企業のPR戦略に騙されないためには、データや情報を読むことが大事

2018年4月16日

先週に串カツ田中が6月からの全面禁煙を発表。Twitter上では喜びの声に溢れました。
串カツ田中についてはいままで散々disってきた。経営陣の目に止まって禁煙化が早まったのなら嬉しいが、もとから検討してたんだろうとは思う。



別にね。低所得者が集まる居酒屋で2020年までの法規制までは完全禁煙にする必要もないわけだから、禁煙にするかどうかは企業の勝手なのよ。しかしそこに

子供を連れてきてください

ってなに? これは許すわけにいかない。欧米の多くはこれは児童虐待認定です。子供は自分で店を選べない。

喫煙者が勝手に死ぬのは自業自得だし、配偶者が受動喫煙で年間10000人以上亡くなるのもある意味、そういう相手を選んだ自業自得の部分も否定できないわけだが、子供は選べないのだ。受動喫煙が子どもに及ぼす健康被害

さて、ここでみんな意外と知らないだろうから言っとくと、厚労省がだいぶ後退したけど今年の1月末に出した自民党と折り合いそうな受動喫煙防止法案の内容を見てみると、なんで2020年までに全面禁煙化と発表したモスバーガーが「やった」ではなくて、「アホか」「なに自慢してんだ」と言われるかがわかります。

受動喫煙、加熱式たばこも規制 厚労省が法改正素案 小規模店は喫煙可

飲食店だと、紙巻きは飲食ができない「喫煙専用室」でしか原則吸えないが、加熱式は専用の部屋を設ければ飲食しながら吸うことを認める。法改正を巡り焦点となっている飲食店の例外規定は、個人や中小企業が経営する既存の小規模店は「喫煙」「分煙」と表示すれば喫煙を可能とする。店舗面積の基準は検討中だが、150平方メートル以下が有力候補。中小企業の基準も今後検討するが、中小企業基本法に基づき資本金5千万円以下とする案を軸に自民党と調整する。

資本金5000万円超えてると規制する

ってことなのよ。これで8割の飲食店が規制から外れるが、少なくとも上場している規模であれば、現在モクモク喫煙とかナンチャッテ分煙の飲食店もこの法案が通れば2020年までにどうせ禁煙にしないといけなくなるわけです。別部屋作ってそこで飲食させなければ喫煙させることができるが、単位面積あたりの売上落ちるからやらないでしょう。

各外食チェーンの資本金
デニーズ 30億円
モスバーガー 114億1,284万円
鳥貴族 14億9,182万9,125円
ドトールコーヒー 111億4,100万円
銀座ルノワール 7億7,100万円

など、どうせ2020年までには上場廃止して減資しない限り、そこそこ大箱で資本金が大きな会社はみんな禁煙にしないといけないわけで、JTが大株主のドトールは客席数減らしてでも密閉された喫煙ルーム(飲食不可)を設置するかもしれないが、飲食ができないスペースを激減しつつある喫煙者のために効率を重視する大手の外食産業が導入するとは思えない。今までの分煙と違い「喫煙スペースでは飲食ができない」のがポイントです。

ということで、規制までまだ2年あるのに先んじて全面禁煙に踏み切った串カツ田中やマクドナルドは賞賛されるべきだが

モスバーガー、2020年までに完全禁煙 喫煙室も撤廃

は、前述の通り

当たり前のこと、何言ってんだオメーは

になり、法規制まではなんとか喫煙者も締め出さず、さりとて「うちは禁煙化するよ〜」というのを大々的にリリースして「モスバーガーもやるな」という認知というかミスリードだけ広めようとする、むしろあくどい姿勢だと言わざるを得ない。

で、串カツ田中のニュースが流れたときに、


のような意見も頂いた。鳥貴族も頑張ってるから評価して欲しいという内容なのであるがちょっと待て。

鳥貴族は647店あるはずだが、禁煙店はたったの17店舗です。しかしメニューには喫煙店でも

キッズドリンクもあり、子供に受動喫煙させようという意欲満々。これでどこが意識高い系と言えるのか。ええ、どうなんだと正座して小一時間問い詰めたい。

つまり企業の評価をするときは、大手ならだいたいPR会社がイメージ戦略を立てているから、嘘を言っていなくてもそれはイメージ操作をしていないか、良く考えて調べたほうがいいってことです。でないと単なる「良い人」です。www

本気ならすぐできる全面禁煙化

串カツ田中はリリースしてから1ヶ月半で全面禁煙です。

が、受動喫煙防止法の話が出るたびに飲食店側は

「費用がかかる」
「時間がかかる」

というのであるが、それは喫煙室を作るという前提で考えるからで、喫煙室作らずに全面禁煙にするなら明日からでもできる。何言ってんの、ということになります。

マクドナルド、全店禁煙に。~おいしい空気で、おいしいひとときを。~

マクドナルドが逆風が吹きまくる中で全店禁煙化を2014年8月1日におこない、その後V字回復。この「喫煙者を締め出したからマクドナルドは潰れる」というサンケイの記事をゲラゲラ笑いながら読んでほしいものだ。」
マック完全禁煙に現場困惑「このままでは店が潰れる」
入った店が禁煙だったら…喫煙者の半数「他を探す」

ハンバーガー食べてる間さえ喫煙を我慢できないのであればもう立派な薬物中毒だから、病院に行った方が良い。なんども言ってるように喫煙率低学歴、低収入は見事なまでに相関関係のエビデンスがあり、ましてや重度のニコチン中毒ならその体臭の凄さは半端ない。

マクドナルドはこうした薬物中毒の皆さんが「他の店に行く」「二度と入らない」という決心をしてくれたからこそ繁盛してV字回復したのです。

串カツ田中に関してはTwitterを見ている限り、喫煙者はボロカスにいってるが、ホワイトカラーの非喫煙者は「6月になったら絶対行く」というのが大半で、こりゃもう6月から客層は一転するだろう。飲み会は嫌いな自分だが、6月になったら串カツ田中でオフ会やってもいいくらいだ。まあかなり客数が増えるので入れないかもしれん。www

一昨日のエントリーに書いたのであるが、津川先生のエビデンス本に「白い炭水化物は動脈硬化や糖尿病のリスクをあげるが、茶色の炭水化物はリスクを減らす」というのに感銘受けまして、コレ買いました。78万6000人を対象にした研究で、1日70gの茶色い炭水化物を摂取したグループは、ほとんど食べないグループに比べて死亡率が22%も低くなるのだ!!!心筋梗塞や脳卒中のリスクも21%低下するんだぞ。

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