被曝した9万4000人の追跡データから読み取れること

2011年4月8日

昨日の朝日新聞に出てた内容から書きます。
あとで見たら、書いたのは東大の物理出て朝日新聞に入社した高橋真理子さんでした・・

放射能が怖いってヒステリックに騒いでいる方々は、新聞読まないのだろうか・・。
自分で情報を集めずに、友達から転送されてきたガセネタのメールを見ておびえるというのがバカらしいって早く気づきましょうよ。

以下、抜粋して転載します (C)朝日新聞

1947年にアメリカが設けた原爆調査委員間(ABCC)がはじめ、75年から日米共同運営の「放射線影響研究所」が引き継いで、被爆者9万4000人ともそうでない2万7000人を生涯にわたって追跡調査。うち2万人は2年に一度、健康診断を受けています。
国際放射線防護委員会(ICRP)も、これを放射線のリスク推定はこれを基本に計算している。

◆がん◆

被曝して10年目くらいから、乳がんや胃がん、大腸がんは肺がんにかかる人が増え始める。(つまりいま70歳のじーちゃん、ばーちゃんとかはほとんど関係ない・・)

しかし、統計で被曝していない人より被曝した人のほうが発生率が高くなるのは、一度に200ミリシーベルトを浴びた場合だけ。通常、30歳から70歳までにがんになる確率は30%だが、30歳で200ミリシーベルト以上を一度に浴びると33%に上がる。つまりがんになる確率が3%高くなる。(え?? たった??)
100ミリシーベルトの場合は計算上31.5%かというと、調査では判別できないそう。それより喫煙の有無の差のほうが影響が非常に多いから。
◆ちなみに国立がんセンターの発表では、日本人の男性のがんのうち40%、女性の5%が喫煙に由来する。肺がんにかぎると、男性の70%、女性の40%が喫煙によるもの。

上記の国立がんセンターのページを読んで欲しいが
「たばこを吸う人のがんで死亡するリスクは、吸わない人に比べて男性で2倍、女性で1.6倍である」とあります、つまり「200ミリシーベルトの放射線を一度に浴びてもガンになる率は3%しか上がらないが、喫煙だと30%上がる」っていうことです。煙草がどれだけ猛毒かということが分かります。

しつこいようだけど、煙草吸いながら「放射能怖いよね」ということ自体、間違ってます。

200ミリシーベルトというのは、どれくらいかというと・・。現在福島第一原発で作業していてくれる皆さんが、250ミリシーベルトを累計で被曝すると作業から1年 離れなければなりません。20キロ圏の避難地域では現在「累計」で10ミリシーベルトに達してきた、という程度です。逆に言うと、累計ではなくて200ミリシーベルトを一度に浴びてもがんになる確率が3%あがるだけと言うことです。

ただし、被曝年齢が低いほどリスクが大きいということが分かっている。つまりだ。放射能気にするより、「こどもの近くでは絶対にタバコ吸うな」ってことです。そのほうが子供を危険にさらさないで済む。

◆白血病◆

被曝から2年で増え始める。子供は同年齢の発症率の数倍になった。しかし6〜8年で減り始め、20年では平均になる。発症率の増加は大きいが、白血病自体が非常に稀な病気で、被曝によってがんになるよりずっと少ない。(調べたら発生率は2006年では年間人口10万人当り 5.9人、つまり17000人にひとりしかならない。がんは3人に1人ですから・・・)

◆胎児◆

妊娠何週間目かで大きな差が出る。一番影響が大きいのが8週〜15週。被曝線量が多いほど知的障害児が生まれる確率が上がる。ただし200ミリ シーベルトまでは変わらず、16週〜25週までは500ミリシーベルトを超えてから頻度が上がるが、0週〜7週と、26週以降では影響がない。

◆遺伝◆

先日「放射能は七代祟る」というデマを書いてるのを見て非常に腹立たしいと書いたが、親が被爆者の「被曝二世」については、死産、奇形、染色体異常は一切見られなかった。つまり

遺伝はありません!!

小学校になったときの身長や体重にも影響はなく、2007年には1万2000人に健康診断が行われたが、遺伝的影響はない、と結論づけられてます。

「情報がない」「情報を政府が出さない」とばかり言ってる方。情報は出してもらう、誰かから聞く、ものではなくて自分で調べるものです。新聞も読まない、見るのはテレビのお笑いだけでは、情報なんて入らなくて当たり前です。

また、原発反対派の中には、このときとばかりガセ、デマを流しているのも多く見受けられます。別にそこまでヒステリックに反対しなくても、原発はこれ以上は増やせないでしょうよ・・・。
先日もドイツの原発の回りには白血病の発生が多いというのを回している人がいましたが、人口密度の偏差は加えているのか(原発の周囲に人がたくさん住んでいれば、当然白血病になる人も多くて当たり前)、その人の生活環境はどうなのか(家庭に喫煙者は多いのか、ウイルスはどうか、化学物質はどうか)、どういう調査をしたのか全く書かれてない。書かれてないと言うことはどんな修正をしたのかわからないってことくらいわかんないのかな・・。ちなみにウイルスでかかる白血病もあるし、ベンゼンが白血病のファクターになることも分かってます。ベンゼンの25倍の反応性持ってるのがトルエンだよ。つ まりシンナーやってるガキは白血病になっても仕方ないわけです。こういうことをすべて加味しないとデータとしては意味を成さないわけで、単に不安をかき立てるだけが目的としかいいようがありません。

 

 

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