安保改正法を憲法に抵触するのに急いだ理由はコレだと思う(永江国際問題妄想所)

2015年7月20日

先日のブログでこれについて永江論を展開したのですが、同じような見解が意外と多いのに驚きました。

永江論は以下

そもそも集団的自衛権は、私も本当に必要なら憲法改正した上でやるべきだと思う。それをしなかったからもめた。しかし以下のようなかたちで中国を牽制するために急ぐ必要があったのではないかと。憲法改正に失敗したら一気に中国が侵攻拡大してくると考えてそのリスクを採らなかった。

安倍さんがキチガイで戦争に突き進みたいとかいう方たちに言いたいのだが、世の中にそんな人いないって。そんなの考えてるの過激派だけだって。内戦で革命起こしたいわけだから・・。

いま、南沙諸島での埋め立てとか空港建設など中国の侵略が日常的に急ピッチで進んでいて、アメリカや、日本やオーストラリアに東南アジア各国から助けを求められてます。日本も中古の巡視艇を供与したりはしてますが・・。

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中国は自国の領土を主張してる範囲見てよ。これをもし実効支配されそうになったら、今回の法案にある「国家存立の危機」ということになり、集団的自衛権のために自衛隊を出すことができるぞという牽制ができたわけさ。

防衛省にくわしい資料があります
南シナ海における中国の活動

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Facebookに書いたら、中国の埋め立ては海南島の近くの1箇所だけとかいう書き込みがあったけど、そんなことないですよ

スクリーンショット 2015-07-20 8.16.10
もう、マジキチ状態で南沙諸島と西砂諸島を埋めまくって基地作りまくって実効支配しようとしてます。一番の基地は台湾が要塞化している太平島だが、そもそも中国は「台湾は自国の領土だから台湾の領土は自分のもの」という立場で、尖閣も同様な主張。

台湾も李登輝総統までは「尖閣は日本の領土」としていたが、いまの馬総統は中国よりで、去年も中国に有利な条約を結ぼうとして、台北で学生デモが大規模に起きた。馬総統の支持率はいまたったの9%!!


馬総統は「尖閣は台湾の領土」の活動をずっとしてますし、尖閣に押し寄せた漁船は台湾から出航してきた。
台湾好きな私でございまして今年も訪台してます。台湾人の友人の多くは中国が嫌いなのだが、馬総統は中国出身で、尖閣は台湾の領土というゴリゴリの方。慰安婦問題でも日本は謝罪しろと繰り返しています。なんでこんな人、選んじゃったのか・・

アメリカもいまはアフガンやイラクで疲弊して、東南アジアまでは手を広げられない。東南アジア各国はいかに経済成長しているとはいえ、中国に対抗できる海上兵力を備えるには何十年もかかります。そこで安保法案成立させて、本当にいざという時は日本も行けるんだぞと牽制する必要があった。中国が領海と主張しはじめたマラッカ海峡は日本のタンカーの通り道だからね。また南シナ海を全部中国が領土化したら、東南アジア各国との貿易ができなくなり、輸出入コストが暴騰して日本壊滅確実。

コレ以上は手を出すな。そっちが殴ってくるならこちらも反撃できるようにするぞ

という意思表示のために、早急に集団的自衛権を行使できる法改正をする必要があったのではないかということです。

意味わかんないひとに説明すると、安倍さんがホルムズ海峡っていってたのはマラッカ海峡に対する当てつけ!
イランなんて「ホルムズ海峡封鎖なんてしないよ」ってぽかーん状態のコメントを外相が出してた。

今回、左系マスコミはなぜ法案を急ぐのかを解説するなら、中国の脅威を説明しないといけないので、あえて理由明記しないでアメリカの言いなりとかいう。野党も中国云々と言えないから、徴兵制とか関係ない話を持ち出す。正論で反対するなら、中国は今後は絶対に拡大政策はとらないといわなくてはならないが、そんなこといったらあとが大変。もしかして、国会は全体で口裏合わせてたんじゃないかと思うくらいだ。

じゃあなんで政府はちゃんと説明しなかったのか。理由は簡単で、政府も中国を表立って刺激したくない(反日運動が爆発して日本企業の焼き討ちとかめちゃくちゃになるの確実。尖閣にもまた押し寄せてくるし観光客も来なくなる)ので話を中東にして誤魔化す。国民はチンプンカンプン。なんで中国の名を上げなかったかについてはほかにもいろいろ疑問の声が

