富士急ハイランドの「入場料無料」の施策は、来たる超高齢化時代のナイス選択である

2018年5月10日

スナップマートで324円で買ってきた

富士急ハイランドの入場料大人1500円が無料になるというニュースが飛び回っていましたが、見る限り一番のオバカ系はこれでした。

富士急ハイランド、入園無料化に意外な事実。絶叫マシンは2倍以上の値上げ検討

入場料無料になるからといって、富士急ハイランドのアトラクションを、無料で楽しめるようになるわけではない。早とちりは禁物だ。

どこをどう叩いたらそんな考えが浮かんでくるのか、正座させて小一時間問い詰めたい。「意外な事実が明らかに」って意外でもなんでもないでしょう。書いた方はハフィントンポストの編集者だそうだが大丈夫か・・。入場料を無料にした分、ほかで取らないといけないに決まっているではないか。慈善事業じゃないんですよ。

帝国データバンクの2016年資料「遊園地・テーマパーク経営企業の実態調査(2016 年決算)」によりますと

こんな感じで富士急ハイランド(これ以外にもいくつかの施設を運営しているが)はオリエンタルランドとUSJに次ぐ第2グループに属している。入場者数などはググっても出てこないので公開されていない模様だが、読売ランドが120万人くらいだから200万人強だと推測します。と書いたあとでテレ朝のサイトでは

富士山や富士五湖への観光客は年間2000万人を超えていますが、富士急ハイランドは周辺施設も含めての年間入場者数が約230万人です。

と、出ていてドンピシャリなのであった。

来客の半数が子供としても入場料は中高生以上が1500円で子供が900円。もちろん購入はフリーパス(大人5,700円 中高生5,200円 小人4,300円)のほうが多いと思うので、全体の1/3を入場券購入の客として、うち半数を子供とすると、年間の入場料の売上合計は9億円くらいだ。実際には前売りやハック売りで安くしているケースも多いだろうから割り引いても5億円くらいの売上の消失である。

フリーパスの値段は据え置きだが、絶叫アトラクションの価格くらいは上げないと厳しいというシュミレーションなのかもしれないが、富士山あたりにやってきて帰りに富士急ハイランドで「あの人気の絶叫アトラクションだけ」乗ってみようかというユーザーは、いまままでは入場料1500円+たとえばドドンパなら1000円だから2500円がおそらく単品2000〜3000円になるだけ。まったく変わらないのである。少しは計算してから「意外」とかいいたまえ。

来たる高齢化社会を見据えたナイスな選択

さて、日本のテーマパークや遊園地は前出の帝国データバンクの資料にもあるように、

2016年の訪日外客数は過去最高を記録していた前年を大幅に上回り、2403万9700人(前年比21.8%増)となったものの(日本政府観光局<JNTO>より)、遊園地・テーマパークの入場者数は前年比1.3%減の8039万2414人となり(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より)、引き続きインバウンドの取り込みが課題となっている様子がうかがえる。

微増程度で停滞しているのです。インバウンドの観光客は東京ディズニーランドやUSJにはいくものの、ほかの施設にはなかなか足を向けない。155社で増収は5割強程度で、減収しているところもこのように多い。

で、富士急ハイランドであるが、ソーシャルの運用やコマーシャルを見ても、売り物は絶叫マシーン。つまり若年層です。行ってみるとわかるが、若者の団体がけっこう多い。ところが何度も書いているように、総務省の予測データでも


若者の数はどんどん減っていき、70歳以上の人口が爆発的に増えつつある。2015年と2020年のたった5年の比較でさえ

14歳未満 10%減
60歳未満 5%減
75歳以上 15%増

なのであります。モリカケとか憲法改正とか、夫婦別姓反対ダガーとかやってるうちに日本は破滅への道を駆け足で進んでいるのです。どう考えても日本の最優先事項はこれだと思うのに・・・北朝鮮や中国が侵攻してくる確率は100%ではないが、超少子高齢化はすでに来ている!!100%の危機です。

で、富士急ハイランドは生き残りを賭けて「入場料無料」に踏み切ったわけです。広報は「富士山に来たときに気軽に入場して頂いて、食事したりお土産を買って頂きたい」と言ってるわけです。ただ現在の富士急ハイランドのレストランは若者に向けたガッツリ系が大半で、せいぜいほうとうがあるくらい。しかしこのボリュームだよ・・・


武田騎馬隊ほうとう 1300円・・・

ほうとうなら近所に有名店がいくつもあるから、今後の富士急ハイランドの課題は

大人が立ち寄れる食事施設の充実

だと思います。間違いない。いまのままだと、食事だけ立ち寄りたくてもなかなかおっさんらには食べるものがないのです。駿河湾の幸とか、富士山麓のジビエとか山麓のブランド豚(今、サイト制作中 w)とか、多少高くてもいいからここでしか食べられない食材を使ったグルメの殿堂が必要で、それがあれば富士山観光の帰りとかたくさんの人が訪れます。

逆転の発想がキッザニア

子供を連れて行くと地獄にはまるとまで言われているギッザニア。チケットはこちらで

もう帰りたくない、次はいつ行くのかと子供が取り憑かれてしまうキッザニアですが、ここの入場システムは面白いです。
これが通常料金です。

子供は高く、大人は安い!!

普通の遊園地と全く別の発想です。これなら一緒に来た父ちゃんが「高いから俺は良いよ」っていって入らず門のところで煙草吸ってうろつくことも回避される ww し、おじいちゃん、おばあちゃんが孫を連れて行くのにもぴったり。まさに高齢化社会に適合した料金体系です。どうせ大人はキッザニアいっても面白いわけでもないから、高い料金取らないほうが行きやすい。子供に金を掛けるのは惜しまないけどね。

飲食店を禁煙にするのも高齢者の誘致には効果的です。みんな誤解しているのだが高齢者ほど喫煙率が低い。

60歳以上の喫煙率は男女とも各世代で一番低い

のであります。タバコ臭いジジイは、そいつが目立つから「高齢者はみんな吸う」という風に刷り込まれるのだが、実際には高齢になると「あと何年生きられるかな」に思考が変わり、高血圧や心疾患、高血糖などの症状が出ると医者に止められます。生活保護爺さんの喫煙率は非常に高いのですが普通の爺さん、婆さんは低いのです。

つまりこれからどんどん増える高齢者に足を向けさせたければ、まずは禁煙にすることが大切で、いろいろな施設や店舗が生き残りを掛けて高齢者の取り込みに頭を絞っているのでした。

まあ、これだけ急に環境が変わるわけで、何も考えていないところは滅びるのみです。

Amazonが母の日セールで自分と同じエコーを1000円引きです。どんどんソフトが進化しているし、スマートスピーカーはひとつは家にあった方がいいと思う。安いしね

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