中高年の転職に見る「サラリーマンは自己表現ができない」の悲劇

2015年5月19日

先週土曜の昼間にNHKでやってた「目撃!日本列島「ニックネームからの再出発~サラリーマンの“人生塾”~」っていう番組をたまたま見た。朝5時からサーフィンして1ラウンド終えて車で着替えたらたまたまやっていたので思わず見てしまっただけです。
見たい方はオンデマンドで108円払ってください。

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大企業で部長とか課長でがっつりやっていた40〜50代が、早期退職や役職定年制で会社を辞める。ところが1年かけて再就職活動しても200社回って全部断られる。そこで「人生塾」に月謝を払って一から大企業病を治療してもらい、再び就職活動に励むという内容であった。年代的に同じ人たちなので興味深く見ていたのだが・・・

これじゃ警備員でもやるしかないでしょ

と思いました。このまま1000社回っても同じです。200社回ってダメだったら採用する会社でまともなとこはないでしょ。使い捨ての飛び込み営業とか催眠商法会社とか、コンビニのレジならあるかもしれないけど。
出演しているみなさんはどなたも一流企業の出身で、中にはSONYの音響技術者で過去3回社長賞を受けたという人もいました。赤字続きの音響事業はSONYは分社化したけど撤退もありえると囁かれているので、早期退職制度で退職金を上積みされて応じたわけですね。

この番組を見て、一番感じたのは、「この人たちは過去の栄光で再就職ができない」っていうのじゃないよってことだ。もちろんそれが鼻についている人もいるが、出ている人たちはみんな腰が低くて控えめな感じだった。そういう人たちが「あなたたちは自分の名前も元の肩書きも忘れて自分であだ名を付けて名札を貼りなさい」って言われてそのとおりにして陣取りゲームやってるシーンは、

だからあんたらはダメなんだよ!!!

と、思わず声に出そうになった。こんなこと自分がやらされたら「ふざけんな」といって席立ちますよ。こんなんで再就職できると思ってんのかな、真面目に???

この人たちが再就職できなかった理由

まず思うに、大企業の中にいて、あまりにも無知だったことだ。大企業の中にいると自分まで凄い人間になった気がしてくるケースが多く、それがまあ大企業病なわけだが、実態は純正培養されているので非常に無知な人をよく見る。専門馬鹿とでもいいましょうか・・この人たちの場合の最大のミスは

★退職してから再就職先を探してる

事に尽きます。普通、キャリアがあるならヘッドハンティング会社に登録するでしょ。リンクトインにも登録するでしょ。でもって自分の能力や特技、技術をアピールする。それでプロポーズが全く来なければ、世間にあなたのニーズは無いのであるから早期退職など応じず、会社にしがみついた方が良い。
「自分はこんなに仕事ができるから雇いたい会社はいくらでもあるだろう」と無条件で考えるのは無知すぎ。あなたの考える「仕事ができる」と世間一般の「仕事ができる」の間に乖離があるかもしれないから、ニーズを調査するの当たり前でしょ。

ヘッドハンティングされる場合と、自分で応募に行く場合は後者のほうが明らか不利。雇用者は「あんな企業で重職についていたのにどこからも声がかからなかった人なのね」と見るから、能力なり性格なりに問題がある判断をする。これが想像できない時点で顧客視点0。
これは若い人にも当てはまる。自由応募するよりヘッドハンティングされたほうが条件はいいに決まってる。自由応募はアウトバウンドだし、ヘッドハンティングはインバウンド。どっちの成約率が高いか誰でも分かるでしょ。さらにヘッドハンティングの会社は紹介が決まると給与の3ヶ月分がもらえるからなるべく高く売りつけてくれます。

ただここで大事なのは

★自分は××のスペシャリストですと言えない

場合は非常に厳しいってこと。実はこれがきっちりと自信もって言える人って少ないんです。特に大企業の場合だと技術者でも非常に特殊な一部の専門家だったりするので、説明しても「はぁ?それがうちで何の役に立つの?」みたいになる。が、中にはそれが欲しいっていう競合企業もあるかもしれないので、それにどれくらいの価値があるのか知るということが大切なのだ。

B to Bの営業だと大企業だとその看板で仕事をするから、看板がなくなった瞬間に神通力が消える人も多い。光通信で飛び込みセールスでトップ営業でしたのほうが、メーカーで営業してましたより使えるケースが明らかに多いでしょ。新規を獲得できる能力に格段の差があるからね。

続いて、この番組見ていて一番感じたのが

★あまりにも受け身!!!

