子供はなんでも美味しく感じる。その理由は?

2019年12月23日

Twitter見てましたら・・・・・こういうのが流れて来まして・・・


はっきりいって、このお母さんはわかってません。
本日はこの「子供は何でも美味しいという問題」について、エビデンスを添えて語りたいと思います。明日はクリスマスイブなんで簡単に・・・。

昔、何で読んだかは忘れたのですが、

子供は大人より舌の味を感じる味蕾の数が多いので
おとなよりもずっと美味しさを感じることができる

ということらしいのです。
そういえば中学生の頃は、白飯にフリカケで何倍もご飯が食べられたし、いやご飯にソースだけでも食えた。いや、塩だけでも食えた。子供は成長するために贅沢はいっていられない。なんでも美味しく感じるために舌の味蕾が多く、大人にとっては美味しくないものからも敏感に美味しさを感じ取る事ができるということだった。

逆にいえば、敏感すぎて、大人は美味しく感じられるものも、その中のまずさを感じ取る。または有害なものを敏感に感じるようになっている。子供の時には不味いとしか思わなかった酒が大人になると美味しいのはこれか!! と思っていろいろ調べてみました。

検索すると上にずらーーーーっと育児系のトンデモが出てきます。「味蕾を育てる食育」まであった。アホか・・・。育児系はトンデモが多いというのをまざまざと体感できます。

まずはグリコのサイトからフレームでリンクされている母子健康協会

いろいろな人の研究で、味覚というのは舌の側面にあって、その数は新生児のほうが大人よりも多いのです。皆さんの中で、犬や猫の赤ちゃんをもらってきて飼ったことがありませんか。親から離したとたんに、食べられるもの、食べられないものの区別ができますね。それと同じように人間の赤ちゃんも、ある程度生まれつき、体にいいもの、害になるものを区別する能力があるのではないかと思います。それが、障害があろうが普通の子だろうが、ある時期になって下がっていくのです。ちょうどその時期が授乳準備期で、果汁だとかいろんな味を与える時期と一致しているのです。次に離乳食が始まったときに、リンゴペーストとか、リンゴジュースとか、野菜の裏ごしとか、味が同じで色が違うもの、味が違って塩辛いものとか、甘いものとか、においとか、そういうのを滅菌してつくってもらって、お母さんに食べさせてもらって、「この味はどうですか、よく食べますか」というと、赤ちゃんはどんなものでもわりと平気で食べるのです。不思議ですね。ただ、塩分を加えている離乳食をあげているお母さんの子どもは辛いものを好むし、甘いものを加えている赤ちゃんは甘いものをより好みます。

赤ちゃんに塩水を与えると激しく反応するのは、体に悪いものがわかる証拠だというのだが、じゃあ幼児になってタバコ食ったり灯油飲むのはどうしてかというと

さらに不思議なのは、灯油を飲んじゃうとか、たばこを飲んじゃうとか、子どもの事故があります。「なぜこんなまずいものを飲むのか」ということがあります。これには2つ理由があります。1つは、乳児期から幼児期にかけて、味覚の数値の幅が広がって、好みがないですから、どんなものでも受け入れる能力を赤ちゃんが持つということと、子どもの発達過程で、乳児期後半から、何でも口へ持っていって味わって学習して覚えるという能力があるのです。そういうことがあって、ある時期には、大人の常識では考えられない、灯油だとかを平気で飲んでしまうのです。それも一つの味覚の発達だと思います。

なるほど。乳児から幼児に掛けて成長の過程でリスタートしてちょっとおかしくなるときがあるのね。

続いて東京大学農学部のセミナーより

味覚の末梢受容器は味蕾で、舌、口蓋、咽頭に存在するが、舌乳頭に存在する数が最も多い。味蕾は胎生8週でその原基が見られるといわれてる。ヒトの味蕾の分布を図 2 に示す。ヒトの味蕾は舌後方に有郭乳頭、舌側方に葉状乳頭、舌前方の茸状乳頭に存在する。舌後方部の乳頭は舌咽神経舌枝支配下にあり、前方は鼓索神経支配下にある。有郭乳頭の数は成人で 9 個、味蕾数は約 2000 個である。葉状乳頭には約 1300 の味蕾があると言われ、茸状乳頭は舌の部位によってあるいは、個人差が大きいが、平均的数として 1 個の茸状乳頭当たり 4 個の味蕾が存在する。舌全体では茸状乳頭の総数は約 400 で、味蕾数は約 1600 となる。味の感度は閾値によって示される。閾値には味が有るか否かを認知する刺激閾と、他の味との区別が出来るか否かを示す認知閾がある。閾値は味に対する感度を示す尺度となるが、加齢とともに上昇し、
感軟口蓋

茸状乳頭
有郭乳頭
葉状乳頭
味蕾

ヒトの味覚受容器と味蕾の存在部位度が低下する傾向がある。味覚の末梢受容器である味蕾の数は年齢とともに減少するという報告もあるが、定かではない。

味蕾の数は年齢とともに減少するという報告もあるが、定かではない!!!

ここまで書いてきてちゃぶ台返しされました。ww あいたたた

しかし、上のグリコにあった神奈川県立保健福祉大学教授 前川喜平氏(どこかで聞いたことあるお名前・・・w)はこう書いていらっしゃる。

赤ちゃんは味覚が敏感なことは、舌にある味蕾の数が成人よりたくさん存在するという最近の研究結果よりも裏付けられます。

どっちが正しいのか分からないのですが、前川教授は「最近の研究結果」と書かれているのでこちらを採用させて頂きます。日本医師会にも「味蕾の数は、乳児期には約1万個。ほっぺたの内側や唇にも味蕾が存在しています。それに対して、成人になると7,500個ほどに減少してしまうと言われています。」という表記がありました。

しかし、この前川喜平教授の論文はなかなか面白く、基本的には赤ちゃんは食塩水は腎臓の機能が未熟なので早く反応するというメカニズムを持っていて、大人の1/2の濃度でも反応するが

赤ちゃんによって差が大きい

ということです。新生児でも鈍感な子は鈍感で、敏感な子でも段々回数を重ねると拒否反応が弱くなる。離乳食に砂糖を加えていると甘い物が好きになるし、塩を加えていると塩辛いものを好むようになる。拒否だけしていると成長できないからですかね。だから韓国は赤ちゃんでもキムチを食べるし、オーストラリアではベジマイトっていう日本人ならグエーーーーってなるやつを離乳食に食べさせています。
オーストラリアの家にはみんなあってパンに付けて食べてる。騙されたと思ってトライしてください。

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