書き下ろし!! ITファンタジー小説「マヤ」堂々発表

2014年6月6日

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僕が4月から中学受験の塾に行くことになり、ママはパパのおさがりのiPhoneを僕用に家族契約して渡してくれた。
ちょっと古いけど僕もiPhoneが持てて嬉しかった。塾が終わるときにママにLINEで終わったよとメッセージを送ると、ママは車で迎えに来てくれる。

ママはiPhoneをいじってはダメというけど、8歳の僕にそんなこといっても無駄だ。でも子供がいろいろ見てはいけない設定がされているらしく、アプリもダウンロードできない。一つだけと約束して、さらに勉強のあとでしか絶対しないと指切りさせられて、一番人気のゲーム、テレビで宣伝していたのをひとつだけ入れてもらった。本当に大人って信用しないんだ。

ゲームは面白かった。画面は綺麗だし、なかなか楽しい。そのうちこのゲームは誰が作ったのかと思って、Google検索というもので調べた。自分も将来、ゲームを作ってみたい。図工を勉強したほうがいいのかな。それとも算数なのかな。よくわからない。

会社はすぐわかった。

検索で見つけてそのサイトにいったら、登録しなさいとでた。パパからも「どのサイトにも絶対登録しちゃだめ」と言われていたけど、自分の大好きなゲームの会社だし、ちゃんとしてるに決まってる。8歳だってそれくらいはわかる。

登録したら、割と簡単にはいれた。どうもこれがログインというやつだ。

マジで驚いた。そこは、なんというか、、、見たこともない、しんとして、住民が死に絶えたような場所だった。これに近いものを本で見たことがある。マヤだったかな。一夜にして住民がひとりもいなくなった古い都市の話。おじいちゃんがプレゼントしてくれた本にでていたよ。おじいちゃんが読んでくれたときに怖くて泣きそうになった。

そこには人々が生活していた痕跡だけが残っていた。でも痕跡しかない。しかも物凄くたくさんの痕跡だ。会話、写真。動画。毎日興奮していろいろ見た。喧嘩の跡もあれば、楽しそうな会話の跡もあった。独り言もあったし、呪いみたいな怖いのもあった。これを残した人達はどこに行ったんだろう。パパにもママにも聞けない。だって本当は僕はこんなことをしてはいけないから。ママがゲームを入れているときに、こっそりsafariをオンにしたのがばれたら、きっとiPhoneを取り上げられてしまう。

その廃墟には、ゲームも用意されていた。いまでは誰も遊んでいない。でもほとんどは僕のiPhoneではできない。ゲームの仕組みが古いからのようだ。これを作ったのは誰なんだろう。なぜこんな廃墟に誰も遊んでいないゲームが残されているんだろう。

夢中になっていろいろ見ていたら、ある日、一枚の写真に目が止まった。オフ会面白かったと書いてある。なんだろう、オフ会って。オフィスの会議って仕事でしょう?仕事がそんな面白いのかな、パパはいつも会社で疲れたって言ってるよ。

写真の真ん中にひとりのお姉さんが笑っていた。よく見たら、、、、うちのママだ!でもいまのママじゃない。もっとずっと若い時のママ。なんだか赤い顔でビールのグラスを持っている。横には見たことのないお兄さんがいて、ママと肩を組んでいる。パパかと思ったけどパパじゃない。知らない人だ。

なんだかドキドキして、見ちゃいけないものを見たと思った。そしてmixiをログアウトしてiPhoneの電源を切った。どうしてママはあの廃墟にいたんだろう。あのお兄さんは誰なんだろう。そのとき、ママの声がした。

「ご飯よ!」

ログインすることのなくなったSNSは、きちんと削除したほうがいいかもしれません。自分の記憶には楽しいことしかなくても、コロッと何かを置き忘れているかもしれないからです。(ヒッチコック風にナレーション入ります)

この小説(笑)はこのツイートにインスパイアされて書きました。小説なんで細かいところは突っ込まないように!

偶然にもmixiに大量の不正侵入発覚!!ピラミッドの墓泥棒かっ!!!

もともと過去形のタイトルがなんとも・・

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