莫大な資産を得るために起業したいという医学部生からの質問第2弾に答えてみた

2017年12月14日

昨日のメルマガとnote、
2017年第50号 12/13発行 永江一石の「何でも質問&回答」note版 莫大な資産を得るために起業したいという医学部生へ

で、質問をいただいた医学生の方に冷水を浴びせましたけど、ご本人から追加の質問を頂きました。本日は特別版としてこのメルマガを読んで再構築したいという質問をご本人から頂きましたので、再度回答したいと思います。ネタをありがとう。
もしかして↑読んでないと意味が分からないかもしれないが、そういう方は108円なんで読んでみてくださいyo。

12/13配信号「6 莫大な資産を得るために起業したいという医学部生へ」で質問させて頂いたものです。早速回答頂いてありがとうございます!ただ、僕の説明力の低さから誤解を招いてしまったようなので1から質問を再構築させてください。
前回の質問は「莫大な資産を得るために起業したいのだが学生のうちに何をすれば良いか?」で、回答は「金儲けのための企業は絶対成功しないのでやるなら社会を変える志を持つべき、そのニーズを知るためにアルバイトでもすると良い」という内容でした。これを前提にもう一度質問いたします。

まず、正確には「ある病気を治す研究に注ぎ込みたいので莫大な資産が欲しい、そのために起業したい」です。前半は私的な理由によるものですが結果として世界中の人々を救うことになります。何故自分で研究しないのか?と問われそうですが、僕は研究自体は嫌いなので目的の実現と自分の人生の幸福のバランスをとった結果が起業でした。このようなビジョンであっても(一次的な目的か金儲けであることに変わりはないので)問題点は変わらないでしょうか? そうであれば世界を変えるために世界を変えることになってしまいます笑
そして、「ニーズをしるためにアルバイトをすべき」という回答からの拡張ですが、分野横断的に社会を知るためにファーストキャリアでコンサルという選択肢はどう思いますか?人脈も培うことができ起業を有利にすると思うのですが。
以上が今回の質問です。興味を持って頂けたら是非もう一度回答をお願い致します!

なるほど。これなら意味が違いますね。

「ある病気を治す研究に注ぎ込みたいので莫大な資産が欲しい、そのために起業したい」というなら分かります。ならばこちらも真摯にお答えしようじゃないですか。最初は否定から入りますよ〜

莫大な個人的資産を創るのは・・・・

おそらく会社というものをよく知らないと思うのですが、まずあなたが起業して、宝くじにあたる確率でFacebookみたいな企業を立ち上げ、その会社が莫大な利益を上げて会社の資産価値が数千億円になったとします。あなたの希望は数百億、数千億だったのですが、50年かかっても仕方ない。いくらオーナー社長でも株式保有率は10〜21%とかそんなものです。社歴が50年以下で時価総額の会社というと
SoftBank 10,097,458,188,510
リクルート 4,662,194,122,470
ヤフー 2,933,782,011,500
楽天 1,575,002,053,800
みたいな感じですが、楽天もミッキー本人(奥さんと持ち株会社は除く)は12.3%ですから、1845億円。つまり個人資産を投じてその研究にブッコみたいのなら、楽天を立ち上げて20年、ミッキーみたいにゴリゴリと世間の罵声も気にせず突き進む必要があるわけです。自分はやりたくないよ・・

というか、20年経ったら医学の進歩であなたのやりたい研究なんてとっくに終わってる気がします・・・・・。

それはさておき、ミッキーがあなたと同じような崇高な意志で自分の持つ株式を全部売却して・・・・とあり得なそうなことを考えたとしても、すでにその会社では数千、数万の人が働いていて、株主もたくさんいます。代表者が突然引退して(株式売り払ったら議決権がなくなる)大量に株式を売却したら、市場は大混乱して株価は大暴落。しかも莫大な所得税と住民税がのし掛かります。
それを回避するには市場で株を売るのではなくて、第三者に売却するということになります。つまり会社を買ってもらうわけです。この場合は確か売却益に対して20%くらいのはず。

