ネットの選挙運動について思うこと。簡単に考えてると痛い目見るよ!

2013年2月28日

思えばまぐまぐ!で有料メルマガを書き始めてから1年になろうとしています。
永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガという月315円で質問し放題というヤツなんですが・・・
http://www.mag2.com/m/0001522550.html
総合ランキングでやっと15位に食い込んできました。毎週月曜日が来るのが怖いんですが。お金をいただいている以上、真剣に毎週書いております。世間様が三連休で月曜日お休みの時にも書くのはちょっと苦痛ですが、質問どしどし募集中です。まあそれは置いといて・・・

最近実は、「ネット選挙」についてのご質問を立て続けにいただきました。おそらく質問は候補者の方からだと思います。ネットの選挙運動については「お金がかからない」「ダイレクトに双方向で自分の言いたいことを伝えられる」と政治家の皆さんは考えていると思うのだが、衆議院のメールサーバに侵入されたあとも45%しかパスワード変えてないという恐ろしいくらいのリテラシーゆえ、リスクというものの想像が付かないと思うんだがいかがでしょうか。本日はちょっと脅かしてみたいと思うわけです。

(1)メールで選挙運動ってなによ

ネット選挙、全党共同案は断念 メール利用で調整つかず

の報道にもあるように、

与野党は夏の参院選からウェブサイトやツイッター、フェイスブックなどの交流サイトを使った選挙運動を解禁する方針で一致していた。政党がネットの有料広告を利用することも可能にする。

ということで、今のところはどうも・・

●メールで選挙運動が全面OKになるかどうかは今後次第
●SNSはオッケー
●個人はダメだが政党はネット広告を使える

ということになりそうなんですよね?メルマガはいままでもやってるわけだから、意図するのは「自分(自党)に投票してください」ってメールで選挙運動するってことですよね? メール送信については、送信元もすべて偽装できるわけですから、政党であろうが個人であろうが止めといた方がいいと思いますよ・・・。仮にOKになったら間違いなく怪文書のメールが出回ります。選挙のライバルというよりいたずらでスパム打つやつが続出。「自民党ですがTPPは無条件でやります」とか、「民主ですが、今回の選挙で負けたら解散します」とか、面白半分で海外の踏み台サーバ使ってスパム打ちまくられたらと思うとぞっとします。素人には送信アドレスが政党だったり候補者だったりしたら見分けが付かないし、警察だって江ノ島猫騒動見てもよく分かってない。

Facebookに「こんなのが民主党から送られてきた」って意気揚々と偽メールを晒すオッサンの姿が目に浮かびます。出会い系や情報商材のスパムが法律で止められないのに、どうして政治的なスパムが止められるんでしょうか。あたかも本物らしい偽造メールが何百万本も打たれまくったら、なにがなんだかわからないですよ、もう。普通の人はメールヘッタなんて解読できませんからね。

で、メルマガでは文章量が足りなくて回答できなかったことについて簡単に。

(2) SEO対策

昔は比例代表じゃ無い全国区があった。当時なら「TPP賛成 候補 参院選」とか「消費税反対 立候補」みたいなキーワードで上位に出れば、全国で得票できたかもしれない。しかしいまでは参院選も全国区がなくなり選挙区制である。が、衆院選と違って選挙区は都道府県にひとつずつだから、東京は5人当選するのに選挙区は一つ。同様に神奈川は4人枠、千葉、埼玉は3人枠、ということは、一都三県ではネットの依存度も高いのでSEO対策はそこそこ有効だと思われる。つまり、

●自分のキーワードで検索したら候補が出た
●あっ、自分の選挙区だ・・・一都三県合計で有権者が全国の27%だから高確率で当たる
●投票しようっと

の、流れになるわけです。いまのうちに優秀なSEOの専門家と契約しましょう。間違っても電話営業してくるブラックハット系は避けるように。まずは内部施策とコンテンツからはじめましょうね。
逆に1人枠の地方選挙区では仮に大成功して1ページ目にあがっても、見た人が選挙区の可能性が低いからたいして意味が無い。まあ、取材とかは受けやすくなるカモです。

(3) 逆SEO対策

ネットでの選挙運動が活発になれば、みんなが検索したりするようになる。そのときに一番きっついのがネガキャンサイトの存在だ。普通はオリジナルのが上に出るが、「×山×夫」のサイトの下に「×山×夫は昔、女子高生売春で捕まった」とか出てきたら目も当てられない。それが本当かどうかは関係無い。内容が良く出てきて面白くてソーシャルで拡散されれば検索エンジンの評価が上がるから場合によってはオリジナルの上に来ることだってあるかもなのです。

フイッシングサイトで偽のペイパルとかAmazonのサイトなんていくらでもあるから、偽のサイトもいくらでも作れます。

index2

衆院選の時の記憶を辿ってください。未来の党がリテラシーのかけらも無いアンケートを行い、大荒れに荒れたわけですが、そのときもネット上では「これは偽物」という話が出回り、結局「本物らしい」という顛末になったのは周知の通り。そんなもんです。

いまのうちに、ネット問題に詳しい弁護士さんを党で確保しましょう。とはいっても海外のロシアとか中国のサーバに作られちゃうと大変だと思います。

(4)ハッキング、クラッキング注意

政党ならまだしも、個人レベルの候補者の場合、安いレンタルサーバでちょこちょこ作ったりしていると、サーバに侵入されて中身を書き換えられちゃうとか、普通に出てくる気がします。最近ですが、知人が自分のサーバのWordPressのphpファイルを勝手に書き換えられてしまい、メールサーバの踏み台にされました(笑)。中国の偽モンクレールのスパムメールを打たれまくったそうです。
前出のように特にリテラシーの低い層が多い業界(政界?)ですので、知らないうちに内容が書き換えられて、全く反対のことになってるかもしれない。実はそれほど難しいことでもないので、セキュリティの専門家呼んで事前に勉強しましょうね。サーバを攻撃して落としてしまうクラッキングについても、海外ではクレジットカードで決済できる有料サービスもあります(笑)。

実際には候補者が一番有効に使えるのは、ソーシャルだと思う。しかしソーシャルを有効に使っている政治家なんてほとんどいない。炎上しているのはよく見ますけどね。そんなわけで機会があったら「政治家はこんなふうにソーシャル使え」っていうのもチャンスがあれば書いてみようかな・・・といいつつ、みんな興味なさそうですな。

こんな本まで出てるんだ・・

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