ってことだ。学歴が高く、大企業の組織の中で何十年も隔離されているうちに、「目立つのはよくない」「組織には従え」「上には逆らえない」的な意識に犯されてくる。いいように言うと「素直」、悪く言うと「自分で考えない」ってこと。だからこそ大金払って再就職予備校に入学して「再就職のためには自分の過去を捨て去れ」とか言われてチャーリーとか書いた名札を下げてしまうんです。ぶっちゃけ、自分が経営者ならこんな「馬鹿素直なオッサン」は管理職にはいらない。警備員ならいいと思う。

もうひとつ

★リテラシーがあまりに低い

というのもこの人たちの特徴のひとつ。上の「受け身」というのとも関連するんだが、ネットってもともと情報を調べるためのもので、受け身の人にはニーズがないのです。いまどき「インターネットは怖い」とか言う人もこのクラスタに多数いる。Facebookで架空IDとほいほい友達になってしまう人たちに大企業の部長とかめちゃ多かったなぁ・・でもってこれがガンとなって次の解決策が取れない人多数。

ブログでもなんでもいいから自己表現しろ

仮に私がこうした中高年が今後どうするのか、講習会やってくれと言われたら、忙しいので受けはしませんけど(爆)まずは実名でブログでも書けというでしょう。これが月謝を取ってわざとらしく塾が教える「自己分析」と「自己表現」です。

塾に何十万も払うなら、そして就職活動に数年も費やすなら、そして本当にあなたに中身があるのなら、数百ページに渡ってブログくらい書けるはずだ。きちんと誰にでもわかるように表現できるならアクセスも来るでしょう。専門性が高いなら、「ウチに来てくれ」くらいの声はかかるかもしれないし、正社員でなくても「非常勤の顧問で」くらいの話は来るでしょう。「難しすぎて内容が分からない」と思われたら、あなたには面接に行っても同様に思われるので転職は無理。全く異業種の人にでも面白く読めるレベルでないとね。

「会社で開発したものなので守秘義務が・・」とかいってるあなた、馬鹿いってるんじゃないですよ。会社はなにをしてくれましたか?そしてそんな古い技術なんて誰に話そうがもう陳腐化してます。必要なのは「あなたがどうやってその技術や製品を開発したか」というストーリーであって詳細の仕様じゃありません。そんな仕様はもう陳腐化してます。

わたしが一番言いたいのは

自分のキャリアを忘れろなんておかしいでしょ

ということなんです。あなたの資産はそのキャリアから得た「なにか」のはずで、キャリアを捨て去ってしまったらタダのオッサンです。あなたはその「なにか」を大衆に向かって発信し、評価を得ないとならない。評価を得ることができれば仕事なんていくらでも来ます。

え?? そんなのあり得ないって??

わたしが見本です。同年代ですが、3.11以降、心を入れ替えてブログを書き始め、アウトバウンドの営業は一切しておりませんが、仕事の依頼をインバウンドでたくさん頂き、いまや半死半生です。はっきりいって客を選んでます。上場企業のクライアントも複数あります。役員にというお誘いもいただきましたが、常勤は無理なんでお断りしています。いやもう、死ぬほど忙しくて口から炎吐いてるくらいです。

ということで信じる者は救われます。本当に頑張ってきた自信があるなら、きっと「あなたにしかないもの」を持っているはず。サラリーマン生活が長すぎて、自己表現のやり方を見失ったのです。少なくともニックネームを自分で考えて過去の自分と決別とかはやめてください。過去のあなたがあるから、いまのあなたがいるのです。ただし、「俺は××に勤務していたんだ」的な腐ったプライドは捨てましょう。辞めたあとのあなたには看板はもうないんです。ただのオッサンです。肝心なのは、中身があるオッサンなのかそうでないのかということだけです。

いいアイデアも来ましたよ

まあ、辞める前にこういうのくらいは読んでもいいかなと思う

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