日本じゃないけど良い例がInstagramで

「社員13人、売上高ゼロ」でも買収額810億円、フェイスブックM&Aの真相

いまじゃInstagramの価値は2兆円以上と言われますので、ザッカーバーグはかなり良い買い物をしたわけです。
ただしこれはInstagramだからで、日本だと

サービス運営2カ月弱での大型イグジット、買取アプリ「CASH」運営のバンクをDMM.comが70億円で買収

が凄いと言われてます。でもこれは、このサービスを作った人たちが欲しくて買ったとDMMの亀山会長も言ってるので、お金もらって自分は別のことがしたいですとはいかないようです。そして株主で70億を分けたらあなたの求めている数百億、数千億には到底到達しません。

ここまでの説明で、あなたが考えている数百億、数千億の個人資産を起業で集めてぶっ込むのは、宝くじを当てるのと大差ないくらいのことだとわかりますよね。で、諦めろというのは意味がない。結果としてどんな方法でもある病気を治す研究が成功すればいいわけですよね。

こういう仕事はどうだろうね

「ある病気を治すための莫大な研究費が欲しい」

そのために起業する

宝くじの確率で数千億円の個人資産を築く

研究所を作って人員を集める

研究開始

成功

そこまでに早くて50年。下手したら人類滅びてるかも、です・
という流れは、落語の「風が吹くと桶屋が儲かる」くらい遠回りと言うことが分かったと思います。

風が吹く

砂が舞い上がる

目が見えない人が増える

三味線を弾いて生計を立てる人が増える

三味線作るために猫が捕られる

ネズミが増える

桶をかじるので桶屋が儲かる

っていうやつです。www
目的を達成するにはもっと直球で行かないと人生が1回じゃ足りません。
ではどうするんじゃいということなので、一例を挙げてみます。

まずあなたは医学部を卒業し、医師免許を取得すること。専門はあなたが解決したい病気に関係するところにしてください。在学中に英語を徹底的に勉強し、ネイティブ級まではいかないにせよ、普通にビジネス会話ができる程度は必要です。TOIECは満点級で当たり前。医学部に入った頭をそちらに振り向ける。卒業したらアメリカの有名大学にてMBAを取得すべく留学します。狙うはハーバードのMBA。ミッキーでもいけたんだからたぶん平気だろう。孫さんの真似してカリフォルニア大学バークレー校でもいいぞ。

見事、ハーバードのMBAを取得したら、就職するのは

ベンチャーキャピタル(VC)です!!!

日本のベンチャーキャピタルもその経歴ならどこでも入れそうですが、海外の巨額のファンドを回しているVCのほうがいいと思います。どこかはよく知らん・・・www
ベンチャーキャピタルについては、テレビで大人気の陸王で、担当していた銀行員が先週転職しました。ww
原作はまだ読んでないが・・・・・

で、あなたは医師免許を持っていて、医学系に強いわけです。医学系に投資したいベンチャーキャピタルは多いですが、IT系と違って医学系は投資に値するのか判断するのが素人には非常に難しい。なのであなたは「自分は医学系の投資に自信があります」をアピールして見事採用されてください。

採用されたら、自分の研究して欲しいことをしている研究機関にすぐに投資してくださいといっても誰も信用しません。10年間は医学的な投資でどんどん成功させ、出世するべし。「医学系の投資ならアイツに聞け」と言われるまでのキャピタリストになる。こうなると自分で運用できる金額は相当になるし、独立してもあなたに資金運用を任せたいという投資家がじゃんじゃん出てくる。

ここではじめて
自分の希望する研究をしてくれるところに投資

するわけっす。もちろんたくさんの投資家のお金を預かるわけですから、勝算がはっきりないといけない。さらにはこの発明でどれくらいの人が助かって、人類全体にどれくらいの利益をもたらすのかも数値化しないといけない。ここを外すとあなたは信用を全て失い、下手したら海底の昆布の栄養です。

どうですか。これなら自分自身で起業して巨万の富を築くより可能性が何倍も増します。医学部に通っているという点もプラスになります。医学の勉強とあわせ、語学と経済の勉強もする。検討を心から祈りますよ。
参考書にどうぞ。

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