「中国」の名を口にしなかった安倍首相の謎なぜか説明されない安全保障関連法案の本当の目的

でも中国はちゃんと分かっている。

安保法案の採決強行・・・中国への抑止力強化も目的=中国メディア

中国メディアの新華社は15日、「安全保障関連法案は実質的に集団的自衛権の行使を認めるものである」と伝えし、安倍首相が国会で安全保障関連法案について「強行採決した目的は、戦後体制からの脱却と対中国の抑止力強化にある」と主張した。

しかし、日本政府にこれで抗議するわけにはいかない。だって安保法案の論議には「中国」の名前は全くでてこないで、中東の話になってるからですな。なんか言われても

それ、被害妄想だから!!

で誤魔化せるじゃん。

それが証拠に安保法案にアメリカ、オーストラリア、東南アジア各国は大歓迎。中国は激しく非難。
しかし当事者と思われた中東各国ほぼ反応なし。左系東京新聞の報道でも

安保法案衆院可決 各国反応 中「専守防衛放棄か」 米「日本の努力歓迎」

まったく中東各国の反応ゼロ。ググってもでてこない。
本当ならISとか激しく反発してテロの一つも起こすかになるはずなのに。

日本の戦車は北海道用に開発されていて乗務員用のエアコンもないので中東にはいけないし、兵器も装備も砂漠用がないから本格的に中東は無理でいまからそろえるのには10年の月日と何兆円もかかりますぜ。後方支援ったって、ISとの戦いに物資を送るくらいはあると思うが、IS自体は統制が取れておらず、後方を襲うほどの航空兵力や機動部隊もいないので、兵站たつために後方部隊が襲われる的な発想は太平洋戦争のような昔風の全面戦争の話。

で、東南アジアのマラッカ海峡を有事の場所と考えると、実際、現在の海上自衛隊の艦船は練度や装備などの「質」で中国を圧倒しており、潜水艦やイージス艦の運用などはアメリカ以上レベル(仕事の仲間の某氏は元自衛隊イージス艦のエンジニア)。海上だからテロもないし・・。昨年の尖閣への中国艦船の不法侵入の激化や、小笠原近海への中国漁船が何百隻も押し寄せた時から日本人は恐怖していて、海上自衛隊や保安庁の艦船の拡充には国民の同意も得られます。

この法案があれは、中国も南シナ海の制圧に一気には乗り出せない。もちろん今回の安保法案では日本が「国家存立の危機」にならないと集団的自衛権は発動できないので、ISに米軍が襲われた程度では自衛隊が出るわけないのです。中国が東シナ海を実効支配しようとして東南アジア各国が米国にSOS、そこで人民解放軍と戦いになった時点で行けるでしょうけど中国は勝ち目のない戦いはしないはず。

しかし仮に最悪のこんな事態になっても「自衛隊出すの反対」って言ってたら、東南アジア各国から断交されますよ・・

でもさ、中国もまじでいい加減にして欲しいよ。戦争に一番向かってるのはこの国だが、日本と同じように一人っ子ばかりだから実際に全面戦争には出てこないと思う。そんなことしてたくさん死んだらクーデターが起きちゃう。よって本気で戦争に突入する気はなく、威圧的な態度で周辺諸国を押し切るつもりだが、今回の法案は、これに歯止めをかけたのではないかと思う次第です。

中国「憲法違反」 動揺か…過剰に反応

よって東シナ海を考えると「銃を取って戦場に行かされる」とか「徴兵制が」とか「後方支援部隊が襲われる」とか心配するのはあまり意味がない。だいたい海上自衛官は銃持ったりしないから・・・(そこか)。そして海上自衛隊は歩兵じゃない。非常にレベルの高い専門職だから、徴兵制でやる気のないヤツ入れるわけない。だいたい後方支援とかは東南アジアの周辺各国が受け入れるから不要でしょ。

後記
と思ったらやはりそのとおりでした。コレ書いた1週間後に・・・
安倍首相、中国名指しし安保法案の必要性強調

「我が国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増しております。東シナ海においては、中国が公船による領海侵入を繰り返しています。南シナ海においては、中国が活動を活発化し、大規模かつ急速な埋め立てや施設の建設を一方的に強行しています」(安倍晋三総理大臣)安倍総理は、これまで国会審議の場で基本的に避けてきた中国の国名をあえて持ち出して、法案の必要性を訴えました。

そんなわけでこれ買って読んでます

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