhone5sの64GBを買えば、94824円(税込)。これがdocomoでMNPなら20736円で買える。差額の74088円(docomoは定価が違うのでAppleストアとの差額)はdocomoが負担しているわけです。中には実質0円という販売店もある。これは販売報奨金から販売店が差額を出してるわけで・・・。94824円もするiPhoneが2万円で買えるからみんなiPhoneなわけで、もろに94824円になったらそれでもみなさん新しいのを買うのかな?月払いにしても月4000円ですよ。

SIMフリー化が強制されるとどうなるか


石川氏も書かれているが

総務省としては、SIMロック解除を義務化し、競争が促進されたアメリカを目指しているのかも知れない。確かにアメリカでは競争環境が起き、ユーザーが流動化し、業界第4位のT-Mobile USに勢いが出てきた。T-Mobile USは端末補助金を廃止し、分割払いにシフトした。端末補助金がなくなったことで、基本料金は安くなったが、その分、端末の分割払いの金額は上がっている。実際、GALAXY S5の場合、27ドル50セントの24回払いとなり、総額は660ドルだ。3GBで話し放題のプランが月額60ドルなので、結局は毎月100ドル弱払う計算となり、あまり日本と変わらない設定となる。日本でSIMロックを解除すると、今後、キャリアは端末補助金をなくしていくだろうし、むしろ、ユーザーの負担は上がる可能性がある。

ということで自分と全く同意見でした。2年縛りが終わった機種のSIMロック解除を義務づけるならともかく、最初からSIMロックフリーにしろということなら、携帯キャリアはがんじがらめの契約をするか、それが「消費者の利益を損ねる」ということで規制されれば、端末補助金をなくすしか無い。

全機種SIMフリー義務づけ → キャリアの縛りがさらにきつく → それはダメ → じゃあ端末補助金はなし

という流れになるのではないかということですね。

iPhoneは突出して価格が高いが、Androidも同じで高価格な機種のシェアは落ちるでしょう。もっともAndroidはAppleのように価格統制がされていないので、半年も経つと世界的な価格はどんどん下落する。自分のXperia Z Ultraだって、SIMフリーのグローバル版はいまじゃこんな価格ですよ。iPhoneの半額以下です。

ただし、囲い込みを諦めて、端末補助金がなくなれば毎月の回線使用料は値下げされるでしょう。そうしないとキャリア間の競争に勝てない。いまみたいに3社とも同じのわけにはいかず、値下げ競争だ。となると、お金に困ってない人を除いた一般の人は

古いiPhone使い続けるか、安いAndroidを買うか

という選択になり、欧米やアジア各国と同じになる。ちなみに日本だと旧型iPhoneは、たとえSIMフリーでもヤフオクでは二束三文だが、インドネシアだとSIMフリーの古いiPhone4が3万円以上するそうです。iPhoneの新品は高くて買えないから中古の価格が高値安定というわけ。アメリカで同じで、中古のiPhoneは日本より相当に高いですよ。eBayだと2年落ちのiPhone5でもこんな感じです。



2016年にはiPhoneのシェアはがた落ちして、Androidの天下に


日本で2015年にSIMフリー化が強制になりますと、高い新品iPhoneを買える人はごくわずかになり、他の国のように20%以下までシェアを落とします。新型iPhoneは高くて買えない。では古いままで使うのかというとバッテリーは持たなくなるし、Androidもどんどん良くなるしでAndroidのシェアが増し、特に価格の安いモデルがシェアを取るようになるでしょう。とはいえ日本人は見栄っ張りな一面もあります。日本で韓国・中国ブランドのクルマが全く売れないことを見ても、安くてダサイ中華ブランドのスマホが飛ぶように売れるとは想像できません。ちょっと賢い日本メーカーは、何でもありの特盛りの高価機種ではなく、価格は安いけど機能的にはスッピンでそこそこいいのを投入してくると思うので、それが売れるようになるかと思います。ソニーで言うとXperiaのT3っていうやつ。日本では発売しないらしい。

これです
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まあ囲い込みしないならキャリアがAndroid機にアプリをデフォルトでドカ載せして、それでアップデートもままならないという事象もなくなるでしょうね。日本では毎年新型iPhoneが出る度に猫も杓子も買い換えていた狂想曲風景は遠い夢となり、代わりに世界でも突出して高いとまで言われる携帯の通信料は下がり、古いスマホ、安いスマホを使い続ける人にとっては朗報となるのかもしれません。日本ではどこでも見かける携帯ショップは軒並み倒産して、フランチャイズは破綻。これが総務省の狙っているところだとすると、それはそれでいいかもね、という今朝の私でした。

この予言がどうなるか3年後には分かると思います。コレ、単に予言なので「自分はそうならんと思う」というご意見大歓迎です。

※総務省のSIMフリー義務づけは、まだ詳細が決まったわけではなく、業界に押されて「2年縛りが終わったら希望に応じないといけない」程度になるやもしれず、不確定要素があると思いますので念のため。

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