ブラック企業と決めつけたい心理について斜め読みしてみましたよ

2013年3月1日


最近、ある企業について「ここはこういういいことしてる」と書いたところ、「だってそこはブラックじゃん」とツイートされた。この「ブラック企業」という認識は、我々世代といまの20〜30代には相当な隔たりがあると思うので、いつか書こうと思っていた。炎上しないように祈りながら書く。

直訳すると「ブラック企業で働く人」笑

直訳すると「ブラック企業で働く人」笑


自分が人生で勤務した企業は2社しかない。新卒ではいったリクルートと、経営していた会社が吸収合併されたときのライブドア(当時はエッジ)である。両方とも自分が退職したあと数ヶ月後に社長が逮捕されるという希有な経験をしたが、体質は全然似てない。

いま自分があるのはリクルートのおかげで、現在もFacebookの友人の1/5くらいはリクルートつながりだ。思い出もたくさんあるし、いまのリクルートも凄いと思うけど、自分がいたときはブラック企業の素質満々であった。残業は200時間超えるし(残業代は出た)、人格否定するようなハードな研修もあった。辞めた人間の中にはクソミソいってたのもいるから、いまならネガティブブログが花盛りである。

自分にとって一番ブラックだなと思ったのが、ある年の4/1に「この事業部は今年が正念場なので週休二日制から週休一日になりました」という宣言が突然されたこと。給料も変わらないし、そもそもこの事業自体が社長の江副さんの独断でスタートしたものだった。不幸なことにこの事業部にいた自分、反抗して毎週土曜は有給取りました(爆)。直後に江副さんは愛人と沖縄旅行が写真週刊誌にすっぱ抜かれたので自分の中の愛社精神が崩壊してしまいましたとさ。
先日、江副さんが亡くなられたときにFacebookではリクルート仲間が一斉に追悼の意を書かれていましたが、わたくしは無言を貫きました。リクルートの社訓のひとつに「社員皆経営者主義」というのがありましたが、リクルート事件のあと、江副さんが自分の持ち株をいきなりダイエーに売ったとき(のちにリクルート自身で買い戻した)、翌日からその社訓があっさり無くなったと聞いた。ドライすぎる・・・。

しかし、だ。リクルートは嫌いかと言われればそんなことはなく、いまでも働いて良かったと思うし在籍したことは誇りである。素晴らしい企業体だと思うので、悪口をいう気にはならない。そこが巷のブラック云々との違いである。

たとえば消去されたようであるが、UNIQLOに勤務していた人が書いたブログ、そこかしこに残っているのだが、まずは英語教育

「BerlitzのEラーニングシステムを使っていて、授業料は会社持ちだが週に10時間以上勉強しないと、上司から指導。それでも改善できなければ給料から授業料の半額が天引きされ、半年ごとのテストで50点アップできないとさらに半額が天引きされる・・・」そうだが、

英語勉強するのに授業料出してくれるって最高じゃないすか?

で、サボったら給料から引かれるってサボんなきゃいいじゃん。会社が嫌なら会社の金でTOIECの点数上げて転職したらいい。英語は勉強したくないから強制する会社はブラックだと言われてもな・・・

で、一番おんや〜と思ったのが

俺が入社した当時はUNIQLOはこんなじゃなかったってのを先に。けっこう和気藹々な雰囲気で、社内のムードも良くて、厳しい決まりごとなんてのもそんなに無かった。9時出社だったし、一定階級以下は残業代も出るし、一定階級以上は逆に「裁量労働制」つって、一日一時間でも働けば出社扱いになった。風邪ひいて欠勤しようが別に給料に影響することはない素敵システム。休みが少ない!ってのも特に感じなかったし、総合的に考えて、給料は悪くなかった。課題なんてなかったし、残業は確かにあったけど、いわゆるアパレルらしいルーズさというか、いい加減さみたいな空気が社内にもあった。

けど、いまのUNIQLOは「裁量労働制」になり、労働時間と関係無く仕事をこなさないといけないので、労働時間が増えて死にそうになったということでブラックだといってるんだが、ちょっと待て。裁量労働制の場合は、仕事さえすばやくきちんと片付ければとっとと帰っていいわけだから、仕事のできる人間にとっては天国である。サラリーマン時代、自分は仕事が早いことを自負していたので、ダラダラといつまでも会社に残っている皆さんのほうが残業手当がたくさん付いて給料が高いことが不思議だった。

仮に、「和気あいあいで、決まり事もなくて、ルーズで良い」というのがいい企業ということなら、地方公務員が最高の職場で、同じ公務員でも自衛隊はブラック公務員である。もちろん「楽で年金ばっちりの地方公務員サイコー」と思うから公務員志望の方も多いわけだが、競争力が必要とされる民間企業でそれはダメだろ・・・。自衛隊だって外国の軍隊との競争力が必要なわけだから、同じ公務員だが「和気あいあいで休み放題」にはなってない。つまり、こういう価値観の方は、地方公務員を目指すべきか、もしくは貧しくてもいいから好きなようにできるフリーまたはノマド的な仕事をされるべきなのだ。ちなみにわたしも「強制されるのは嫌」なので、自分でオフィス構えて独立しております(笑)。

言い忘れたが、ライブドアは「和気あいあいで決まり事も無い」会社ではありました。IT企業にはそういうところも多いようです。いずれ独立しようと虎視眈々の社員が多いから、規制するとみんな辞めちゃうから。

以前こういうブログを書いた

イソップ物語には無い、オオカミとヒツジの話

この中のヒツジは、「別に出世しなくてもいいから、適当に給料もらって体壊さない程度に働いて」という価値観の方を指している。日本経済の停滞で、夢を持てないヒツジ層が増えているので、「ブラック企業談義」が支持されるのでは無いかと思う。ヒツジにとっては「ハードに働かされる」環境はもっとも苦手とするものだからだ。オオカミは「ハードに働かされる」とは考えず「ハードに働く」と能動的に考えるから、ブラックとは感じないんではないかと思います。

個人的な見解を述べるなら、一般的にブラック企業というのは「働く人たちにたいして労働搾取を行う企業」という意味で使われる。しかしそれに加えて「社会的に害をなす企業」も加えるべきだと思うのであります。中で働く人がいかに高給で幸せでも、まったく社会のためにならないで、社会の富を自社で搾取している企業こそ、ブラック企業だというべきなのでは?
前者なら転職すれば済むが、後者の場合の社会的被害は比較にならない。バブルの時の地上げ屋さん、回収できないレベルの金をジャブジャブ貸し付けて破産、倒産に追い込んだ金融、お年寄りから巻き上げ専門の先物取引や株屋さんやマルチ、情弱から金を巻き上げることしか考えてないIT系など、真のブラック企業はほかにいると思うんですが、どうでしょうか。

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