電子書籍も結局、E-コマース。売るためのポイントは変わらない

2010年8月22日

本屋に行けば電子書籍本が溢れ、ネットを見ても「これからは電子書籍だ」という声で溢れている。あなたの電子書籍を当方で制作して販売しますよ的なサービスも溢れ出した。

◆個人ですぐに自分の本を出版できて、作家の道が開ける
◆印刷と比べて利益率も大きいし、中間マージンもかからないからウハウハだ

マジですか??

実はココにも書いたが、電子書籍自体は新しいものじゃない。日本だって20年くらい前からやってる会社はある。ではなぜいま「電子書籍」と騒がれているのかというと、電子書籍に向いたデバイスが一気に普及しはじめたからだ。専用のデバイスのKindleはじめ、汎用のiPhone、iPadなど、パソコンではなく「手元で」読めるデバイスが普及してきたので、中身の電子書籍が注目されだしただけなのだ。
「禁煙なんて簡単です。わたしは100回以上やりました」というのと同じく「電子書籍なんて簡単です。20年前からあるんです」的なことなんです、実際は。

振り返るとこの状況は、90年代中頃からベッコアメが個人用のインターネット接続事業を始め、そのあとクレイフィッシュがマザーズに上場し、大株主の光通信が「これからはドメイン名取ってサーバ借りれば新規顧客がたくさんきて大儲けです」と、酒屋や魚屋まで足で回って契約していた時と同じ匂いがする。何を隠そう私もベッコアメの初期に契約してネットをはじめた一人です。当時まだネットやったりHP(昔はホームページといったけなぁ・・)を作ってる人は数少なく、ビッグコミックスピリッツの誌上で「インターネットマスターへの道」という連載を数年やりました。実はほりえもんと知り合ったのもこの連載が縁。その後、スピリッツのWEB「スピネット」もほりえもんと協力してつくりました。古ッ!
まあこんな昔話はおいといて、後者のクレイフィッシュは実は自分とかなり縁がある・・。経営していた会社が光通信キャピタルの出資をかなり受けていた関係で(SoftBankと光通信とどっちにしようか考えてこっちにして失敗した感じ・・笑)、クレイフィッシュと協業できないか足を運んだのだ。当時うちの会社は高機能のネットショップのASPを完成させたばかりだったが営業がおらず、クレイフイッシュの顧客に売れないか考えたのです。すぐに創業者の松島さんは社長を追われ、光通信のメンバーが社長になり、あとで光通信と合併しましょうと言われたのだがそれは丁重にお断りしました。
当時のクレイフィッシュは、サーバホスティングでは商店などを中心に、光通信のガリガリ営業マンが稼ぎまくり、数十万規模の顧客を持っていた。が、全くノウハウがない熱血なだけの営業マンが足で稼いで口先八丁で「これからはインターネットです。オリジナルドメインとったら儲かります」といって契約してきたものばかりだったので、どんどんと顧客が減っていた。いまでこそラーメン屋がドメインとって立派なWEB作ってますが、八百屋や魚屋がWEB作ったっていまだってお客は増えない。しかし当時は営業マンの口車に乗ってしまい「儲かる」と思ってみんな契約したんである。

ちまたに氾濫するネットショップも同じ。楽天でも年間数十億単位で販売する出店者もいるが、年間数万円しか売れずに脱落していくところも相当多い。出店者30000店で競争が激化し、発表はされていないが見た感じ、毎年30%くらいは入れ替わってるのではないか。投資とかなりの手間を必要とする楽天はまだやる気のある店がいるからいいが、無一文でも簡単にショップをはじめられる「おちゃのこネット」は出店数14850と楽天の半分なのだが、中身を見るとさんさんたる有様で、荒れ果てて投げ出されているショップ多数。つまりネットショップといっても、実際に売れている、利益が出ているところは全体の数%程度はないかと推測します。リアルの店舗は維持費用がかかるから売れないと店を閉めるが、ネットの場合は更新などを止めたままで単に開けておくだけならたいして金がかからないからそのままにされているケースが多い。なのでますますショップだけが増え続け、ノウハウと資力のない新規参入は埋没していくのである。

で、電子書籍である。電子書籍といえどもネットで買うものには違いないから、これは広義ではE-コマースと考えたほうがいいのは言うまでもない。別に趣味で自主出版したいのならそれでもいいが、おちゃのこネットで1年かかって1個も売れないのと同じはめになる可能性大。逆に言えば、ECで培ったノウハウをフルに転用、活用すれば電子書籍もいけるんじゃないかと思うわけです。そんなわけで、そのノウハウについては改めて書きます・・・

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