こんな判決が出ました〜 並行業者はご臨終ですか・・・

2011年7月28日

本日、Yahoo!オークションストアにYahoo!から配信されたお知らせを見て、縮み上がったオークションストアも多いかもしれません。

Yahoo!オークションにおいては、日本国内の正当な権利者である伊藤忠により登録商標「converse」が付された以外の「converse」商品、特に輸入「converse」商品についての商標権侵害対策を強化することといたしました。各出店者様におかれましては、今後当該商品をお取り扱いされませんよう、十分なご注意をお願い申し上げます。また、現時点で当該商品をお取り扱いされている場合は、速やかな販売中止をお願い申し上げます。

つまりこれからは、コンバースをヤフオクに出すとびしばし取り締まりますよ、ってことです。コンバースの並行品の販売をしているショップは伊藤忠から強制執行食うことでしょう。

しかし
「あれ? まてよ。並行って合法じゃなかったっけ。しかも並行輸入に圧力かけたりしたら公正取引委員会に処分受けるんじゃなかったっけ」と思う人も多いでしょう。わたしもその一人でした。確かに正規輸入元からしたら、ブランド構築に一円もかけず 、安売りしてイメージを下げる並行業者は憎んでも憎みきれない存在ではあるが、並行は法律で立派に認められていると思っていた。

そこで判決の趣旨を読んでみる
http://www.udf-jp.org/judgement.explanation1
権利保護団体であるユニオンデファブリカン
の 発表です。

平成22年4月27日言渡しの知的財産高等裁判所の判決(平成21年(ネ)第10058号)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100608152746.pdf
サイトから引用
難しい法律的な言い回しを避けて説明すると「日本の国内権利者と米国権利者はつながりがない、日本国内の権利は日本の国内権利者が持っている、従って米国権利者が製造・販売したものは日本国内で販売できない」という事です。

どういうことかといいますと、ルイヴィトンの商標は日本でもルイヴィトンが持っているので、イタリアからルイヴィトンを輸入しても取り締まれません。しかし、仮にルイヴィトンが資本関係も何も無い住友商事が日本でのルイヴィトンの商標を持っているとしたら、イタリアからルイヴィトンのマークが付いた商品を輸入して販売ができないということです。並行とかそういうことではなく、商標権の侵害ということになります。

もうひとつ重要なのが「もっと具体的には、相互若しくは一方的であるにしてもそれぞれの製造する製品の品質をコントロールできる立場にあるのかも問題となりました」ということで、これは現地で販売されているものより日本で販売されている物が品質のコントロールが厳しかったり、いわゆる日本向けの仕様だったりする場合ということが重要ということです。まったく同じ物を輸入販売しているわけではなく、日本向けに手が入っていることず大切なわけで、こういうときに外国から本物だと言って日本国内で流通しているものと違うものを持ち込むと「商標権の侵害」で有罪になると言うことなんですな。

で、たとえば特許庁のデータベースで検索してみると、超有名なブランドは当然、現地というよりインターナショナルなブランドホルダーが登録している。が、それほどメジャーでないブランドは、日本の輸入元が商標を押さえているところもけっこうあるのだ。
こういう商品を扱っていて、円高で並行輸入でバリバリ稼ごうと思っていた業者も多いと思うが、ある日突然に強制執行で差し押さえの恐怖と戦わないといけない。 けっこうキッツいですよ。これは。判例がでてるから、すぐに執行されちゃうし。
店中に並行品たっぷりのドンキホーテなんてあたふたしてるんじゃないかと思います。

では、まだ商標が取られていないのなら先に取ってしまおうと考える方も多いと思いますが、そこそこ有名ですでにたくさん流通している著名なものは、関係無い人は取れません。とっても棄却申請だされます。さすがの中国で「讃岐うどん」という商標申請が却下されたのと同じことなのでした。

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