日本の大企業が「ソーシャル運用」をまともにできない理由

2012年9月2日

数日前からCrazy Tribesっていうネットワークゲームをやっているのだが、現在個人ランク2位と1位をいったりきたり。だれかわたしの「藩」にはいって家来になってください。特典は別にないです w

さて・・こんな仕事をしていて、しかも「ソーシャル運用」というキーワードではこのブログがGoogleもYahoo!も1位なのに、大企業からそれのコンサルの依頼が全く来ない。いかに大企業は検索で発注先を選ばないかの証明でもある(笑)。
自分が大企業の担当者なら絶対にこんな上目線の”使いづらい”奴には依頼しないと思うから、来なくて当たり前。来ても面倒くさいので断るから来なくていいのだが、どうして日本の大企業はまともにソーシャル運用ができないのか、この際、暑苦しく語ってみることにする。

たとえば、『SKE48』犬塚あさなが彼氏へのメールをGoogle+に間違えて投稿 というどうでもいいニュースが流れていた。ソーシャルはそもそもメールとの違いもよく分からないレベルの人間が運用するとこうなるという事例ではあるが、日本の大企業だって笑っていられないレベルだと思います。

1 広告代理店に運用を丸投げ

ソーシャル運用の例としてファン数の多い、あの大企業も、その大企業も、ほとんど広告代理店に運用を丸投げし、代理店は下請けに丸投げしている。ファン数が多いだけで「成功例」として取り上げるメディアも相当にどうかと思うが、そもそも大手広告代理店はソーシャルから一番遠い存在なのは言うまでも無い。ビジネスモデル自体が大量広告、イベントなどのパワーモデルが中心で、ソーシャルについては海外の事例をノウハウっぽく語るばかりで中身が無い。だいたい本当にソーシャル運用のノウハウがあるなら、今時ゴリゴリの営業なんてしなくても仕事が来るはずである。傍から見ていると一番昔風の営業をしているのが大手広告代理店っぽい。

さらにまずいことに、広告代理店にとって「お客様はお金を出してくれる企業」であり、企業の先にいるユーザーでは無い。したがって「満足させたい対象」はユーザーでは無く、企業担当者であり、その上司だったりする。こうなると素人の部長を喜ばせるためには「ファン数の増加」が第一になり、実質の波及効果などどうでも良くなってくる。ソーシャル運用の悲劇の始まりである。

2 責任の取れない人間が運用をしている

大半の大企業が広告代理店に丸投げして、広告代理店は下請けに運用を丸投げする結果、投稿する人間はその企業のことをよく知らない、どちらかというと弱い立場の皆様ということになる。発注先を怒らせれば仕事が飛ぶから当たり障りの無い、言われたままの内容で投稿する。発注している人間も無知だし、投稿している人間は単なる投稿マシーンである。面白い投稿ができるわけがない

社内で管理している場合も大差が無い。本当にユーザーがソーシャルで「いいね」と押してくれるのは、その企業の本音であり、普段見ることのない素顔だ。たとえば新商品開発の舞台裏を投稿すれば、絶対に多数の「いいね」も付くし、シェアもされる。ティーザー広告としての波及効果は計り知れないわけだが、一担当者の権限でそんなことをすれば、課長、次長、部長から大目玉食って下手したらクビ。事前に上を押し切ってまで効果的なソーシャル運用をやろうなんていう奇特な担当者はたぶん日本には1人もいない。
仮に自分にソーシャル運用を任せたいという大企業があったら、「まずは社長から全権を一任されること」「社長自身が目を通してたまには投稿すること」という条件を突きつけます。依頼が99%無いのは分かってますので、最後の1%も消してみましたがどうでしょう。

そんなわけで、ソーシャルは、「社長自ら陣頭指揮を執る」企業にしか本当の運用は出来ないメディア。つまり中小・零細こそが少ないコストと多くの手間(笑)、つまり金をかけずに手間をみっちりかけて運用するものなのである。わたしがコンサルしてるところでは、慣れるまで投稿の時間や内容を全てチェックして、さらには言葉尻から箸の上げ下ろし、Facebook広告の出し方まで、鬼の姑のように指導します。ここまでやらないと効果が出ないのがソーシャルだと思ってます。

さ・・・さんじゅうきゅうえん・・・!!! 昔もらって読んだ本だ

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